百鬼怪異夜行

葛葉幸一

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第三十一夜 虚空会年代記─アカシックレコード─

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ネットとか動画投稿サイトで検索すると出てくる、アカシックレコード。
なんとなく気になったサイトには、アカシックレコードを読むための方法を教えます、って書いてあった。
本当にそんな凄いことが、簡単にできるのかしら。
先生に教えてもらいながら、みんなでアカシックレコードを読み解こう、っていう教室だったの。
しかも、私の最寄駅の目の前。
縁を感じた私は、その教室に行ってみたわ。
そうしたら、同じクラスの女の子がいたの。
彼女は私を見つけると嬉しそうに駆け寄ってきて「あなたも『虚空会年代記』に興味あるの?」って聞いてきた。
虚空会年代記(こくうえねんだいき)なんて単語は初めて聞いたから、なにかと思ったら造語みたい。
私は興味「だけ」はあったから、そう答えたわ。
彼女の紹介で先生?とお話しできたの。
先生は、ある日突然夢に神さまが出てきて、この力を授けて下さった、とか言ってたよ。
私はそのあたりは話し半分に聞いてた。
私が知りたいのは、本当にアカシックレコードを読み解く事ができるようになるのか。
読み解けたとして、未来を変えることができるのか。
それが知りたかったの。

お兄ちゃん曰く。
人智を超えた能力を持つ人は稀にいる。
でもその人たちは覗き見ることしか出来ないし、未来を変える力なんて持てるはずがない。
未来を変えたくて行動しても結果としてはまた別のことが起きて、結局同じ未来になるようにできてるんだ。

彼女は先生に、2週間後に家族が強盗にみんな殺される。それを阻止したいなら、アカシックレコードを読んで、その未来を回避することだ、と先生に言われたんだって。
そして、先生の教え通りに瞑想してたら、家族みんなが殺される詳細な場面が見えたんだって。
だから彼女は、2週間後のその日に家族にわがままを言って、泊まりの旅行に行くことにしたの。
たしかにそれなら家に強盗が入っても殺されないわ。
でも。
彼女とその家族は交通事故で死んでしまった。
彼女なりに未来を変えようとしたけど、シチュエーションが違うだけで、結局家族みんなが亡くなってしまった。
運命や未来は変えることができないのかしら。
ただ、彼女の見たアカシックレコードは本物だったのかな?
逆に旅行しないで家にいれば、死なずに済んだのかも知れないね。
あの先生は本物だったのか。
それを知る前に、教室も先生も消えていたわ。
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