5 / 6
4話:どこまで知ってる
しおりを挟む
チャキッ、とナイフを構える男子生徒。
「武器があると手加減しにくいんだよなぁ」
ダッ!と男子生徒が一気に距離を詰めてくる。
何のひねりもなくただただまっすぐに走ってくる。
ヒュッ、と左から迫るナイフの柄を押さえて止める。
「っ!?」
驚いた顔をしながらナイフから手を離し、バックステップで距離を取る男子生徒。
ナイフから手を離す判断は正しい。
そうしていないと私は彼に蹴りなり何なり入れられていたからだ。
...まぁ、追撃されないように逃げないと意味ないんだけどね。
私はナイフを捨てて男子生徒のがら空きの懐に潜り込む。
掌底を腹部に打ち込むギリギリで止める。
「...1回目」
ヒュンッと風を切って襲ってくる男子生徒の右手。
それを足場にしながら一回転するようにして頭の上を飛び越える。
クルリと男子生徒の方へと振り向いて首筋に中指を突き立てる。
「...2回目」
ガシッ、と首筋に突き立てた左手を掴まれて
「おらっ!」
と一本背負いで投げられる。
受け身を取るためにそのまま背中から落ちるのが普通なのだが、足から着地する。
着地の衝撃でビリビリと痺れるような痛みが走るのを無視してそのまま男子生徒を投げ返す。
全く予想していなかったようで「うおっ!?」と上手く受け身を取れないままドタン!と地面に倒れる。
これやるとほとんど片腕で投げることになるから腕が外れそうで怖いんだよね…。あと、普通に痛いし。
「これで3回目。次は本気で攻撃するけどどうする?」
仏の顔も3度までという意味でそう言うと
「くそっ!!」
と悔しそうに歯ぎしりする男子生徒。
「約束通り、もう二度と私に関わらないでね」
「誰がそんな約束守るかよっ!俺は俺の目的のためならなんだってしてやる」
はっ、と嘲笑う男子生徒。
「──もう一度言うね。二度と私に関わらないで」
男子生徒を睨みつけ、ちょっとだけ殺気を放つ。
「っ、わ、分かった。もう二度と近づかねぇよ」
途端にタジタジになり逃げるように走って姿を消した。
「はぁ、やっと終わった。早く学校に行かないと...。昧怒ってるかなぁ」
そんな事を呟きながら男子生徒の使っていたナイフを拾う。
このまま捨てておく訳にはいかないから持っていくしかないよね。
誰かが拾っちゃうといろいろ面倒なことになりそうだし。
それに、最悪売ればお金になるからいいか。
そう思い、防刃性の制服のネクタイで刃の部分を包んでポケットの中に入れる。
「流石先輩、ですね」
パチパチという拍手と同時に上からそんな声が聞こえてきた。
「次から次に...今度は何の用なの?」
上を見ると長い銀髪の女子生徒が家の屋根の上にいるのが見えた。
スカートをきちんと押さえてフワリ、と私もと同じぐらい―腰の少し下ぐらい―の髪を靡かせながら私の前に飛び降りた。
身長は大体150cmちょっと。私より少し低いくらいだ。
瞳は綺麗な紫紺色をしていてここじゃない何処か遠くを見ているように感じた。
なんとなくだけど...私に似ている?
「で、あなたは誰?」
警戒しながらそう聞くと
「シエスタ。シエスタ・ホームズです。これからよろしくお願いしますね、先輩」
と丁寧に挨拶をしてくる。
「この学期から転校してきました。かの有名なシャーロック・ホームズの子孫です」
透き通った綺麗な声。
シャーロック・ホームズというのは有名な名探偵の名前。
その名を知らないわけがない。
...どうやら面倒な相手に目をつけられたらしい。
「あっ、すみませんが私がホームズの子孫ということは内緒にしていただけないでしょうか?目立つのは好きではないので...」
「それは、別にいいけど...。でも、それならどうして私にそれを教えたの?」
「一方的に知っている、というのは不平等に思いまして」
刹那、私はほとんど反射的にシエスタを地面に押し倒して押さえつけた。
「──何処まで知ってるの」
グッ、と喉元にあてている指に力を込める。
「武器があると手加減しにくいんだよなぁ」
ダッ!と男子生徒が一気に距離を詰めてくる。
何のひねりもなくただただまっすぐに走ってくる。
ヒュッ、と左から迫るナイフの柄を押さえて止める。
「っ!?」
驚いた顔をしながらナイフから手を離し、バックステップで距離を取る男子生徒。
ナイフから手を離す判断は正しい。
そうしていないと私は彼に蹴りなり何なり入れられていたからだ。
...まぁ、追撃されないように逃げないと意味ないんだけどね。
私はナイフを捨てて男子生徒のがら空きの懐に潜り込む。
掌底を腹部に打ち込むギリギリで止める。
「...1回目」
ヒュンッと風を切って襲ってくる男子生徒の右手。
それを足場にしながら一回転するようにして頭の上を飛び越える。
クルリと男子生徒の方へと振り向いて首筋に中指を突き立てる。
「...2回目」
ガシッ、と首筋に突き立てた左手を掴まれて
「おらっ!」
と一本背負いで投げられる。
受け身を取るためにそのまま背中から落ちるのが普通なのだが、足から着地する。
着地の衝撃でビリビリと痺れるような痛みが走るのを無視してそのまま男子生徒を投げ返す。
全く予想していなかったようで「うおっ!?」と上手く受け身を取れないままドタン!と地面に倒れる。
これやるとほとんど片腕で投げることになるから腕が外れそうで怖いんだよね…。あと、普通に痛いし。
「これで3回目。次は本気で攻撃するけどどうする?」
仏の顔も3度までという意味でそう言うと
「くそっ!!」
と悔しそうに歯ぎしりする男子生徒。
「約束通り、もう二度と私に関わらないでね」
「誰がそんな約束守るかよっ!俺は俺の目的のためならなんだってしてやる」
はっ、と嘲笑う男子生徒。
「──もう一度言うね。二度と私に関わらないで」
男子生徒を睨みつけ、ちょっとだけ殺気を放つ。
「っ、わ、分かった。もう二度と近づかねぇよ」
途端にタジタジになり逃げるように走って姿を消した。
「はぁ、やっと終わった。早く学校に行かないと...。昧怒ってるかなぁ」
そんな事を呟きながら男子生徒の使っていたナイフを拾う。
このまま捨てておく訳にはいかないから持っていくしかないよね。
誰かが拾っちゃうといろいろ面倒なことになりそうだし。
それに、最悪売ればお金になるからいいか。
そう思い、防刃性の制服のネクタイで刃の部分を包んでポケットの中に入れる。
「流石先輩、ですね」
パチパチという拍手と同時に上からそんな声が聞こえてきた。
「次から次に...今度は何の用なの?」
上を見ると長い銀髪の女子生徒が家の屋根の上にいるのが見えた。
スカートをきちんと押さえてフワリ、と私もと同じぐらい―腰の少し下ぐらい―の髪を靡かせながら私の前に飛び降りた。
身長は大体150cmちょっと。私より少し低いくらいだ。
瞳は綺麗な紫紺色をしていてここじゃない何処か遠くを見ているように感じた。
なんとなくだけど...私に似ている?
「で、あなたは誰?」
警戒しながらそう聞くと
「シエスタ。シエスタ・ホームズです。これからよろしくお願いしますね、先輩」
と丁寧に挨拶をしてくる。
「この学期から転校してきました。かの有名なシャーロック・ホームズの子孫です」
透き通った綺麗な声。
シャーロック・ホームズというのは有名な名探偵の名前。
その名を知らないわけがない。
...どうやら面倒な相手に目をつけられたらしい。
「あっ、すみませんが私がホームズの子孫ということは内緒にしていただけないでしょうか?目立つのは好きではないので...」
「それは、別にいいけど...。でも、それならどうして私にそれを教えたの?」
「一方的に知っている、というのは不平等に思いまして」
刹那、私はほとんど反射的にシエスタを地面に押し倒して押さえつけた。
「──何処まで知ってるの」
グッ、と喉元にあてている指に力を込める。
0
あなたにおすすめの小説
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる