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聖女降臨?
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「あれは、なんだ!」
そんな声が城下町のあちらこちらで響いたころ、王宮の中庭では、1組の婚約が決まろうとしていた。
「セプト殿下、お会いできて、大変嬉しゅうございます!」
「こちらこそ、アリーシャ嬢に会えて嬉しいよ。今日はわざわざ呼び立ててすまなかったね」
「いえ、とんでもございません! お父様から、殿下との婚約のお話を伺い、とても喜びましたの! でも、殿下の噂はかねがね……私のようなつまらない女では……とも考えましたが、王家の一員としてこれから殿下を支えていきたく存じます。殿下、どうか、この気持ちうけい……どうかされましたか?」
上空を見上げるセプトに、アリーシャも手を翳して視線の先を見やる。太陽とは別に光り輝くものが見えた。
「あれは……なんだ? 光って……」
セプトが興味を持ったのか、ガタッと立ち上がり光の方へ吸い寄せられるようにふらふらと歩いていく。
「殿下、得体のしれないものに近づくなど、危ないですわ! お戻りください! 殿下っ!」
「いや、あの光に呼ばれているような気がする。アリーシャ嬢、すまないが……今日は引き取ってくれるかな?」
セプトは、好印象を持ったアリーシャに微笑みかけたが、有無を言わせず退出を促した。
せっかくのお茶会も珍妙な光のお陰で台無しだ。
アリーシャとの婚約も何故か纏まらない……セプトはそんな予感を胸によぎる。
それでも、構わなかった。
王家の三男として生まれ、令嬢だけならず、いろんな女の子と遊び呆けていたのだ。それを知らない公爵家ではないだろう。本命の長子ではなく、次女との婚約を申し出てきた。
まとまればいいかくらいの軽い気持ちで望んだお茶会。セプトは、かの公爵令嬢への興味をすっかりなくしてしまった。
それよりも、あの光が気になる。
空から、ゆっくりゆっくり降りてきた光。
最初は、真夏の太陽すら凌ぐほどの強烈な光であったが、地上に近づくとだんだん光も弱くなってきた。
その光を目掛け近衛や兵士が一様に剣や槍を構え、落下地点へ集まってくる。光を取り囲むように円状に近衛たちが二重の輪になり配置に付く。
弱まる光がだんだんと地上へ降りてくると、影からそれが何かわかった。
真っ白な服を纏った、金髪の女性である。
風に服の裾や髪を弛ませながら、ゆっくりゆっくり降りてきた。
「殿下、お下がりを!」
「危ない代物かもしれません!」
「な、わけねーだろ?どっからどう見ても女の子だ。俺が受け止める。みな、下がってろ!」
セプトがそういうと、近衛大将からお小言をもらったが、頑として譲る気になれない。
あれは俺が受け止めないといけない。そんな衝動にかられ、降りてきた女性を優しく受け止める。
顔を覗き込むと天使のようで、微笑みを讃えながら眠りについているようだった。
腕に抱くと白いワンピースは血だらけだ。
どこか怪我をしているのだろうか?
侍医を!と叫ぶと、すぐに近くの部屋で女性を休ませた。
侍医が部屋に入ってきて診察をしようと彼女に触ろうとしたとき、空気が一瞬震える。
何事だと周りを見渡した瞬間、着ていた服が砂のようになって消えてしまった。
一糸纏わぬ姿になってしまった彼女を慌てて抱きしめる。
華奢なその体は暖かい。なのに、俺以外を誰をも拒む。
近衛大将に連れられ、陛下や第一、第二王子まで入ってきた。
「……聖女様、なのか?」
「陛下、聖女とはよその世界から現れるという伝説のですか?」
「あぁ、そうだ。それならば、王太子の側室……いや、王太子妃に迎えいれよう。それにしても、何故、裸なのだ? セプトよ? 何故、そなたが聖女様を抱いておる? 王太子の妃にするから、第一王子に渡しなさい」
「……陛下」
「それよりも、早く聖女様に服を着せてやれ。流石に裸では目のやりようがない!」
「このものに服を着せようとすると、この光が拒むのです。その辺に散らばっているのは、夜着や布団、シーツの成れの果て。人も触れることができません。侍医や侍女が触ろうとすると、体ごと弾かれてしまいます!」
半信半疑でセプトの話を聞いていた陛下や第一、第二王子は、それぞれ聖女らしき彼女にその汚い手で触れようとする。それに憤りを感じたが、1番汚い手は、他の誰のものでもなく、自分のものだと自覚し、放したくないとさらにきつく抱き寄せた。
「確かに……聖女様は、我らでは触れることもできぬか……セプト、そなたに一任する」
「はい、陛下」
「陛下、私の妃にと、おっしゃったではないですか?」
「そうはいっても、触れられぬもの仕方なかろうて」
「くっ……」
みながセプトに抱かれた女性に見惚れていた。髪は輝くような金髪。四肢は細くしなやかで、つくべきところに肉がつき、綺麗な体をしている。
第一王子がセプトを睨んでも仕方がないことだ。陛下のいう『聖女様』は、セプトを気に入ったらしいのだから。
「そなた、今日、公爵令嬢のアリーシャ嬢と婚約の話をしていたのではなかったか? 成立したのであろう?」
「いえ、それが、まとまる前でして……」
「それならば、聖女様の方が大切だ。公爵家には、婚約は無かったことにしてもらう。セプト、今日から、そなたの婚約者は聖女様だ。身を尽くすように」
「くれぐれも、今までのように遊び歩かないでくれよ? 聖女様の怒りをかったら、この国がどうなるかわからんからな!」
悔し紛れに、第一王子に悪態をつかれ、彼女を押し付けられてしまった。
婚約が決まっても、結婚式までは遊んでいられるとたかをくくっていたのに、仕方がない。
しまったな……抱きしめていたら、押しつけられてしまった。
こんな素っ裸の女性を部屋に置いておくわけにもいかないし、俺以外が拒まれていたとしても、この先、この女性に何があるかわからないからな。
「陛下、お願いがあります」
「なんだ? 申してみよ」
「王宮の最奥にある鳥籠を使わせてください。あの場所なら、聖女様が眠りから覚めるまで、ゆるりとできるかと……」
「何を言っておる! あの場所は、冷宮。罪を犯した女性王族が入る場所ではないか!」
「他に、聖女様がゆっくりお休みできる場所が王宮にありますか?」
「セプトの言う通り。本来、あの鳥籠は、何代か前の聖女様が、休まれていた場所でもある。それを数百年以上現れなかった聖女様の代わりに、いつの間にか厳罰部屋に代わっていただけのこと。すぐに整えるよう手配をしよう」
それだけ言うとセプトの侍女を一人残し、皆が部屋を出て行った。
「殿下……、あの、差し出がましいのですが……」
「なんだ? アリエル」
「聖女様をどうかベッドに寝かせてあげてください」
「それもそうだな……それにしても、不思議だな。掛けるもの着るものもダメ、人が触れるのもダメなのに、俺とベッドだけが許されるなんて……もう、これはあれだな?」
「……殿下。普段と同じようなことをされますと、天罰が起こりますよ! もしかしたら……」
アリエルにちらりと見られたので、慌てて聖女様をベッドに横たわらせて距離をとった。
「おいたは、なるべくしません! 誓って、なるべくな!」
はぁ……と盛大なアリエルのため息が、部屋中に広がるのであった。
その数時間後、鳥籠の準備ができたと他の侍女から連絡をもらい、運ぶことになった。
目覚めぬ『聖女様』を人目につかないように、真夜中に鳥籠へと運ぶ。
聖女ビアンカ・レートとこの国の第三王子セプトが出会いが、この先の二人が国の命運をも揺るがすことになるのであった。
そんな声が城下町のあちらこちらで響いたころ、王宮の中庭では、1組の婚約が決まろうとしていた。
「セプト殿下、お会いできて、大変嬉しゅうございます!」
「こちらこそ、アリーシャ嬢に会えて嬉しいよ。今日はわざわざ呼び立ててすまなかったね」
「いえ、とんでもございません! お父様から、殿下との婚約のお話を伺い、とても喜びましたの! でも、殿下の噂はかねがね……私のようなつまらない女では……とも考えましたが、王家の一員としてこれから殿下を支えていきたく存じます。殿下、どうか、この気持ちうけい……どうかされましたか?」
上空を見上げるセプトに、アリーシャも手を翳して視線の先を見やる。太陽とは別に光り輝くものが見えた。
「あれは……なんだ? 光って……」
セプトが興味を持ったのか、ガタッと立ち上がり光の方へ吸い寄せられるようにふらふらと歩いていく。
「殿下、得体のしれないものに近づくなど、危ないですわ! お戻りください! 殿下っ!」
「いや、あの光に呼ばれているような気がする。アリーシャ嬢、すまないが……今日は引き取ってくれるかな?」
セプトは、好印象を持ったアリーシャに微笑みかけたが、有無を言わせず退出を促した。
せっかくのお茶会も珍妙な光のお陰で台無しだ。
アリーシャとの婚約も何故か纏まらない……セプトはそんな予感を胸によぎる。
それでも、構わなかった。
王家の三男として生まれ、令嬢だけならず、いろんな女の子と遊び呆けていたのだ。それを知らない公爵家ではないだろう。本命の長子ではなく、次女との婚約を申し出てきた。
まとまればいいかくらいの軽い気持ちで望んだお茶会。セプトは、かの公爵令嬢への興味をすっかりなくしてしまった。
それよりも、あの光が気になる。
空から、ゆっくりゆっくり降りてきた光。
最初は、真夏の太陽すら凌ぐほどの強烈な光であったが、地上に近づくとだんだん光も弱くなってきた。
その光を目掛け近衛や兵士が一様に剣や槍を構え、落下地点へ集まってくる。光を取り囲むように円状に近衛たちが二重の輪になり配置に付く。
弱まる光がだんだんと地上へ降りてくると、影からそれが何かわかった。
真っ白な服を纏った、金髪の女性である。
風に服の裾や髪を弛ませながら、ゆっくりゆっくり降りてきた。
「殿下、お下がりを!」
「危ない代物かもしれません!」
「な、わけねーだろ?どっからどう見ても女の子だ。俺が受け止める。みな、下がってろ!」
セプトがそういうと、近衛大将からお小言をもらったが、頑として譲る気になれない。
あれは俺が受け止めないといけない。そんな衝動にかられ、降りてきた女性を優しく受け止める。
顔を覗き込むと天使のようで、微笑みを讃えながら眠りについているようだった。
腕に抱くと白いワンピースは血だらけだ。
どこか怪我をしているのだろうか?
侍医を!と叫ぶと、すぐに近くの部屋で女性を休ませた。
侍医が部屋に入ってきて診察をしようと彼女に触ろうとしたとき、空気が一瞬震える。
何事だと周りを見渡した瞬間、着ていた服が砂のようになって消えてしまった。
一糸纏わぬ姿になってしまった彼女を慌てて抱きしめる。
華奢なその体は暖かい。なのに、俺以外を誰をも拒む。
近衛大将に連れられ、陛下や第一、第二王子まで入ってきた。
「……聖女様、なのか?」
「陛下、聖女とはよその世界から現れるという伝説のですか?」
「あぁ、そうだ。それならば、王太子の側室……いや、王太子妃に迎えいれよう。それにしても、何故、裸なのだ? セプトよ? 何故、そなたが聖女様を抱いておる? 王太子の妃にするから、第一王子に渡しなさい」
「……陛下」
「それよりも、早く聖女様に服を着せてやれ。流石に裸では目のやりようがない!」
「このものに服を着せようとすると、この光が拒むのです。その辺に散らばっているのは、夜着や布団、シーツの成れの果て。人も触れることができません。侍医や侍女が触ろうとすると、体ごと弾かれてしまいます!」
半信半疑でセプトの話を聞いていた陛下や第一、第二王子は、それぞれ聖女らしき彼女にその汚い手で触れようとする。それに憤りを感じたが、1番汚い手は、他の誰のものでもなく、自分のものだと自覚し、放したくないとさらにきつく抱き寄せた。
「確かに……聖女様は、我らでは触れることもできぬか……セプト、そなたに一任する」
「はい、陛下」
「陛下、私の妃にと、おっしゃったではないですか?」
「そうはいっても、触れられぬもの仕方なかろうて」
「くっ……」
みながセプトに抱かれた女性に見惚れていた。髪は輝くような金髪。四肢は細くしなやかで、つくべきところに肉がつき、綺麗な体をしている。
第一王子がセプトを睨んでも仕方がないことだ。陛下のいう『聖女様』は、セプトを気に入ったらしいのだから。
「そなた、今日、公爵令嬢のアリーシャ嬢と婚約の話をしていたのではなかったか? 成立したのであろう?」
「いえ、それが、まとまる前でして……」
「それならば、聖女様の方が大切だ。公爵家には、婚約は無かったことにしてもらう。セプト、今日から、そなたの婚約者は聖女様だ。身を尽くすように」
「くれぐれも、今までのように遊び歩かないでくれよ? 聖女様の怒りをかったら、この国がどうなるかわからんからな!」
悔し紛れに、第一王子に悪態をつかれ、彼女を押し付けられてしまった。
婚約が決まっても、結婚式までは遊んでいられるとたかをくくっていたのに、仕方がない。
しまったな……抱きしめていたら、押しつけられてしまった。
こんな素っ裸の女性を部屋に置いておくわけにもいかないし、俺以外が拒まれていたとしても、この先、この女性に何があるかわからないからな。
「陛下、お願いがあります」
「なんだ? 申してみよ」
「王宮の最奥にある鳥籠を使わせてください。あの場所なら、聖女様が眠りから覚めるまで、ゆるりとできるかと……」
「何を言っておる! あの場所は、冷宮。罪を犯した女性王族が入る場所ではないか!」
「他に、聖女様がゆっくりお休みできる場所が王宮にありますか?」
「セプトの言う通り。本来、あの鳥籠は、何代か前の聖女様が、休まれていた場所でもある。それを数百年以上現れなかった聖女様の代わりに、いつの間にか厳罰部屋に代わっていただけのこと。すぐに整えるよう手配をしよう」
それだけ言うとセプトの侍女を一人残し、皆が部屋を出て行った。
「殿下……、あの、差し出がましいのですが……」
「なんだ? アリエル」
「聖女様をどうかベッドに寝かせてあげてください」
「それもそうだな……それにしても、不思議だな。掛けるもの着るものもダメ、人が触れるのもダメなのに、俺とベッドだけが許されるなんて……もう、これはあれだな?」
「……殿下。普段と同じようなことをされますと、天罰が起こりますよ! もしかしたら……」
アリエルにちらりと見られたので、慌てて聖女様をベッドに横たわらせて距離をとった。
「おいたは、なるべくしません! 誓って、なるべくな!」
はぁ……と盛大なアリエルのため息が、部屋中に広がるのであった。
その数時間後、鳥籠の準備ができたと他の侍女から連絡をもらい、運ぶことになった。
目覚めぬ『聖女様』を人目につかないように、真夜中に鳥籠へと運ぶ。
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