26 / 55
えぇーっと、私、たぶん、
しおりを挟む
鳥籠に着いてから、ニーアがお茶の用意をしてくれる。
「さっきは、急なことお願いしてごめんね?」
「いえ、驚きましたが、お名前も言わない方がいいかと思ったので、咄嗟に主と言わせていただきました。カイン様のように聖女様とお呼びすればよかったです」
ちょっと肩を落とすニーアに、苦笑いする。聖女は、さすがに恥ずかしい。
「それで、庭園で何かあったのか?」
「えぇ、あったといえば、あったかな?それより、セプトは庭園に行かなくてよかったの?アリーシャが待っているわよ?」
「俺は、会う約束なんてしていないからな。おおかた、公爵に城の見学でもするかと言われてついてきたのだろう。適当に歩いていたところに見知ったカインを見つけた……そういうところじゃないか?」
「そう、なら、いいのかな?」
「それよりだっ!俺だけ知らないのは……」
「セプト様以外も知りませんよ!ビアンカ様が急に黙られてしまわれたので」
「そうなのか?」
立っているカインに問いかけるセプト。一応、カインにも座るよう促したが、任務中ということで、座ってくれない。
そして、自然と三人の視線を受けることになった。
「えっと、えぇーっと、私、たぶん、さっきのアリーシャは知ってる人かもしれないと思って……」
「えっ?」
「はっ?」
「んん?」
三者三様いい具合に驚いてくれ、私は、頬をぽりぽりとかく。
「どう言うことだ?」
代表してセプトが私に説明を求めてくる。ただ、核心はないものの、まさかね?と思う自分もいた。
「私が生きた時代に、同じ人物がいたって言ったら驚くかしら?」
「まぁ、普通は驚くな?」
「アリーシャ嬢は、確か今は公爵令嬢ですけど、生まれは伯爵か子爵かだったはずです。借金のかたに連れられてきたとかなんとか……」
「借金のかたに……」
「だから、同じ時代に生きているのは別人では、ないですか?」
カインに言われ、ハッとしたが、見間違いではないと再度主張しら、今度は三人が押し黙った。
「……勘違いだったのかしら?でも、顔を見せるのは、まずいと思ったの。咄嗟のことに対応してくれて二人ともありがとう」
「いえいえ、たいしたことではありません」
カインが優しく微笑んで、私もつられて微笑んだ。
私とカインを交互に見るセプトに私が、どうしたの?と問いかけた。
「二人とも、ずいぶん仲良くなったものだなって」
「……そんなこと、ないさ。ビアンカ様には、利き腕のことで感謝している、それだけだよ」
「ふーん、そんなもんか」
「ところで、セプトは私に話があったのでしょ?」
「そうだった。その前に、そのドレス、よく似合っている。春の妖精が舞い降りたみたいだ!」
クスっと笑う私に不思議そうな顔を向けてくるセプト。
同じ言葉を聞くとは思わなかったのだ。
「それ、さっき、ニーアにも言われたの。私、そんなに春の妖精に見えるかしら?」
お道化てみると、あぁと柔らかく微笑むセプトに少々驚いた。今までの表情とずいぶん違うのだ。
「そんなに驚いた顔をしてどうした?」
「セプトが優しそうに微笑んだことに驚いたの!」
「俺も微笑みくらい、……するよな?」
抗議の声をあげた後、カインの方へ振り向き確認をとっている。小さい頃から一緒にいたカインなら、今の表情と今までの表情の違いが分かったのではないだろうか?
「俺も、初めて見たので、驚いてます」
「はっ?普通に、笑うけど……なぁ、ニーアもそう思うだろ?」
「えっと、申し上げにくいのですが……私も殿下の優しそうな微笑みは、初めて見ました!」
「俺って、そんな仏頂面なわけ?」
「違うんじゃない?私が思うに、笑っていても、心から笑っているように見えなかったし、張り付けた笑顔のように見えたんだよ。特に付き合いの長いカインには。私やニーアは、毎日顔を合わせていたから、雰囲気かな?それで、違いが分かったのかも」
そうかと呟くセプト。何か思い当たることがあるらしく、自嘲気味に笑う。なんだか、その笑顔は悲しいが、今まで作り笑いを張り付けていたのだから、セプトが感情を出せる心許せる場所に鳥籠がなっているということなのだろう。
コホンとわざとらしく咳ばらいをするセプトに、一同クスっと笑う。
「それで、明日の話をしようとしてたんだが……むしろ、こちらで話した方がよかった話だから帰ってきてよかたかもしれない」
「明日着るドレスについては、もう、こちらに届いているわ!」
「そうか。俺も知らなかったんだが……」
「真っ白な布1枚のワンピースね。下着も何もつけちゃいけないのは知っているから大丈夫よ!ニーアにもちゃんと連絡がいっているはずよね?」
「はい、侍女長から聞いています。明日は、私は儀式の前の扉まではついて行くことを許可されています」
「あぁ、あと、カインもだ」
「それは、初耳だが……時間さえ言ってくれれば、必ず」
うんと頷くセプト。明日の婚約者になるための儀式に慎重になっているのに少しだけ不思議に思った。
前回も、私が知らないところで、こんなふうに用意されていたのだろう。私たちは子どもだったから、準備をしてくれたのは、お互いの両親だったのだろうが。今回は成人をしている二人のことではあるので、セプトが動いているのだろう。
「はぁ、嫌だな……儀式」
「まだ、そんなことを」
「だって、嫌なものは嫌でしょ?」
「ビアンカ様、あの、聞いても?」
「えぇ、いいわよ!婚約者になる儀式で大事なのは、誰とも枕を共にしていないかの確認なの。特に正妃となる令嬢は、体の隅々まで調べられるのよ!」
「そんなことを?」
「されるのよ……まぁ、わかるわよ?妃になった令嬢の生んだ子の血筋が違えば、問題だもの。妃になることで、家は皇室から多大な援助をしてもらえる。金銭的なのか、政治的なのか、はたまた、両方なのか。それを目論む貴族も少なくはないのよね?」
「あぁ、わざわざ、皇子と釣り合いの取れる年の子を生ませる場合もあるくらいだからな」
確かにと頷くのはカイン。たぶん、女の子を望まれて生まれたのであろう。誕生日はセプトの少し後だと聞いている。
「貴族の方々にもいろいろな苦労があるのですね……」
「ニーアは、庶民なのか?」
「はい、殿下。私は、ビアンカ様専属になれなければ、王宮メイドとしてあと数年働き、お暇をいただく予定でした。今は、ビアンカ様に望んでいただけるのであれば、その間、側でお仕えしたいと……あの、ご迷惑では……」
「ないから、安心して!ニーアがいてくれると、私も嬉しいわ!」
「ここの主従関係も強固なものだな」
当たり前よ!というと、ニーアは嬉しそうにしていた。
「私はいろいろなこと知らずに、王子の婚約者になったのよ。今度は、守るべき家も何もないから……私の身一つなんだけど、また、拗らせて死ぬのは嫌だわ」
「なら、俺にも魔法をかければいい。ビアンカが望む理想の夫となろう」
「作り物なんて、いらないわ!見つめる視線の先も微笑むのも私じゃないのは、辛いの。見せかけのものしかもらえなかったのよ」
「そうならないさ」
「そんなの、わからないわ!人の気持ちなんて、変わるものよ?ましてや、男女なんだから……」
「じゃあ、今、カインとニーアの二人に誓おう。俺は、ビアンカだけを今後見つめ続ける。器用じゃないんだ。穏やかな時間をくれるビアンカに俺が持てるもの全てやろう。例え、ビアンカが望まなかったとしても」
「そんな……信じられないわ!」
「なら、魔法で約束を拘束できるものはないのか?本当に全部やるから、俺だけをみてくれ」
まぁ!とニーアは頬を染める。カインは、苦笑いをしていた。
私は、驚いた。
セプトの中で、一体何が起こっているのだろうか?私にセプトの全部をくれる?俺だけをみてくれ?
言葉にならなかった。ただ、セプトを見つめ返しただけだ。
「返事は、明日の儀式のときでいい。俺をビアンカが縛ってくれればいい。国民のこと以外は、ビアンカのために生きる。それくらいの覚悟は、出来ているから」
その言葉だけを残し、セプトは執務に戻ると鳥籠から出ていく。
私は、何も言えず、ただ、その後ろ姿を見送ったのだった。
「さっきは、急なことお願いしてごめんね?」
「いえ、驚きましたが、お名前も言わない方がいいかと思ったので、咄嗟に主と言わせていただきました。カイン様のように聖女様とお呼びすればよかったです」
ちょっと肩を落とすニーアに、苦笑いする。聖女は、さすがに恥ずかしい。
「それで、庭園で何かあったのか?」
「えぇ、あったといえば、あったかな?それより、セプトは庭園に行かなくてよかったの?アリーシャが待っているわよ?」
「俺は、会う約束なんてしていないからな。おおかた、公爵に城の見学でもするかと言われてついてきたのだろう。適当に歩いていたところに見知ったカインを見つけた……そういうところじゃないか?」
「そう、なら、いいのかな?」
「それよりだっ!俺だけ知らないのは……」
「セプト様以外も知りませんよ!ビアンカ様が急に黙られてしまわれたので」
「そうなのか?」
立っているカインに問いかけるセプト。一応、カインにも座るよう促したが、任務中ということで、座ってくれない。
そして、自然と三人の視線を受けることになった。
「えっと、えぇーっと、私、たぶん、さっきのアリーシャは知ってる人かもしれないと思って……」
「えっ?」
「はっ?」
「んん?」
三者三様いい具合に驚いてくれ、私は、頬をぽりぽりとかく。
「どう言うことだ?」
代表してセプトが私に説明を求めてくる。ただ、核心はないものの、まさかね?と思う自分もいた。
「私が生きた時代に、同じ人物がいたって言ったら驚くかしら?」
「まぁ、普通は驚くな?」
「アリーシャ嬢は、確か今は公爵令嬢ですけど、生まれは伯爵か子爵かだったはずです。借金のかたに連れられてきたとかなんとか……」
「借金のかたに……」
「だから、同じ時代に生きているのは別人では、ないですか?」
カインに言われ、ハッとしたが、見間違いではないと再度主張しら、今度は三人が押し黙った。
「……勘違いだったのかしら?でも、顔を見せるのは、まずいと思ったの。咄嗟のことに対応してくれて二人ともありがとう」
「いえいえ、たいしたことではありません」
カインが優しく微笑んで、私もつられて微笑んだ。
私とカインを交互に見るセプトに私が、どうしたの?と問いかけた。
「二人とも、ずいぶん仲良くなったものだなって」
「……そんなこと、ないさ。ビアンカ様には、利き腕のことで感謝している、それだけだよ」
「ふーん、そんなもんか」
「ところで、セプトは私に話があったのでしょ?」
「そうだった。その前に、そのドレス、よく似合っている。春の妖精が舞い降りたみたいだ!」
クスっと笑う私に不思議そうな顔を向けてくるセプト。
同じ言葉を聞くとは思わなかったのだ。
「それ、さっき、ニーアにも言われたの。私、そんなに春の妖精に見えるかしら?」
お道化てみると、あぁと柔らかく微笑むセプトに少々驚いた。今までの表情とずいぶん違うのだ。
「そんなに驚いた顔をしてどうした?」
「セプトが優しそうに微笑んだことに驚いたの!」
「俺も微笑みくらい、……するよな?」
抗議の声をあげた後、カインの方へ振り向き確認をとっている。小さい頃から一緒にいたカインなら、今の表情と今までの表情の違いが分かったのではないだろうか?
「俺も、初めて見たので、驚いてます」
「はっ?普通に、笑うけど……なぁ、ニーアもそう思うだろ?」
「えっと、申し上げにくいのですが……私も殿下の優しそうな微笑みは、初めて見ました!」
「俺って、そんな仏頂面なわけ?」
「違うんじゃない?私が思うに、笑っていても、心から笑っているように見えなかったし、張り付けた笑顔のように見えたんだよ。特に付き合いの長いカインには。私やニーアは、毎日顔を合わせていたから、雰囲気かな?それで、違いが分かったのかも」
そうかと呟くセプト。何か思い当たることがあるらしく、自嘲気味に笑う。なんだか、その笑顔は悲しいが、今まで作り笑いを張り付けていたのだから、セプトが感情を出せる心許せる場所に鳥籠がなっているということなのだろう。
コホンとわざとらしく咳ばらいをするセプトに、一同クスっと笑う。
「それで、明日の話をしようとしてたんだが……むしろ、こちらで話した方がよかった話だから帰ってきてよかたかもしれない」
「明日着るドレスについては、もう、こちらに届いているわ!」
「そうか。俺も知らなかったんだが……」
「真っ白な布1枚のワンピースね。下着も何もつけちゃいけないのは知っているから大丈夫よ!ニーアにもちゃんと連絡がいっているはずよね?」
「はい、侍女長から聞いています。明日は、私は儀式の前の扉まではついて行くことを許可されています」
「あぁ、あと、カインもだ」
「それは、初耳だが……時間さえ言ってくれれば、必ず」
うんと頷くセプト。明日の婚約者になるための儀式に慎重になっているのに少しだけ不思議に思った。
前回も、私が知らないところで、こんなふうに用意されていたのだろう。私たちは子どもだったから、準備をしてくれたのは、お互いの両親だったのだろうが。今回は成人をしている二人のことではあるので、セプトが動いているのだろう。
「はぁ、嫌だな……儀式」
「まだ、そんなことを」
「だって、嫌なものは嫌でしょ?」
「ビアンカ様、あの、聞いても?」
「えぇ、いいわよ!婚約者になる儀式で大事なのは、誰とも枕を共にしていないかの確認なの。特に正妃となる令嬢は、体の隅々まで調べられるのよ!」
「そんなことを?」
「されるのよ……まぁ、わかるわよ?妃になった令嬢の生んだ子の血筋が違えば、問題だもの。妃になることで、家は皇室から多大な援助をしてもらえる。金銭的なのか、政治的なのか、はたまた、両方なのか。それを目論む貴族も少なくはないのよね?」
「あぁ、わざわざ、皇子と釣り合いの取れる年の子を生ませる場合もあるくらいだからな」
確かにと頷くのはカイン。たぶん、女の子を望まれて生まれたのであろう。誕生日はセプトの少し後だと聞いている。
「貴族の方々にもいろいろな苦労があるのですね……」
「ニーアは、庶民なのか?」
「はい、殿下。私は、ビアンカ様専属になれなければ、王宮メイドとしてあと数年働き、お暇をいただく予定でした。今は、ビアンカ様に望んでいただけるのであれば、その間、側でお仕えしたいと……あの、ご迷惑では……」
「ないから、安心して!ニーアがいてくれると、私も嬉しいわ!」
「ここの主従関係も強固なものだな」
当たり前よ!というと、ニーアは嬉しそうにしていた。
「私はいろいろなこと知らずに、王子の婚約者になったのよ。今度は、守るべき家も何もないから……私の身一つなんだけど、また、拗らせて死ぬのは嫌だわ」
「なら、俺にも魔法をかければいい。ビアンカが望む理想の夫となろう」
「作り物なんて、いらないわ!見つめる視線の先も微笑むのも私じゃないのは、辛いの。見せかけのものしかもらえなかったのよ」
「そうならないさ」
「そんなの、わからないわ!人の気持ちなんて、変わるものよ?ましてや、男女なんだから……」
「じゃあ、今、カインとニーアの二人に誓おう。俺は、ビアンカだけを今後見つめ続ける。器用じゃないんだ。穏やかな時間をくれるビアンカに俺が持てるもの全てやろう。例え、ビアンカが望まなかったとしても」
「そんな……信じられないわ!」
「なら、魔法で約束を拘束できるものはないのか?本当に全部やるから、俺だけをみてくれ」
まぁ!とニーアは頬を染める。カインは、苦笑いをしていた。
私は、驚いた。
セプトの中で、一体何が起こっているのだろうか?私にセプトの全部をくれる?俺だけをみてくれ?
言葉にならなかった。ただ、セプトを見つめ返しただけだ。
「返事は、明日の儀式のときでいい。俺をビアンカが縛ってくれればいい。国民のこと以外は、ビアンカのために生きる。それくらいの覚悟は、出来ているから」
その言葉だけを残し、セプトは執務に戻ると鳥籠から出ていく。
私は、何も言えず、ただ、その後ろ姿を見送ったのだった。
1
あなたにおすすめの小説
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
白い結婚のはずが、旦那様の溺愛が止まりません!――冷徹領主と政略令嬢の甘すぎる夫婦生活
しおしお
恋愛
政略結婚の末、侯爵家から「価値がない」と切り捨てられた令嬢リオラ。
新しい夫となったのは、噂で“冷徹”と囁かれる辺境領主ラディス。
二人は互いの自由のため――**干渉しない“白い結婚”**を結ぶことに。
ところが。
◆市場に行けばついてくる
◆荷物は全部持ちたがる
◆雨の日は仕事を早退して帰ってくる
◆ちょっと笑うだけで顔が真っ赤になる
……どう見ても、干渉しまくり。
「旦那様、これは白い結婚のはずでは……?」
「……君のことを、放っておけない」
距離はゆっくり縮まり、
優しすぎる態度にリオラの心も揺れ始める。
そんな時、彼女を利用しようと実家が再び手を伸ばす。
“冷徹”と呼ばれた旦那様の怒りが静かに燃え――
「二度と妻を侮辱するな」
守られ、支え合い、やがて惹かれ合う二人の想いは、
いつしか“形だけの夫婦”を超えていく。
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」
透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。
そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。
最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。
仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕!
---
望まぬ結婚をさせられた私のもとに、死んだはずの護衛騎士が帰ってきました~不遇令嬢が世界一幸せな花嫁になるまで
越智屋ノマ
恋愛
「君を愛することはない」で始まった不遇な結婚――。
国王の命令でクラーヴァル公爵家へと嫁いだ伯爵令嬢ヴィオラ。しかし夫のルシウスに愛されることはなく、毎日つらい仕打ちを受けていた。
孤独に耐えるヴィオラにとって唯一の救いは、護衛騎士エデン・アーヴィスと過ごした日々の思い出だった。エデンは強くて誠実で、いつもヴィオラを守ってくれた……でも、彼はもういない。この国を襲った『災禍の竜』と相打ちになって、3年前に戦死してしまったのだから。
ある日、参加した夜会の席でヴィオラは窮地に立たされる。その夜会は夫の愛人が主催するもので、夫と結託してヴィオラを陥れようとしていたのだ。誰に救いを求めることもできず、絶体絶命の彼女を救ったのは――?
(……私の体が、勝手に動いている!?)
「地獄で悔いろ、下郎が。このエデン・アーヴィスの目の黒いうちは、ヴィオラ様に指一本触れさせはしない!」
死んだはずのエデンの魂が、ヴィオラの体に乗り移っていた!?
――これは、望まぬ結婚をさせられた伯爵令嬢ヴィオラと、死んだはずの護衛騎士エデンのふしぎな恋の物語。理不尽な夫になんて、もう絶対に負けません!!
モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~
咲桜りおな
恋愛
前世で大好きだった乙女ゲームの世界にモブキャラとして転生した伯爵令嬢のアスチルゼフィラ・ピスケリー。
ヒロインでも悪役令嬢でもないモブキャラだからこそ、推しキャラ達の恋物語を遠くから鑑賞出来る! と楽しみにしていたら、関わりたくないのに何故か悪役令嬢の兄である騎士見習いがやたらと絡んでくる……。
いやいや、物語の当事者になんてなりたくないんです! お願いだから近付かないでぇ!
そんな思いも虚しく愛しの推しは全力でわたしを口説いてくる。おまけにキラキラ王子まで絡んで来て……逃げ場を塞がれてしまったようです。
結構、ところどころでイチャラブしております。
◆◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◆
前作「完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい」のスピンオフ作品。
この作品だけでもちゃんと楽しんで頂けます。
番外編集もUPしましたので、宜しければご覧下さい。
「小説家になろう」でも公開しています。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる