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『赤薔薇の称号』再び……獲得……?
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「お待たせ!」
くたびれたドレスコードでは、祝賀会には参加がてきないだろうと殿下のはからいで、殿下の予備衣装を借り正装したジョージア。
ジョージアの方が、殿下より背も高いため若干、寸足らずかも……と思ってしまうが、くさっても殿下の正装予備だ。
そして、それを着こなしてしまうジョージアがまたニクイ……
殿下より、王子然としているのだ。
血筋を辿れば……殿下と同じ王子で間違いないんだけど……さすがに、この正装は、似合いすぎる。
「王子様だ……」
ジョージアは、私の呟きをクスクス笑っているが、それすら絵になる。
「王子は、君の後ろにいるだろ?君のって限定するなら、嬉しいかぎりだけどね?」
バタン……
バタン…………
バタン………………
「おい!お前のパートナーが倒れたぞ!」
「あぁ、こっちは、過呼吸だ!」
「おっと!失神した!!誰か、手を貸してくれ!」
私の後ろは、パニックに陥ったようだ……騒がしい。
もともと隠れファンの多かったジョージアが、王子の正装をしているのだ。
見慣れた私でも直視はちょっとさけたいのに、普段からあまり笑わないジョージアのあの無防備な笑顔は、普通の令嬢が見てはダメだろう……
結果は、現在進行形の失神パニックだ。
執事に侍女にメイドに下男がと、ありとあらゆる人が慌ただしく倒れた令嬢だけでなく夫人たちにも対応している。
私は、ジョージアを待っている間に、さっきもらったばかりの青薔薇の花束をばらして、リボンで5本の青薔薇を編んでもらい、それを髪飾りとして真珠の飾りとけんかにならないようつけてもらった。
残りの3本は、ジョージアの胸のポケットに入れられるよう、整えて持ったので、そちらを向き合っているジョージアの胸のポケットに入れる。
「私の王子様。さっきもらった薔薇です。せっかくなので……ジョージア様にも。
ブートニアみたいですね!私は、髪飾りにしました。どうですか?」
クルっと後ろを向くと薔薇のリボンを見せる。
「かわいいな。真珠と相まっていいじゃないか!」
「ジョージア様も素敵ですよ!」
ニコニコと二人で笑いあっていると、周りは、生暖かい感じで見守っていてくれる。
「そういえば、まだ、ご両親にあいさつできていないね。いらっしゃるんだろ?」
「えぇ、いますよ!お会いになりますか?」
私は、ジョージアの手を引き家族のもとへといく。
突然のことだったので、心の準備ができていないが、行くしかないので案内した。
「ご無沙汰しています。今日は、娘さんの晴れの日なのに、お騒がせしてすみません」
ジョージアの開口1番は、断りだった。
「いや、いいよ。正直、アンナは一人で花道を歩いているのが、かわいそうだったんだ。
まさか、プロポーズまでされるとは思ってもみなかったけどね……」
「すみません……」
恐縮しきったジョージアに、兄が肩をたたく。
「今年も話題をかっさらったな……!2年連続で『赤薔薇の称号』は、取れそうか?」
冗談交じりの会話に、場も和んで、ジョージアも普通に話すようになった。
たぶん、今の会話も卒業式の出来事も、今晩のエリザベスとの会話のだしにされるのだろう……
「どうだろう……?さすがに、今年は無理じゃないか?
あぁ、でも、今年は、『赤薔薇』に相応しいドレスだね!」
真っ赤な薔薇のドレスを着た私をみて、ジョージアはうんうんと頷いている。
そろそろ上位3組のダンスも終わりそうになった頃、学園の侍女が私を呼びにきた。
「アンナリーゼ様、お連れ様。
殿下のはからいで、お二人にファーストダンスを踊っていただくことになりましたので、
ご準備ください」
「え……?踊るのですか?」
「踊るみたいだね……」
二人で見つめあっていると、兄が茶々を入れてくる。
「あのさ、二人の世界に入ってないで……ダンスホールへ行っておいで!
たぶん、アンナを待ってる人がいるよ!」
待っている人……ハリーだ……ハリーしかいない。約束はしていないが、待っていてくれるだろう。
いつだって、そうだったのだ。
「いきましょう!」
「派手に?」
「そうですね!去年みたいに!」
手を繋いだまま、ホールの脇へと急ぐ。
ホールまで行くと、ちょうど3組目が終わったところだった。
「ハリー、イリア。ダンス、素敵だったわよ!」
「今年は、『赤薔薇の称号』は渡しませんよ?」
「今年ももらうよ?ねっ!ジョージア様」
「あぁ、狙っている!」
「そうは問屋が卸さないだろう……2年連続なんて、今までないんじゃないか?」
ダンスホールの脇で話していると、殿下が出てきて私たちのダンスについて説明してくれる。
「学園では、ファーストダンスは、上位貴族の3カップルに限ってのことだが、今年は、卒業生の
アンナリーゼとその婚約者のジョージア殿のカップルにも婚約を祝って、ファーストダンスを
踊ってもらう。トワイス国の王よりの進言である。このカップルは、前年度の赤の称号の者たち。
存分にそのダンスを楽しめ!」
私たちの婚約を祝っての、ファーストダンスだそうだ。
「卒業生、アンナリーゼ・トロン・フレイゼンおよび婚約者、ジョージア・フラン・アンバー」
生徒会長に名前を呼ばれ、私たちは手を取りダンスホールの真ん中へ優雅に歩いていく。
「お姫様、ご要望は?」
そっと、耳元で囁くジョージア。
「そうね……時間を忘れるくらい、楽しく踊りたい!」
「わかった!存分に暴れたまえ!しっかり、支えてあげるよ!」
「ジョージア様も意外と失礼だよね……私、暴れたり……」
話をしていると、楽団により音楽が流れてくる。ゆったりとしたワルツだ。
「じゃあ、いこうか!」
ジョージアに手を添えた瞬間、今まで感じたことがないような高揚を感じた。
わわわ……何だろう……すごい、わくわくドキドキする!
一歩目をカツーンと踏み鳴らした後は、ホール中を踊りまわった。
楽しい!
楽しい!!
楽しい!!!
ジョージアと目が合うと微笑んでくれる。
真っ赤な私のドレスが、大きな花を咲かせたように広がったり、つぼみのように閉じたりしている。
要所要所で、ジョージアが、観客たちにわざと見せているのだ。
平均3分のファーストダンスは、倍以上の7分もの間、1組で踊り続けた。
楽団のはからいは、音楽のテンポをかえ、曲を増やし、私たちを楽しませてくれる!
さすがに息も上がったが、楽しくて、終わってしまうのが寂しく感じてしまうのだった。
くたびれたドレスコードでは、祝賀会には参加がてきないだろうと殿下のはからいで、殿下の予備衣装を借り正装したジョージア。
ジョージアの方が、殿下より背も高いため若干、寸足らずかも……と思ってしまうが、くさっても殿下の正装予備だ。
そして、それを着こなしてしまうジョージアがまたニクイ……
殿下より、王子然としているのだ。
血筋を辿れば……殿下と同じ王子で間違いないんだけど……さすがに、この正装は、似合いすぎる。
「王子様だ……」
ジョージアは、私の呟きをクスクス笑っているが、それすら絵になる。
「王子は、君の後ろにいるだろ?君のって限定するなら、嬉しいかぎりだけどね?」
バタン……
バタン…………
バタン………………
「おい!お前のパートナーが倒れたぞ!」
「あぁ、こっちは、過呼吸だ!」
「おっと!失神した!!誰か、手を貸してくれ!」
私の後ろは、パニックに陥ったようだ……騒がしい。
もともと隠れファンの多かったジョージアが、王子の正装をしているのだ。
見慣れた私でも直視はちょっとさけたいのに、普段からあまり笑わないジョージアのあの無防備な笑顔は、普通の令嬢が見てはダメだろう……
結果は、現在進行形の失神パニックだ。
執事に侍女にメイドに下男がと、ありとあらゆる人が慌ただしく倒れた令嬢だけでなく夫人たちにも対応している。
私は、ジョージアを待っている間に、さっきもらったばかりの青薔薇の花束をばらして、リボンで5本の青薔薇を編んでもらい、それを髪飾りとして真珠の飾りとけんかにならないようつけてもらった。
残りの3本は、ジョージアの胸のポケットに入れられるよう、整えて持ったので、そちらを向き合っているジョージアの胸のポケットに入れる。
「私の王子様。さっきもらった薔薇です。せっかくなので……ジョージア様にも。
ブートニアみたいですね!私は、髪飾りにしました。どうですか?」
クルっと後ろを向くと薔薇のリボンを見せる。
「かわいいな。真珠と相まっていいじゃないか!」
「ジョージア様も素敵ですよ!」
ニコニコと二人で笑いあっていると、周りは、生暖かい感じで見守っていてくれる。
「そういえば、まだ、ご両親にあいさつできていないね。いらっしゃるんだろ?」
「えぇ、いますよ!お会いになりますか?」
私は、ジョージアの手を引き家族のもとへといく。
突然のことだったので、心の準備ができていないが、行くしかないので案内した。
「ご無沙汰しています。今日は、娘さんの晴れの日なのに、お騒がせしてすみません」
ジョージアの開口1番は、断りだった。
「いや、いいよ。正直、アンナは一人で花道を歩いているのが、かわいそうだったんだ。
まさか、プロポーズまでされるとは思ってもみなかったけどね……」
「すみません……」
恐縮しきったジョージアに、兄が肩をたたく。
「今年も話題をかっさらったな……!2年連続で『赤薔薇の称号』は、取れそうか?」
冗談交じりの会話に、場も和んで、ジョージアも普通に話すようになった。
たぶん、今の会話も卒業式の出来事も、今晩のエリザベスとの会話のだしにされるのだろう……
「どうだろう……?さすがに、今年は無理じゃないか?
あぁ、でも、今年は、『赤薔薇』に相応しいドレスだね!」
真っ赤な薔薇のドレスを着た私をみて、ジョージアはうんうんと頷いている。
そろそろ上位3組のダンスも終わりそうになった頃、学園の侍女が私を呼びにきた。
「アンナリーゼ様、お連れ様。
殿下のはからいで、お二人にファーストダンスを踊っていただくことになりましたので、
ご準備ください」
「え……?踊るのですか?」
「踊るみたいだね……」
二人で見つめあっていると、兄が茶々を入れてくる。
「あのさ、二人の世界に入ってないで……ダンスホールへ行っておいで!
たぶん、アンナを待ってる人がいるよ!」
待っている人……ハリーだ……ハリーしかいない。約束はしていないが、待っていてくれるだろう。
いつだって、そうだったのだ。
「いきましょう!」
「派手に?」
「そうですね!去年みたいに!」
手を繋いだまま、ホールの脇へと急ぐ。
ホールまで行くと、ちょうど3組目が終わったところだった。
「ハリー、イリア。ダンス、素敵だったわよ!」
「今年は、『赤薔薇の称号』は渡しませんよ?」
「今年ももらうよ?ねっ!ジョージア様」
「あぁ、狙っている!」
「そうは問屋が卸さないだろう……2年連続なんて、今までないんじゃないか?」
ダンスホールの脇で話していると、殿下が出てきて私たちのダンスについて説明してくれる。
「学園では、ファーストダンスは、上位貴族の3カップルに限ってのことだが、今年は、卒業生の
アンナリーゼとその婚約者のジョージア殿のカップルにも婚約を祝って、ファーストダンスを
踊ってもらう。トワイス国の王よりの進言である。このカップルは、前年度の赤の称号の者たち。
存分にそのダンスを楽しめ!」
私たちの婚約を祝っての、ファーストダンスだそうだ。
「卒業生、アンナリーゼ・トロン・フレイゼンおよび婚約者、ジョージア・フラン・アンバー」
生徒会長に名前を呼ばれ、私たちは手を取りダンスホールの真ん中へ優雅に歩いていく。
「お姫様、ご要望は?」
そっと、耳元で囁くジョージア。
「そうね……時間を忘れるくらい、楽しく踊りたい!」
「わかった!存分に暴れたまえ!しっかり、支えてあげるよ!」
「ジョージア様も意外と失礼だよね……私、暴れたり……」
話をしていると、楽団により音楽が流れてくる。ゆったりとしたワルツだ。
「じゃあ、いこうか!」
ジョージアに手を添えた瞬間、今まで感じたことがないような高揚を感じた。
わわわ……何だろう……すごい、わくわくドキドキする!
一歩目をカツーンと踏み鳴らした後は、ホール中を踊りまわった。
楽しい!
楽しい!!
楽しい!!!
ジョージアと目が合うと微笑んでくれる。
真っ赤な私のドレスが、大きな花を咲かせたように広がったり、つぼみのように閉じたりしている。
要所要所で、ジョージアが、観客たちにわざと見せているのだ。
平均3分のファーストダンスは、倍以上の7分もの間、1組で踊り続けた。
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