8 / 13
作戦開始は月明かりとともに
しおりを挟む
それは月明かりのみが頼りの暗闇の中にひっそりと息を潜めていた。高齢化から人の住まなくなってしまった家々は蔦が生い茂り、今では不法投棄された家具や家電達が山済み。それらは月明かりに照らされて、巨大で不気味な生き物が寝そべっているかの様にも見える。
「本当、よく見かける刑事ドラマやアニメで出てきそうな場所ですねぇ。助けてヒーロー!ぬぁんちゃって!」
「テレビ、煩い」
「リリィちゃんたら手厳しいんですからァ。んもう!でもね、ご安心を!わ・た・く・し、お仕事はちゃーんとこなすできる怪人ですので」
散歩にでも来たかのような軽い足取りで歩く彼等。そして次の瞬間、堂々と両開きのドアを蹴破った。驚いたのは中にいた男達で、いきなりの出来事に慌てふためく。
「おやおやまあまあ、なーんも無いんですねぇ。あ、もしかしてリフォーム中でした?」
作りかけと思われるテレビ画面も、機材も何もかも端へ寄せられ、中央に置かれた簡易テーブルと椅子だけの光景に見回すような仕草をしながら言う。流石にその様子に今になって怒りを覚えたのか、突っ立っていただけの男達は攻撃態勢に入る。
「お前らなにもんだ!」
「あ!私ですか?私、悪の秘密結社、メディア部門を任されております、ァ、テレビマンと申します!」
「人事部部長。死霊使い系女子リリィ・リビンデッド。お前達もこき使ってやるよ」
しっかりと口上を述べ、どこか満足げな二人に対し、意味の分からない二人組におふざけとしか思えない自己紹介まで披露された男達の怒りのボルテージは最高潮に達する。
「ふっざけやがって……!やっちまえ!」
その声を合図に鉄パイプを持った男が襲いかかる。しかし、当人達は動く気配を見せない。
「これだから血の気の多い方々って嫌なんですよねぇ。ま、幸いここには数多くの同胞達がありますし」
パチン、と指を鳴らすテレビマン。すると壁際に積まれた大量のテレビの画面が一斉に光を放つ。男達は光をまともに直視してしまった事、そして長時間薄暗い環境下にいた為にそれは効果的な目潰しとなってしまう。何人かは武器を落とし、手で目を覆っている。
「今ですよ、リリィさん」
「分かっている」
不機嫌そうな顔のリリィは手に持っていたぬいぐるみを放り投げた。ぬいぐるみはそのまま落下する事なく、宙に留まる。
「捕まえろ。一匹も逃すな」
彼女がそう命令を下せば、それから無数の腕が出てきて男達をがんじがらめにしていく。その様子を見届けた二人は外の警察官達に合図を送る。
「協力ありがとうございます!あとは課長達を待つだけです。」
「まあ、我々手塩にかけた夕食を冷やご飯にされた恨みがありますし?ボスならどーにかできるとは思うんですけどもぉ。」
画面に青白い光をチカチカと点滅させながら首を傾げる。
「なーんか、嫌な予感がするんですよねぇ。」
「本当、よく見かける刑事ドラマやアニメで出てきそうな場所ですねぇ。助けてヒーロー!ぬぁんちゃって!」
「テレビ、煩い」
「リリィちゃんたら手厳しいんですからァ。んもう!でもね、ご安心を!わ・た・く・し、お仕事はちゃーんとこなすできる怪人ですので」
散歩にでも来たかのような軽い足取りで歩く彼等。そして次の瞬間、堂々と両開きのドアを蹴破った。驚いたのは中にいた男達で、いきなりの出来事に慌てふためく。
「おやおやまあまあ、なーんも無いんですねぇ。あ、もしかしてリフォーム中でした?」
作りかけと思われるテレビ画面も、機材も何もかも端へ寄せられ、中央に置かれた簡易テーブルと椅子だけの光景に見回すような仕草をしながら言う。流石にその様子に今になって怒りを覚えたのか、突っ立っていただけの男達は攻撃態勢に入る。
「お前らなにもんだ!」
「あ!私ですか?私、悪の秘密結社、メディア部門を任されております、ァ、テレビマンと申します!」
「人事部部長。死霊使い系女子リリィ・リビンデッド。お前達もこき使ってやるよ」
しっかりと口上を述べ、どこか満足げな二人に対し、意味の分からない二人組におふざけとしか思えない自己紹介まで披露された男達の怒りのボルテージは最高潮に達する。
「ふっざけやがって……!やっちまえ!」
その声を合図に鉄パイプを持った男が襲いかかる。しかし、当人達は動く気配を見せない。
「これだから血の気の多い方々って嫌なんですよねぇ。ま、幸いここには数多くの同胞達がありますし」
パチン、と指を鳴らすテレビマン。すると壁際に積まれた大量のテレビの画面が一斉に光を放つ。男達は光をまともに直視してしまった事、そして長時間薄暗い環境下にいた為にそれは効果的な目潰しとなってしまう。何人かは武器を落とし、手で目を覆っている。
「今ですよ、リリィさん」
「分かっている」
不機嫌そうな顔のリリィは手に持っていたぬいぐるみを放り投げた。ぬいぐるみはそのまま落下する事なく、宙に留まる。
「捕まえろ。一匹も逃すな」
彼女がそう命令を下せば、それから無数の腕が出てきて男達をがんじがらめにしていく。その様子を見届けた二人は外の警察官達に合図を送る。
「協力ありがとうございます!あとは課長達を待つだけです。」
「まあ、我々手塩にかけた夕食を冷やご飯にされた恨みがありますし?ボスならどーにかできるとは思うんですけどもぉ。」
画面に青白い光をチカチカと点滅させながら首を傾げる。
「なーんか、嫌な予感がするんですよねぇ。」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる