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ヒーロー対悪役怪人・顛末
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「怪人信条、第一条。子供と老人に優しくある事。」
瓦礫の山から天に向かって伸びる腕。
「悪役怪人信条、第二条。ご近所付き合いは良好である事。」
ガラガラと音を立てて瓦礫が崩れていく。
「悪役怪人信条、第三条。正義の為の悪であれ。」
崩れた瓦礫の中、立ち上がったボスはしっかりとレオンハートを見据える。
「ヒーローと怪人にはなぁ、ルールがある。そのルール破っちまったテメェの攻撃なんかで俺は倒れねぇんだよ。」
真っ直ぐに、確実に一歩、また一歩とボスは彼に近付いていく。しかし、レオンハートは動かない。その事実に一番驚いたのも焦っているのも動かないその人で、ただただ近づいてくるボスを見つめることしかできない。
「何、で、動けないんだ?!」
「簡単なことよ。」
間近に迫ったボスは力一杯に拳を握りしめる。
「テメェは既にヒーローじゃねぇからだ!」
目一杯に鈍い音を響かせ、レオンハートの身体は後ろへと吹き飛ばされた。工場のシャッターに勢いよく突っ込んだが、よろけつつ立ち上がる。
「なぁ、ヒーローがヒーローじゃなくなった時ってさぁ……何になると思う?」
その場に佇んだまま、そう問いかけるボスの表情は私には見えない。
「怪人だよ。」
ボスは静かにそう告げる。
「道を踏み外したヒーローはなァ、怪人になるんだぜ?」
告げられた彼は信じられないとでも言うように、否、信じたくない、と言うように首を横に振る。
「誰に何を言われて今回の事件に至ったかは知らねーけどよ、戻れねぇとこにまで来ちまったようだな」
わざとらしく肩を竦め、やれやれと首を横に振る。
ヒーローとは、悪を倒し、正義を守る為にある。どんな形であれ、彼らは正義の為に己を燃やし尽くすものなのだ。そんなヒーローが悪に染まってしまった時、彼らは“ヒーロースーツを着た正義の味方”から“異形の姿をした怪人”となる。それがたとえ、どんな理由であれ。
見る見るうちに“怪人”へと変貌を遂げてゆく元・ヒーローを見ながら、何を考えているか読めない声音でボスは言う。
「ようこそ、世界の夜側へ。」
瓦礫の山から天に向かって伸びる腕。
「悪役怪人信条、第二条。ご近所付き合いは良好である事。」
ガラガラと音を立てて瓦礫が崩れていく。
「悪役怪人信条、第三条。正義の為の悪であれ。」
崩れた瓦礫の中、立ち上がったボスはしっかりとレオンハートを見据える。
「ヒーローと怪人にはなぁ、ルールがある。そのルール破っちまったテメェの攻撃なんかで俺は倒れねぇんだよ。」
真っ直ぐに、確実に一歩、また一歩とボスは彼に近付いていく。しかし、レオンハートは動かない。その事実に一番驚いたのも焦っているのも動かないその人で、ただただ近づいてくるボスを見つめることしかできない。
「何、で、動けないんだ?!」
「簡単なことよ。」
間近に迫ったボスは力一杯に拳を握りしめる。
「テメェは既にヒーローじゃねぇからだ!」
目一杯に鈍い音を響かせ、レオンハートの身体は後ろへと吹き飛ばされた。工場のシャッターに勢いよく突っ込んだが、よろけつつ立ち上がる。
「なぁ、ヒーローがヒーローじゃなくなった時ってさぁ……何になると思う?」
その場に佇んだまま、そう問いかけるボスの表情は私には見えない。
「怪人だよ。」
ボスは静かにそう告げる。
「道を踏み外したヒーローはなァ、怪人になるんだぜ?」
告げられた彼は信じられないとでも言うように、否、信じたくない、と言うように首を横に振る。
「誰に何を言われて今回の事件に至ったかは知らねーけどよ、戻れねぇとこにまで来ちまったようだな」
わざとらしく肩を竦め、やれやれと首を横に振る。
ヒーローとは、悪を倒し、正義を守る為にある。どんな形であれ、彼らは正義の為に己を燃やし尽くすものなのだ。そんなヒーローが悪に染まってしまった時、彼らは“ヒーロースーツを着た正義の味方”から“異形の姿をした怪人”となる。それがたとえ、どんな理由であれ。
見る見るうちに“怪人”へと変貌を遂げてゆく元・ヒーローを見ながら、何を考えているか読めない声音でボスは言う。
「ようこそ、世界の夜側へ。」
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