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女子高生、異世界へ行く。

女子高生と読書の時間

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「とこしえくさ……」

永久草:北の大陸と龍の背骨の間の草原にのみ生える。毒草。花言葉はお前を見ている。
「毒草なん……てか怖……」
何だこの花言葉……普通に怖いんよ……。
植物図鑑、割と毒草が多かった。薬として使われるものもある様なので毒と薬は表裏一体とはよく言ったものである。我ながらたどたどしい読み方で読み進め、幾らか読めるようになってきた。まだスラスラ読めるとはいかないのがもどかしい。
「あーあ、突然読める!読めるぞぉ!くらいサクサク読めたら良いのになぁ」
溜息をつきながら次の本に手を伸ばす。空飛ぶ島を探し、サングラスをかけた彼の様なセリフを言う日は来ない可能性の方が大きいのである。
「ん?この本かぁ」
無造作に伸ばした手で掴んだのはあの不思議な本だった。両手で持ち上げ、しげしげと眺める。別に何か仕掛けがあるわけでもなさそうだ。表紙には表から裏にかけて三日月のような口が描かれており、目のような模様も合わさってニタリと笑う顔のようだ。タイトルは見当たらない。
開けば、そこには当たり前のように解読不能な文字の羅列。
ページをめくる。
沢山の文字。
文字。
「これも魔術書なのかなぁ」
つい、と規則正しく並んだ文字を指でなぞる。
するとどういう事なのか、比喩ではなく本当に本が身震いをした。
「どわっ?!」
人は本当に驚いている時、可愛い悲鳴は出ないと知った。
ついでに本を勢い余って投げ捨てた。
本は落ちた先でまだガタガタと動いている。
「えっ何?!なになになになに?!?!何!!!!!!!!」
狼狽えている間にガタガタと激しく揺れていた本は少しずつ大人しくなり、収まったかと思いきや目も眩む勢いで発光した。
「えぁ゛ーーーーーーーーーーーーーーー?!?!?!」
驚きのあまり凄い声が出た。
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