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5章
2話 誕生日パーティー 準備
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坊ちゃんをダイニングへ送って,朝食を食べさせたあと僕はすぐにパーティーの準備へと向かった。
坊ちゃんは主役としての準備をするらしく,僕とは別行動をしている。
(ふぅ…やっぱり,立派なパーティー会場だな…)
パーティー会場は,何百人と入れるところで、豪華な飾りも至る所にある。そして,極め付けは大きなシャンデリア会場を照らしていること。
「楽しそうですね」
隣で準備をしていたメアリさんに話しかけられる。
「はい,楽しいです。初めて出会った時はあんなに幼く,弱かった坊ちゃんが今では立派になって。そんなお姿を見ることがでいるなんて夢見たいです」
はじめは,こんなふうになるなんて思いもしなかった。坊ちゃんは気が弱くて,何事にも諦めていて,そして自分の性も受け入れることなんてできていなかったから。けれど,今やすっかり良家の息子としての責任を果たせるくらいには成長した。
「私も夢見たいです。それに,坊ちゃんはレオさんに出会ってからたくさん変わられましたね」
メアリさんは僕よりもずっと昔から坊ちゃんのことを知っている。メアリさんにとっても感慨深いものなのだろう。
「それはどうかわかりませんが,坊ちゃんが変わってくれたこと,僕は本当に嬉しいと感じています」
「ですね。それで,こっちの準備は終わったのですが,レオさんは終わりそうですか?」
「もう少し,かかりそうです」
「じゃあ,私手伝いますよ」
「ありがとうございます」
メアリさんの手伝いもあって僕はどうにか時間までに準備を完了することができた。
「やっと終わりましたね」
僕は会場を見渡しそう言った。
これでも,会場準備には1週間を要している。どこに何を置くかの配置から飾りまで,一から考えなければならなかったから。
「ほんと,お疲れ様です。でも,きっと坊ちゃんはお喜びになります。それにあれも」
メアリさんはそう言って,箱を指さした。
「そうですね…喜んでくれるといいです」
僕たちは,坊ちゃんに内緒で,サプライズプレゼントを用意していた。
僕からのプレゼントとは違い,従業員全員からのものなので豪華で坊ちゃんにとっては今後必要になるようなものが箱には入っている。
「喜んでいただけますよ。喜ばなかったらそれはそれで,悲しいですし…」
「ですね…」
ほんの少ししんみりとしてしまう。
理由は簡単で,坊ちゃんがいよいよこの家を旅立つ日が近づいていると分かっているから。
今までは,当たり前のように家にいて,僕たちを家族のように扱ってくれた坊ちゃんも今日で15歳。色々考えないわけにはいかなかった。
「まあ,今日のパーティーが無事終わってくれることを願いましょう」
「そうですね」
そうして,僕たちは受付へと向かった。
すでに,来客の方々がくる時間になっていたらしく,受付には何人もの人が来ている。
坊ちゃんは主役としての準備をするらしく,僕とは別行動をしている。
(ふぅ…やっぱり,立派なパーティー会場だな…)
パーティー会場は,何百人と入れるところで、豪華な飾りも至る所にある。そして,極め付けは大きなシャンデリア会場を照らしていること。
「楽しそうですね」
隣で準備をしていたメアリさんに話しかけられる。
「はい,楽しいです。初めて出会った時はあんなに幼く,弱かった坊ちゃんが今では立派になって。そんなお姿を見ることがでいるなんて夢見たいです」
はじめは,こんなふうになるなんて思いもしなかった。坊ちゃんは気が弱くて,何事にも諦めていて,そして自分の性も受け入れることなんてできていなかったから。けれど,今やすっかり良家の息子としての責任を果たせるくらいには成長した。
「私も夢見たいです。それに,坊ちゃんはレオさんに出会ってからたくさん変わられましたね」
メアリさんは僕よりもずっと昔から坊ちゃんのことを知っている。メアリさんにとっても感慨深いものなのだろう。
「それはどうかわかりませんが,坊ちゃんが変わってくれたこと,僕は本当に嬉しいと感じています」
「ですね。それで,こっちの準備は終わったのですが,レオさんは終わりそうですか?」
「もう少し,かかりそうです」
「じゃあ,私手伝いますよ」
「ありがとうございます」
メアリさんの手伝いもあって僕はどうにか時間までに準備を完了することができた。
「やっと終わりましたね」
僕は会場を見渡しそう言った。
これでも,会場準備には1週間を要している。どこに何を置くかの配置から飾りまで,一から考えなければならなかったから。
「ほんと,お疲れ様です。でも,きっと坊ちゃんはお喜びになります。それにあれも」
メアリさんはそう言って,箱を指さした。
「そうですね…喜んでくれるといいです」
僕たちは,坊ちゃんに内緒で,サプライズプレゼントを用意していた。
僕からのプレゼントとは違い,従業員全員からのものなので豪華で坊ちゃんにとっては今後必要になるようなものが箱には入っている。
「喜んでいただけますよ。喜ばなかったらそれはそれで,悲しいですし…」
「ですね…」
ほんの少ししんみりとしてしまう。
理由は簡単で,坊ちゃんがいよいよこの家を旅立つ日が近づいていると分かっているから。
今までは,当たり前のように家にいて,僕たちを家族のように扱ってくれた坊ちゃんも今日で15歳。色々考えないわけにはいかなかった。
「まあ,今日のパーティーが無事終わってくれることを願いましょう」
「そうですね」
そうして,僕たちは受付へと向かった。
すでに,来客の方々がくる時間になっていたらしく,受付には何人もの人が来ている。
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