神堕ちのランドスケープ  ~魔王の第2王女は澱みなく~

ゆんさん@

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第7話 「闇の迷宮」

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宝石を手に入れたエスデスとレオンは、神殿のさらに奥へと進むことになった。
神殿内部の風景は変わり、彼らの周りは迷宮のような構造になっていた。
狭い通路、高い壁、そして複雑に絡み合う道々。
二人はこの迷宮の中で、新たな試練を迎えることになる。

「この迷宮、外見よりもずっと広いな。」
エスデスは感じた圧迫感を隠せずに言った。
一方のレオンは、地図を広げながら「昔の文献には、この神殿には宝石と同じくらいの価値を持つ古代の秘密が隠されているという記述があった。それがこの迷宮の中にあるのかもしれない」と推測した。

進むうちに、彼らはさまざまな仕掛けや罠に遭遇する。突如として床が動き始め、壁からは炎の矢が飛び出し、天井には大きな岩が落ちてくるなど、その度に二人は息を呑む危険な瞬間を迎えた。しかし、レオンの冷静な判断とエスデスの瞬時の反射神経で、二人はそれらの危機を乗り越えていった。

途中、彼らは古代の文字が刻まれた石板を見つける。エスデスはそれを解読し、「ここを通り抜ける鍵は“心の光”だと書かれている」と語った。二人はその言葉の意味を探りながら、迷宮をさらに進んだ。

とうとう、中央の部屋にたどり着いた。その部屋の中央には、大きな水晶の台座があり、その上には小さな黒い宝石が載っていた。しかし、その宝石には強烈な闇のオーラが放たれていた。

レオンは慎重に言った。「これが、心の光を試す宝石…恐らく、“闇の宝石”とでも呼ばれるものだろう。」

エスデスはレオンの手を握り、一緒にその宝石に近づいた。
闇の宝石は彼らの心を試すかのように、二人の過去の痛みや後悔を映し出し始めた。

エスデスは自身の幼少期の風景を目の前に浮かび上がらせた。
彼女がまだ小さな少女だったころ、病に冒されて亡くなった母の最後の日々。
母はベッドに横たわり、苦しそうにしながらもエスデスに微笑みかけていた。
その時のエスデスは、母の病気を理解できず、外で遊んでいたことを今でも後悔していた。
そのシーンが終わると、次に、彼女が青春時代の初恋の相手との別れのシーンが映し出された。
言葉にできない苦しみや悔いが心の奥から湧き上がってきた。


一方、レオンの前には彼の兄との過去の出来事が映し出された。
彼らはかつて一緒に戦っていたが、ある戦でレオンが敵の罠にかかり、兄が彼を助けるために命を落としてしまった。その時のレオンの無力さ、そして兄を救えなかった悔しさが、今も彼の心を苛んでいた。
また、レオンは若き日の自分が家族を顧みずに冒険を追い求める姿を目の当たりにした。
家族の中で父親との関係が特にギクシャクしており、
彼の死の際、最後に交わした言葉が
「お前はいつになったら成長するんだ」という厳しいものであった。

二人の目からは涙がこぼれ、手を繋ぎ合わせてその悔いや痛みに立ち向かった。
お互いの過去の痛みを共有し、それを受け入れることで、彼らの絆はさらに強固なものとなった。
闇の宝石は、彼らの心の光を認め、その力を二人に授けてくれた。

宝石を手に入れた二人は、迷宮から出ると、外の太陽の光に包まれた。
彼らは、この試練を乗り越えたことで、さらに深い絆で結ばれることとなった。
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