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第3章 怒りの十字架 1-
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しおりを挟む「選ばれし戦士よ 奮いたて。忌まわしき異教徒に奪われし、聖都を奪還せよ。
神の名を騙り、神の名を奪う、そして我々の父と子より与えられた
豊かな大地 清らかな水 そしてキリストの血と肉を再び我らの手に。」
教皇ウルバヌス2世は老いて衰弱した体に鞭打ち、神に祈った。
すると、数千にものぼる、王侯貴族の子弟が一様に吼えた。
「神の御心ままに。」
神託は下された。
百年以上の歳月をかけ、人の手で積み上げられた、一つ一つのレンガが
まるで人々の心と魂に、呼応するかのように打ち震えていた。
騎士たちの着る 鋼鉄の鎧と鋼鉄の盾、鋼鉄の剣が、そして鋼鉄の槍が、
光り輝き、聖堂に高く美しい金属音を奏でていた。
西暦1095年 フランス・オーヴェルヌのクレルモン・フェランにて
イスラム帝国を屠る為、イエスキリストの聖なる騎士団がエルサレムへと向かった。
熱狂していた。フランス各地から集まった群衆は、魂が枯れんばかりに。
当時、イベリア半島はイスラム帝国の勢力圏であり、フランスとの国境に
位置するノエル村は、イスラム商人と香辛料などを取引する市場があり
普段は大変な賑わいを見せている。しかし、イスラムへ聖騎士団が向かった翌年
イスラム教徒は危険を察し、近づくことはなかった。しかし、愚かなユダヤ人は
いつもどおりに商売を始めていた。
はじめは些細な祝いの祭りであった。聖騎士団の圧倒的な進軍に酔いしれていた
フランス民衆は、高らかに喝采を上げ、踊り狂っていた。
中世において、飢えて死ぬものも少なくなく、働くと言うことの対価は
食べると言うことである。娯楽なども祭りくらいだ。
一人の男が立ち止まって見た。そして言った。「異教徒がいるぞ。」
「敵だ。」「敵だ。」祭りといっても、戦争で異教徒を滅殺する祭りだ
誰ともなしに、褐色の肌の異教徒 ユダヤ人を引きずりまわし、言った。
「裏切り者のユダがいるぞ。」
「サンヘドリンの手先だ。」
人々は手にパンを伸ばす棒を持ち、
鎌や、ナイフで滅多刺しにした。
ばらばらに引き裂いて燃やし尽くした。
そう、ヒンノムの業火に
投げ入れたのだ。
ユダヤ人の受難、ナチスによるホロコーストへの始まりの詩であった。
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