産業創世記 ギデオン(休載中)

初書 ミタ

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第3章 怒りの十字架 1-

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豪雨の雨 深夜。


「ここに閉じ込められているのか、浮浪児は。」


ハイヤーが言った。

「はじめまして、フランクフルトの貧民に生まれ、彼らと同じく親を殺され

8歳にして、哀れオッペンハイムの下僕の、ハイヤーハムシェル。違うかね。


浮浪児がどうなるか知らぬわけでもあるまい、


慈善だよ慈善。


親も無い、

家も無い、

金も無い。


こんな大英帝国に彼らは何も求めていない。


ハイヤーハムシェル、かつての君と同じだ。」



ハーシーは言った。

8歳のころがフラッシュバックして、

ハイヤーハムシェルは

少し動揺した。



「君たちがやっているように、強い憎しみを持った同胞を


教育し仲間にしている。

彼らの未来を摘み取ったのは君たちではないか。





だから新世界へ。」






「行ってどうする。


            同じことが繰り返されるだけだ。」




ハイヤーハムシェルは怒鳴った。



「そんなことはない、

            奪われる側から、
                      奪う側になれる。」



何か回りくどい。ハイヤーハムシェルは違和感を覚えながらも、

思考がとまる。





「まるで君じゃないか。祖国奪還はオックスフォード卿のご遺志。」



ハーシーは言った。


「これが、ヴァチカンの陰謀だとわからないのか。

彼らはノルマン王家の存在など認めない。」


ハイヤーハムシェルはかろうじて答えた。


「違うな、ひとつになろうとしている。

                  大英帝国と言う強大な


                             敵を得てひとつになろうとしている。」





 

              ルイ、   そして 


                         ハプスブルグが。






                           聖イエスキリストのご遺志だよ。



            消えるのは貴様たちだ。」



ハイヤーハムシェルは準備していたものに火をつけた。

爆音と共に、監獄船は動き出した。

だが、ハーシーの姿はどこにもなかった。

何かがおかしい。




        進め     進め     このボロ船が。

子供たちを救出するとハイヤーハムシェルは言った。




                「まだ新世界へ行きたいか。」

  子供たちはうなずいた。

               「そうだな、自由市民としてなら行かせてやろう。」


ハイヤーハムシェルは言った。


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