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第1章

3 序盤で過剰な戦闘力!

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第3話
「怖いくらいにうまくいったな。」
英島は自身の計画は完ぺきだったと自慢気に言った。
「それじゃ、次のが沸く前にこいつをテイムします。」
俺は話しかけた。
「おい竜王、負けを認めるな?」
そうおれが言うとウルティメットドラゴンは瞼を閉じた。
「テイムスキル発動」
そういうと同時にウルティメットドラゴンの氷の呪縛は解け
ペットとなった。その瞬間おれは体に力がみなぎるのを感じた。
俺が得た経験値は『30万EXP』、総戦闘値が『130』から
『15万』に上がった。戦闘系のスキルレベルもほとんどが上がり、
スラリンは中級回復魔法と状態回復魔法等を習得。戦闘値『22万』
スライムズは各々『20万』、『クレインズ』も各『12万』
に上がった。
テイムしたウルティメットドラゴンの戦闘値は『1億』程度のようだ。
エンシェント種でレアの部類だ。
露原は『30万EXP』を得て、総戦闘値『560』が『25万』に上がった。
英島は『30万EXP』を得て、総戦闘値『2300』が『22万』に上がった。
どうやらモンスターはレベル制で設定されているが、
テイムした後は、プレイヤーと同じく総戦闘値で計測されるようだ。
ウルティメットドラゴンはテイムと同時にヒットポイントなどは全快したようで
皆元気にしていた。
ウルティメットドラゴンは先ほどの威厳ある態度ではなく平身低頭といった感じだ。
極龍は頭部を深々と下げ、畏まっていた。
「これ乗っていい?」露原が聞いてきた。
「おい、ドラゴン。こいつをお前に乗せてくれ。」
極龍はおとなしいので、露原を首の付け根あたりに
乗せてみた。かねての約束通り『騎乗用ドラゴン』として
貸し出すことにした。その姿はジャンボジェットにまたがる子供で
少し滑稽だった。

「お前の名前は『ドラキチ』な。」露原はネーミングセンスゼロの
名前を極龍に付け、俺が正式に承認した。
「ありがとうな、マジありがとう!」
マジ泣きした露原は感じ入ったようだ。
よほど槍騎士と言われていたのが嫌だったらしい。
「ちょっとドラキチで他にウルティメットドラゴンが居ないか
探してくるよ。」そう言うと、露原は大空へ飛び立っていった。

テイムでもアイテムドロップはするようで
金貨10万枚が入手できた。龍燐とドラゴンハイドは殺さないと無理だ。
「みつけたよー。」ドラキチに乗った露原は戻ってきて報告してきた。
南20キロ1匹、東10キロに1匹、西15キロに1匹だよ。
「ドラキチに乗れば、すぐすぐ。」
俺はエンシェント種という表示に気が付き、
現在の3匹はテイムしたいと考えていた。
「なあ、モンスターも倒されずに長生きすると成長するんじゃないか?
その3匹はテイムして、リポップしたものから龍燐やドラゴンハイドを
採りたい。」

「オッケー。そのほうがいいと思う。」英島も同意した。
「いいよ、ドラキチみたいなのが増えるんだよね。」
「ああ、会話できるのは便利だしな。」

俺たちはドラキチに乗ると上空5000メートルまで舞い上がった。
「苦しい、苦しい、もっと低く。」
俺と英島は悶絶しながら恐怖を味わった。
極竜は4輪駆動並みの機動だった。

南のウルティメットドラゴンはドラキチより小柄の雌の龍だった。
ドラキチを盾にしつつ戦っていたが、クレインを召還していたのは正解だった。
南の極竜は火炎が弱点の最強火炎魔法持ちだった。
燃え尽きる直前に回復魔法をかけテイムした。
『レッド』と命名した。
東の極竜は『ブルー』、西の極竜『トラジロウ』と名前を付けた。

その後、100匹ほどウルティメットドラゴンを倒し、
おれもウルティメットドラゴンに対する恐怖や警戒心がほとんどなくなっていた。
ウルティメットドラゴンの狩りはライバルもおらず、完全に独占できた。
毎日10時間180日、休みなく狩り殺し続けた。

スラリンは総戦闘値30億の回復スライム、ノーペナルティーの
蘇生スキル持ちになっていた。どうやらテイムしたスライムは
回復スライムにはならず、初期の卵に薬草で得た経験値で孵化させたため
回復スライムになった、そしてラスボス級のモンスターを万単位で屠ったため
蘇生魔法を覚えようだ。

他のスライムも総戦闘値20億くらいで、100匹からなる軍隊のようだ。
ヒットポイント1の虚弱体質のクレインも総戦闘値12億で
最大ヒットポイントも50万を超えた。
テイムしたウルティメットドラゴンの4匹は
総戦闘値99億9999万9999、カンストだった。
最大ヒットポイントは1億で攻撃防御も最大、
まさしく空飛ぶ鋼鉄の戦艦だ。

おれはスキルがカンストしてしまったので、ウサギやネズミ
スズメ、アリやゴキブリなどを鍛え上げていた。

龍燐と竜皮は大量に入手でき、各9999個3人のストレージに入っている。
ゴールドは実に 金貨260億枚以上。
黒魔導士の英島は大喜びだ。
自然習得するスキル、いわゆるひらめくタイプのスキルは
全員がコンプリートしていた。
マーケットで色々購入して、アイテムも装備も非常に充実した
ものになっていた。
半年以上強敵と戦ったことで、連携は阿吽の呼吸、盟友と
呼べる仲間となった。まずラスボスにも負けない。最強だ。

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