BLACK DiVA

宵衣子

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16.聖女護衛任務

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玲音から任務の内容を告げられて1週間。
『聖女護衛任務』の日になった。
早朝、あまり一通りが少ない時間帯を狙っての護衛だ。今回の任務は皇帝直属の軍、ナイトと合同で行われる。ナイトも出てくるなんて聖女はよっぽど大事な存在なのだろう。琴子は少し緊張する。
ガーディアンからは琴子、玲音、那由汰と芽愛がこの任務に当たっている。

「私との任務は初めてよね。よろしくね琴子」

芽愛メイアと言う女性はベリー色のウェーヴがかった髪に、エメラルドグリーンの瞳で、肌の露出の高い隊服を着ていて、それを着こなす程の美貌と色気を持ち合わせている。出るとこは出て引っ込むところは引っ込んでいるボンキュッボンだ。いや…もう本当に色気が凄い。口の左下にあるホクロも相まってさらに色気が増している。女の琴子でさえもドキドキしてしまうくらいだ。

「よ、よろしくお願いしますっ!芽愛さん」

「あら?顔、赤いわね…熱ない?」

そう言って琴子の額に手を置く。その顔の近さに更に琴子の頬が赤く染る。

「それは貴方のせいなのでは?」

と突っ込む那由汰。玲音と那由汰は慣れているのだろう顔色ひとつ変わらない。

「え~?」

芽愛は自分の色気に自覚が無いのか、なんで私のせいなのよ?みたいに不服そうに声を上げたのだった。こう見えて子持ちとか、琴子は信じられない気持ちだった。

聖女が乗っている車の中にナイトの精鋭が乗っていて、その車の周りにナイトが乗っている車4台、その後ろに玲音と琴子の乗っているバイクと那由汰と芽愛が乗っているバイクが続いている。
一応、一般車の見た目にしていて、『聖女』が乗っているのはトレーラー型になっている。
そのため玲音達、ガーディアンも見た目はガーディアンと分からないように隊服の上にコートを着ている。バイクもガーディアンと分からないように塗装済みだ。

「それにしても聖女様の乗っている車大きいですね」

トレーラーを見上げて琴子は玲音に話しかけた。

「まぁ、色々つむものがあるからな」

意味深に玲音は答えたのだった。

「あれ?そう言えば今回の任務って隊長のお兄さんも参加してるのかしら?」

「あぁ。精鋭部隊…聖女の乗っている車にいるらしい」

「流石、隊長のお兄様ね」

凄いわ~と芽愛が呟く。

「へ?隊長のお兄さんってナイトなんですか!!」

「隊長も2年前までナイトだったのよ」

尊敬の眼差しで玲音を見つめる琴子に芽愛が教えてくれた。

「隊長!!超エリートですね!!!」

芽愛の言葉にさらに琴子の目がキラキラした。
ナイトは選ばれた者しかなれない超エリート集団だ。ナイトに憧れる者も沢山いる。2年前まで玲音はナイトだった。それからガーディアンになって今の地位にいるなんて凄すぎると琴子は心から尊敬するのだった。

「隊長は天才よねぇ~」

「だろっ!」

芽愛に褒められて玲音はドヤ顔をするのだった。
そんな話をしているうちに先頭車が出発し始めた。
玲音達もそれに着いていく。
そんなに長い距離を行くわけではないがいつ、どこから敵が狙ってくるか分からないので要注意である。
琴子は玲音の腰に手を回す。思ったよりも密着する体制なので不謹慎にもどきりとしてしまう。

「(思ったより密着する)」

一方の玲音は何とも思っていないようでその眼差しは前方を見据えていた。目的地は帝都の城の敷地内にある施設だ。出発し始めて数十分。早朝ともあって車通りも少なく、何事もなく順調に進んでいる。
そうして帝都に繋がる橋を渡っている時だった、前方車両の2台が襲撃を受ける。それが合図だったかの様に後方から数十台の黒いバイクが物凄いスピードで走ってきてあっという間に囲まれてしまった。
乗っている人達はもちろん武装している。

「やっぱりすんなりとはいかないわよ…ね!!」

芽愛が不敵に笑うと隣を並行して走っていた黒いバイクから薔薇の茨が生えてきて運転している武装した人を束縛する。身動きが取れなくなった武装した人のバイクは制御不能になり転倒した。瞬間、芽愛達のバイクを目掛けて銃弾が飛んでくる。

「っつ!!どこから!?」

「スナイパーだな。橋の骨組みの上にいる」

イーグルアイを発動させた那由汰が振り返りもせずに言った。

「結構距離あるわね」

芽愛が目視で確認した瞬間、スナイパーはまるで空気に溶けるように消えた。

「っ!!消えたわ!!」

「大丈夫だ。イーグルアイからは逃げられない。見えてる」

「やっかいな能力ね」

襲撃をうけながら攻防戦を繰り返し、車は進んでいくが聖女の乗った車が道路を進んだ時、突然下から電磁フィールドが展開し、聖女の乗っている車を包み込み、動かなくなってしまった。

「隊長!!大変です!!聖女様の乗った車がっ!!」

「やられたな。やつら用意周到だ。まるで俺達がここを通るの知っていたみたいだ。」

聖女様の乗っている車は敵の設置型の罠にまんまと嵌ってしまったらしい。
電磁フィールドの中には聖女様の車と、5台くらいの黒いバイクが入っている。
一旦止まってしまった玲音達のバイクの周りにも黒いバイクが3台ほど囲んできた。ふと隣を見ると那由汰と芽愛も戦い始めていた。玲音と琴子も臨戦態勢に入るのだった。
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