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18.炎VS水
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ただ今琴子は聖女護衛任務にあたっている。
そして聖女を狙ってやってきた謎の黒い組織とレッドアイ。聖女は2つの組織に狙われている。
現在、レッドアイの1人と琴子は戦闘中だ。
もしかしたらレッドアイは黒い組織に雇われているのかもしれない。
「あなた達…黒い組織に雇われてる?」
「まぁ…レッドアイってそういう組織だし?」
そうレッドアイは雇われれば金次第で何でもする。
非道な組織だ。
「どうして聖女様を狙うの?」
「さぁ?俺たちは聖女を連れてこいしか言われてないし?」
琴子の質問をのらりくらりとかわす炎使いの男に琴子は苛立つ。
「龍水!!」
琴子が突きを繰り出すと、水が龍の形をかたどって炎使いの男に向かっていく。
「火炎爆散」
対する男は炎の塊を撃って水の勢いを弱めた。
そうして水龍をかわすと瞬時に琴子の懐に飛び込んでくる。
「っつ!!!」
男は炎をまとった拳で琴子の水簾の槍を弾き飛ばした。槍は宙を舞い弧を描いて地面に突き刺さった。
「終わりだな」
男はニィっと笑った。
「《水簾の槍》」
琴子がそう言うと、琴子の手には再び槍が現れた。
同時に地面に刺さっていた槍は消える。
男は一瞬動揺するも琴子と間合いをとり、じっと探るように琴子を見た。
「(武器や防具を召喚する能力か…?)」
この男、脳筋に見えて意外と頭も使うらしい。
「(危なかった~。気をつけなきゃ)」
琴子は内心安堵しながらまだどくどくと焦る様に高鳴る鼓動を落ち着かせる。
「(でも、このままじゃこの人に勝てないし、來之衛の事も聞けない…)」
琴子はどうしようかと考える。
「そうだ!!」
ぱっと顔を上げると何かを思いついたようだ。
「《風早の扇》」
琴子は鉄扇を具現化させる。
「《第2形態!》」
琴子がそう言うと鉄扇が羽根のような形になり琴子の背中につく。
「《水簾の槍》」
そうして水簾の槍も具現化させた。
「(なんとか2つなら具現化できる)」
炎の男はその様子を見ている。
「(召喚…とはまた違うのか?)」
男は今までの琴子との戦いを思い返す。
あの時もあの時も彼女は必ず声を出していた。
「(言霊…なのか?)」
炎使いの男ははっとした様な顔をすると次にはにっと笑っていた。
「まじか…」
この男、矢次大輝は2年前まで下級ナイトだった。
そんな男がなぜナイトを辞めレッドアイなんかに入ったかと言うと、魔族との戦いの時に大切な友をなくし、その時の上司は下の者を平気で犠牲にするやつで、そのせいで大輝は大切な友を失い、そいつの下についているのが嫌になったからだ。元々国への忠誠心も強い方では無かった。その時に目にした聖女が言霊使いだったのだ。そう、琴子と似た力を持っていた。
「BLACKDiVA…」
BLACKDiVAはこの星に元々住んでいた先住民。昔、初めてこの星に移り住んだ人間に隅に追いやられ現在はその聖女のみとされている。
特徴はその外見、必ず黒い髪に透き通るような白い肌で言霊を操る事ができるのだ。
最近活動休止している歌手の黒蝶も黒髪に黒目という外見だったが、彼女に言霊を操る力は無かったと言われている。そのため彼女はBLACKDiVAでは無いとされていた。なので聖女が唯一のBLACKDiVAとも言われていたのだ。
「言霊はBLACKDiVAの力。なのにあんたの外見は白銀の髪にブルーの瞳…か。」
BLACKDiVAではないのか?
もう少し調べる必要がありそうだ、と大輝は思った。
琴子は空に飛び立つ。
そして大樹に向けて槍を構えた。
「水龍!!」
空から大樹に向かって槍を突き刺す。
「ちっ!!」
空からの勢いのある突き、しかも龍の形を型どった水も一緒に向かってくる。
大輝は両手を上にあげ炎の壁を作り琴子の槍を受け止める。
「(相性最悪だなっ)」
大輝は槍を受け止めながら不敵に笑うも、このままでは押し負けてしまうと思った。
「…來之衛っていったっけか?」
突然、來之衛の名前が出てきてピクリと琴子が反応する。
「そいつの事なら知ってるよ…」
「教えて!來之衛のこと!!」
「…死んだよ」
その言葉に琴子は衝撃を受ける。
「っつ!!嘘…」
動揺したのか琴子の水龍の威力が弱まった。
その一瞬の動揺を大輝は見逃さなかった。
「吹っ飛べ!!火炎爆散!!」
にぃっと笑うと槍を受け止めてる手から炎が溢れ出し爆発した。
「きゃっ!!!」
その衝撃で琴子は吹っ飛び地面にひれ伏す。
「うっ…(來之衛が…死んだ?)」
大輝は琴子の前に歩いてくると、琴子の髪を引っ張り上を向けさせ彼女を覗き込む。
「死んだ…なんて嘘だよ。つか來之衛なんてやつ知らねーし。あんなんで動揺するなんてあんたピュアだね」
「っつ!!」
「さて…俺からも質問だ。あんたはBLACKDiVAなのか?」
「BLACKDiVA?」
BLACKDiVAという単語なら聞いたことがある。歴史の勉強で出てきた単語だ。
確かこの星の先住民だった人達の事だ。地球から移り住んできた人間の方が圧倒的に数が多かったため、迫害され隅に追いやられ、後に姿を消したと言われている。
「違うよ、私はBLACKDiVAじゃない」
琴子はBLACKDiVAじゃない。両親もBLACKDiVAではなく、極々普通の一般人だ。
「嘘はつかない方がいい」
しかし大輝は信じてくれないらしい。
さっきのお気楽な感じとは一転して男は殺気を放つ。ここで琴子が嘘をついたら即刻殺す気だろう。
「嘘なんてついてない!私の家族にBLACKDiVAなんていないもの」
「へぇ~ついでにもう1つ質問だ。その力は言霊か?」
「…敵であるあなたに教える義理は無い」
「ははは!たしかにそうだな!」
すると大輝は自身の服を破り琴子の口にまく。
「んんん!!!」
「BLACKDiVAってのは言霊を操るらしいぜ?」
「!!!」
大輝はにっと笑うと琴子を拘束しバイクに跨った。
そして連れ去ってしまったのだった。
そして聖女を狙ってやってきた謎の黒い組織とレッドアイ。聖女は2つの組織に狙われている。
現在、レッドアイの1人と琴子は戦闘中だ。
もしかしたらレッドアイは黒い組織に雇われているのかもしれない。
「あなた達…黒い組織に雇われてる?」
「まぁ…レッドアイってそういう組織だし?」
そうレッドアイは雇われれば金次第で何でもする。
非道な組織だ。
「どうして聖女様を狙うの?」
「さぁ?俺たちは聖女を連れてこいしか言われてないし?」
琴子の質問をのらりくらりとかわす炎使いの男に琴子は苛立つ。
「龍水!!」
琴子が突きを繰り出すと、水が龍の形をかたどって炎使いの男に向かっていく。
「火炎爆散」
対する男は炎の塊を撃って水の勢いを弱めた。
そうして水龍をかわすと瞬時に琴子の懐に飛び込んでくる。
「っつ!!!」
男は炎をまとった拳で琴子の水簾の槍を弾き飛ばした。槍は宙を舞い弧を描いて地面に突き刺さった。
「終わりだな」
男はニィっと笑った。
「《水簾の槍》」
琴子がそう言うと、琴子の手には再び槍が現れた。
同時に地面に刺さっていた槍は消える。
男は一瞬動揺するも琴子と間合いをとり、じっと探るように琴子を見た。
「(武器や防具を召喚する能力か…?)」
この男、脳筋に見えて意外と頭も使うらしい。
「(危なかった~。気をつけなきゃ)」
琴子は内心安堵しながらまだどくどくと焦る様に高鳴る鼓動を落ち着かせる。
「(でも、このままじゃこの人に勝てないし、來之衛の事も聞けない…)」
琴子はどうしようかと考える。
「そうだ!!」
ぱっと顔を上げると何かを思いついたようだ。
「《風早の扇》」
琴子は鉄扇を具現化させる。
「《第2形態!》」
琴子がそう言うと鉄扇が羽根のような形になり琴子の背中につく。
「《水簾の槍》」
そうして水簾の槍も具現化させた。
「(なんとか2つなら具現化できる)」
炎の男はその様子を見ている。
「(召喚…とはまた違うのか?)」
男は今までの琴子との戦いを思い返す。
あの時もあの時も彼女は必ず声を出していた。
「(言霊…なのか?)」
炎使いの男ははっとした様な顔をすると次にはにっと笑っていた。
「まじか…」
この男、矢次大輝は2年前まで下級ナイトだった。
そんな男がなぜナイトを辞めレッドアイなんかに入ったかと言うと、魔族との戦いの時に大切な友をなくし、その時の上司は下の者を平気で犠牲にするやつで、そのせいで大輝は大切な友を失い、そいつの下についているのが嫌になったからだ。元々国への忠誠心も強い方では無かった。その時に目にした聖女が言霊使いだったのだ。そう、琴子と似た力を持っていた。
「BLACKDiVA…」
BLACKDiVAはこの星に元々住んでいた先住民。昔、初めてこの星に移り住んだ人間に隅に追いやられ現在はその聖女のみとされている。
特徴はその外見、必ず黒い髪に透き通るような白い肌で言霊を操る事ができるのだ。
最近活動休止している歌手の黒蝶も黒髪に黒目という外見だったが、彼女に言霊を操る力は無かったと言われている。そのため彼女はBLACKDiVAでは無いとされていた。なので聖女が唯一のBLACKDiVAとも言われていたのだ。
「言霊はBLACKDiVAの力。なのにあんたの外見は白銀の髪にブルーの瞳…か。」
BLACKDiVAではないのか?
もう少し調べる必要がありそうだ、と大輝は思った。
琴子は空に飛び立つ。
そして大樹に向けて槍を構えた。
「水龍!!」
空から大樹に向かって槍を突き刺す。
「ちっ!!」
空からの勢いのある突き、しかも龍の形を型どった水も一緒に向かってくる。
大輝は両手を上にあげ炎の壁を作り琴子の槍を受け止める。
「(相性最悪だなっ)」
大輝は槍を受け止めながら不敵に笑うも、このままでは押し負けてしまうと思った。
「…來之衛っていったっけか?」
突然、來之衛の名前が出てきてピクリと琴子が反応する。
「そいつの事なら知ってるよ…」
「教えて!來之衛のこと!!」
「…死んだよ」
その言葉に琴子は衝撃を受ける。
「っつ!!嘘…」
動揺したのか琴子の水龍の威力が弱まった。
その一瞬の動揺を大輝は見逃さなかった。
「吹っ飛べ!!火炎爆散!!」
にぃっと笑うと槍を受け止めてる手から炎が溢れ出し爆発した。
「きゃっ!!!」
その衝撃で琴子は吹っ飛び地面にひれ伏す。
「うっ…(來之衛が…死んだ?)」
大輝は琴子の前に歩いてくると、琴子の髪を引っ張り上を向けさせ彼女を覗き込む。
「死んだ…なんて嘘だよ。つか來之衛なんてやつ知らねーし。あんなんで動揺するなんてあんたピュアだね」
「っつ!!」
「さて…俺からも質問だ。あんたはBLACKDiVAなのか?」
「BLACKDiVA?」
BLACKDiVAという単語なら聞いたことがある。歴史の勉強で出てきた単語だ。
確かこの星の先住民だった人達の事だ。地球から移り住んできた人間の方が圧倒的に数が多かったため、迫害され隅に追いやられ、後に姿を消したと言われている。
「違うよ、私はBLACKDiVAじゃない」
琴子はBLACKDiVAじゃない。両親もBLACKDiVAではなく、極々普通の一般人だ。
「嘘はつかない方がいい」
しかし大輝は信じてくれないらしい。
さっきのお気楽な感じとは一転して男は殺気を放つ。ここで琴子が嘘をついたら即刻殺す気だろう。
「嘘なんてついてない!私の家族にBLACKDiVAなんていないもの」
「へぇ~ついでにもう1つ質問だ。その力は言霊か?」
「…敵であるあなたに教える義理は無い」
「ははは!たしかにそうだな!」
すると大輝は自身の服を破り琴子の口にまく。
「んんん!!!」
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