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24.昔のお話し2
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舞衣の言葉に2人は息を飲んだ。
彼女の言っている事は嘘ではないのだろう…その真剣な眼差しが物語っていた。
「何言ってんだよ…簡単に殺してとか言ってんじゃねーよ!」
そう言ったのは玲音だった。
大切な幼なじみを殺すなんて考えられなかった。
そんな事はありえない。
「探そう!!舞衣の中の女王様を追い出す方法を」
玲音の言葉を予想していなかったのか舞衣は驚いた様な顔をした。伊咲凪は舞衣に優しくほほ笑みかける。
「諦めるのはまだ早いんじゃないか?舞衣には俺達がいる。きっと方法があるはずだ。一緒に探そう」
2人の言葉に舞衣は嬉しそうに涙を流しながら微笑んだ。ずっと1人で女王の事を誰にも言えず辛かったし、話したところでどうする事も出来ないと舞衣は思っていた。だけど話してみると2人は自分を恐るどころか何とかしようとしてくれた。それだけで心は軽くなりなにより励みになった。
舞衣にとって2人は希望だった。
しかし、そんな思いとは裏腹に舞衣の中の女王はどんどん存在感を増していった。
舞衣はエウス国唯一のBLACKDiVA。当然国が放っておく訳もなく、舞衣の身は国に預けられていた。その強力な力は国によって管理され、保護されていた。舞衣の力を求めて色々な国から狙われる事もしばしばあったし、色んな組織からも狙われる事も多々あったため国に守ってもらった方が一般人を巻き込む事無く安全ではあった。しかし条件があった。
それは国が危機に面した時や必要があった時はその力を国のために行使すると言う条件だ。
舞衣は自分が危険に晒される事によって家族や周りの人達に迷惑をかけたくなかったため、その条件を了承した。
舞衣は力を使えば使うほど女王の存在が増幅して行き、その女王は次第に狂気姫と呼ばれるようになった。そして2年前の魔族との戦いの時、力を使った舞衣は限界を迎える。
狂気姫を抑える事が出来なくなったのだ。舞衣の人格は狂気姫に支配されていき、舞衣は自分の意識があるうちに…と自ら志願して眠りについた。
「俺は…俺達は舞衣を救いたいんだ」
その方法を探している。と玲音は呟いた。
「………」
琴子が舞衣と対峙した時、あの時は舞衣では無く狂気姫だったのかと、話を聞いて琴子は納得した。
全然、聖女っぽくなかった。あの残虐な笑みと殺気は聖女のイメージとは似ても似つかないものだった。
「そんな過去があったんですね…私も力になりたいです。私に出来ることがあったら言ってください!」
琴子は同じBLACKDIVAの血を引くもの同士なのだから、舞衣に何か出来ることがあるかもしれないと思ったし、玲音と伊咲凪の力になりたいと思った。
そんな琴子に2人はありがとう、と微笑むのだった。
店を出るとすっかり日が暮れていた。
伊咲凪はじゃ、と手を振ると帰っていく。
玲音はそんな伊咲凪の背中を真剣な瞳で見つめていた。
「伊咲凪と舞衣はさ、恋人同士なんだ。舞衣が眠りにつくと決意した時、何も出来なくて凄く辛かったと思う。今も…」
恋人同士なのに話すことさえも、触れ合う事もできない…もし私に恋人がいてそんな事になってしまったら…辛くて悲しくて、どうしようも無いと思う。考えただけでも切ない。
そして何故か隊長の顔が頭に浮かんだ。
もし彼になにかあったら…。
「(って、いやいや…どうしてここで隊長の顔がでてくるのか…)」
琴子は火照った顔を隠すように空を仰ぐ。
そこには昔、星の王子さまと見た時の様な満点の星空が広がっていた。
彼女の言っている事は嘘ではないのだろう…その真剣な眼差しが物語っていた。
「何言ってんだよ…簡単に殺してとか言ってんじゃねーよ!」
そう言ったのは玲音だった。
大切な幼なじみを殺すなんて考えられなかった。
そんな事はありえない。
「探そう!!舞衣の中の女王様を追い出す方法を」
玲音の言葉を予想していなかったのか舞衣は驚いた様な顔をした。伊咲凪は舞衣に優しくほほ笑みかける。
「諦めるのはまだ早いんじゃないか?舞衣には俺達がいる。きっと方法があるはずだ。一緒に探そう」
2人の言葉に舞衣は嬉しそうに涙を流しながら微笑んだ。ずっと1人で女王の事を誰にも言えず辛かったし、話したところでどうする事も出来ないと舞衣は思っていた。だけど話してみると2人は自分を恐るどころか何とかしようとしてくれた。それだけで心は軽くなりなにより励みになった。
舞衣にとって2人は希望だった。
しかし、そんな思いとは裏腹に舞衣の中の女王はどんどん存在感を増していった。
舞衣はエウス国唯一のBLACKDiVA。当然国が放っておく訳もなく、舞衣の身は国に預けられていた。その強力な力は国によって管理され、保護されていた。舞衣の力を求めて色々な国から狙われる事もしばしばあったし、色んな組織からも狙われる事も多々あったため国に守ってもらった方が一般人を巻き込む事無く安全ではあった。しかし条件があった。
それは国が危機に面した時や必要があった時はその力を国のために行使すると言う条件だ。
舞衣は自分が危険に晒される事によって家族や周りの人達に迷惑をかけたくなかったため、その条件を了承した。
舞衣は力を使えば使うほど女王の存在が増幅して行き、その女王は次第に狂気姫と呼ばれるようになった。そして2年前の魔族との戦いの時、力を使った舞衣は限界を迎える。
狂気姫を抑える事が出来なくなったのだ。舞衣の人格は狂気姫に支配されていき、舞衣は自分の意識があるうちに…と自ら志願して眠りについた。
「俺は…俺達は舞衣を救いたいんだ」
その方法を探している。と玲音は呟いた。
「………」
琴子が舞衣と対峙した時、あの時は舞衣では無く狂気姫だったのかと、話を聞いて琴子は納得した。
全然、聖女っぽくなかった。あの残虐な笑みと殺気は聖女のイメージとは似ても似つかないものだった。
「そんな過去があったんですね…私も力になりたいです。私に出来ることがあったら言ってください!」
琴子は同じBLACKDIVAの血を引くもの同士なのだから、舞衣に何か出来ることがあるかもしれないと思ったし、玲音と伊咲凪の力になりたいと思った。
そんな琴子に2人はありがとう、と微笑むのだった。
店を出るとすっかり日が暮れていた。
伊咲凪はじゃ、と手を振ると帰っていく。
玲音はそんな伊咲凪の背中を真剣な瞳で見つめていた。
「伊咲凪と舞衣はさ、恋人同士なんだ。舞衣が眠りにつくと決意した時、何も出来なくて凄く辛かったと思う。今も…」
恋人同士なのに話すことさえも、触れ合う事もできない…もし私に恋人がいてそんな事になってしまったら…辛くて悲しくて、どうしようも無いと思う。考えただけでも切ない。
そして何故か隊長の顔が頭に浮かんだ。
もし彼になにかあったら…。
「(って、いやいや…どうしてここで隊長の顔がでてくるのか…)」
琴子は火照った顔を隠すように空を仰ぐ。
そこには昔、星の王子さまと見た時の様な満点の星空が広がっていた。
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