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30.人狼の様な魔物の正体
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琴子が目を開けると、見慣れた休憩室の天井が見えた。
「………ここは…休憩室…?」
そうだった…と思い出す。
魔物を倒した琴子は力尽きて倒れてしまったのだ。
「氷の力…早く完成させなきゃ」
自分にとって1番強い力になる事は間違いないと琴子は今回の戦いで確信したのだった。
程なくしてノック音と「入るね…」の言葉と共に花凜が入ってきた。
「琴子ちゃん!!」
まだ琴子の目が覚めていないと思っていたのか、目覚めた琴子を見て花凜は琴子に抱きついた。
「心配したよぉ~!!」
「心配かけてごめんね、もう大丈夫だよ」
「良かったぁ~、あ、隊長達に伝えてくるね!」
そう言うと花凜は走って部屋から出ていった。
それから少しして玲音が部屋にやってきた。
玲音は目覚めた琴子を見て安心したように息をつく。
どうやらエウス際から1夜が明けているらしい。
魔物の襲撃の後、ナイトとガーディアンでなんとか事態を収拾し奇跡的に死人も出なかったと玲音から聞いた。
それから人狼のような魔物は玲音が倒して研究所に死体を引き渡したらしい。
「あれが本当にキメラだったのか、研究室にこれから行こうと思う」
あの魔物が人と魔物を融合させたキメラだったなら大事件だ。絶対に許される事ではない。
「私も行きます。行かせてください」
こうして琴子と玲音、それから那由汰も一緒に研究所まで行く事になった。
…………
研究所につき、エントランスに入ると職員の女の人が魔物の研究をしている部署まで案内してくれた。
「こんにちは、ガーディアンの皆様。」
そう言って頭を下げたのは、焦げ茶色の髪に緑の瞳の30代くらいの男性だった。
「僕はこの部署の部長をしている水留 傑です。依頼された魔物の鑑定終わっています」
そう言って水留 傑が案内したのは壁がガラス張りしていて中の様子が見える廊下だった。
ガラスの向こうには人狼の様な魔物が横たわっていて研究員達がサンプルをとったり色々と動いていた。
「この魔物は貴方たちが予想している通り、キメラでした。」
その言葉を聞いた瞬間、玲音と琴子はやっぱり、と言う思いと共に怒りが湧いてくる。それと同時に魔物と融合されてしまった人を救えなかったと言う複雑な感情が渦巻く。
「融合された人の身元は判明しましたか…?」
と玲音が傑に聞く。
「えぇ。彼は1ヶ月以上前に行方不明になっていたサラリーマンの男性で…強い力では無いですが少しだけオーラを吸い取る力をもっているアンノウンでした。」
人狼のような魔物は玲音の力を無力化してきた。あれはオーラを吸っていたかららしい。
元々、融合された人が持っていた力だったようだ。
「アンノウンの力を使えるようになるのか…」
玲音は呟いた。
「そうみたいですね…より強い力をもった、アンノウンと魔物が組み合わされたら…少々やっかいでしょうか…」
傑の言葉に玲音は表情を歪ませた。
「少々どころじゃない…かなり厄介だ…」
「早急に犯人を捕まえるべきですね」
那由汰はいつもの様に冷静に話すが、その瞳の奥は怒りに溢れていた。それから人狼の様な魔物をじっと見る。
「似てますね…」
「ん?」
「2年前…魔物や魔族がエウスに侵攻してきた時のキメラに…」
2年前、魔族や魔物に混じってキメラも何体かいたのだ。いずれも魔物の体の胸から人の顔が出ていたが未完成だったのか強くは無かった。
だが今回の人狼の様な魔物…キメラはそれとは比べ物にならないくらい強かった。
「それは…俺も思ったよ。2年前の魔族との戦いに何か関係があるのかもしれない」
玲音は思った、魔族をエウスに手引きした奴が関係しているのかもしれない…と。
「那由汰さんも2年前の戦いに参加してたんですか?」
ふと琴子は思ったので聞いてみた。
「えぇ。魔族との戦いはナイトが中心でしたが、ガーディアンからも何部隊か参加してましたから」
「そうなんですね」
「エウス国の危機でしたので…」
誰にも知られず、陰でそんな戦いが起きてたなんて…琴子達、国民が何も知らずに普通の生活を送られていたのは必死に戦ってくれたナイトとガーディアンの人達のお陰。そして…舞衣さんのお陰だったんだと琴子は思うのだった。
「………ここは…休憩室…?」
そうだった…と思い出す。
魔物を倒した琴子は力尽きて倒れてしまったのだ。
「氷の力…早く完成させなきゃ」
自分にとって1番強い力になる事は間違いないと琴子は今回の戦いで確信したのだった。
程なくしてノック音と「入るね…」の言葉と共に花凜が入ってきた。
「琴子ちゃん!!」
まだ琴子の目が覚めていないと思っていたのか、目覚めた琴子を見て花凜は琴子に抱きついた。
「心配したよぉ~!!」
「心配かけてごめんね、もう大丈夫だよ」
「良かったぁ~、あ、隊長達に伝えてくるね!」
そう言うと花凜は走って部屋から出ていった。
それから少しして玲音が部屋にやってきた。
玲音は目覚めた琴子を見て安心したように息をつく。
どうやらエウス際から1夜が明けているらしい。
魔物の襲撃の後、ナイトとガーディアンでなんとか事態を収拾し奇跡的に死人も出なかったと玲音から聞いた。
それから人狼のような魔物は玲音が倒して研究所に死体を引き渡したらしい。
「あれが本当にキメラだったのか、研究室にこれから行こうと思う」
あの魔物が人と魔物を融合させたキメラだったなら大事件だ。絶対に許される事ではない。
「私も行きます。行かせてください」
こうして琴子と玲音、それから那由汰も一緒に研究所まで行く事になった。
…………
研究所につき、エントランスに入ると職員の女の人が魔物の研究をしている部署まで案内してくれた。
「こんにちは、ガーディアンの皆様。」
そう言って頭を下げたのは、焦げ茶色の髪に緑の瞳の30代くらいの男性だった。
「僕はこの部署の部長をしている水留 傑です。依頼された魔物の鑑定終わっています」
そう言って水留 傑が案内したのは壁がガラス張りしていて中の様子が見える廊下だった。
ガラスの向こうには人狼の様な魔物が横たわっていて研究員達がサンプルをとったり色々と動いていた。
「この魔物は貴方たちが予想している通り、キメラでした。」
その言葉を聞いた瞬間、玲音と琴子はやっぱり、と言う思いと共に怒りが湧いてくる。それと同時に魔物と融合されてしまった人を救えなかったと言う複雑な感情が渦巻く。
「融合された人の身元は判明しましたか…?」
と玲音が傑に聞く。
「えぇ。彼は1ヶ月以上前に行方不明になっていたサラリーマンの男性で…強い力では無いですが少しだけオーラを吸い取る力をもっているアンノウンでした。」
人狼のような魔物は玲音の力を無力化してきた。あれはオーラを吸っていたかららしい。
元々、融合された人が持っていた力だったようだ。
「アンノウンの力を使えるようになるのか…」
玲音は呟いた。
「そうみたいですね…より強い力をもった、アンノウンと魔物が組み合わされたら…少々やっかいでしょうか…」
傑の言葉に玲音は表情を歪ませた。
「少々どころじゃない…かなり厄介だ…」
「早急に犯人を捕まえるべきですね」
那由汰はいつもの様に冷静に話すが、その瞳の奥は怒りに溢れていた。それから人狼の様な魔物をじっと見る。
「似てますね…」
「ん?」
「2年前…魔物や魔族がエウスに侵攻してきた時のキメラに…」
2年前、魔族や魔物に混じってキメラも何体かいたのだ。いずれも魔物の体の胸から人の顔が出ていたが未完成だったのか強くは無かった。
だが今回の人狼の様な魔物…キメラはそれとは比べ物にならないくらい強かった。
「それは…俺も思ったよ。2年前の魔族との戦いに何か関係があるのかもしれない」
玲音は思った、魔族をエウスに手引きした奴が関係しているのかもしれない…と。
「那由汰さんも2年前の戦いに参加してたんですか?」
ふと琴子は思ったので聞いてみた。
「えぇ。魔族との戦いはナイトが中心でしたが、ガーディアンからも何部隊か参加してましたから」
「そうなんですね」
「エウス国の危機でしたので…」
誰にも知られず、陰でそんな戦いが起きてたなんて…琴子達、国民が何も知らずに普通の生活を送られていたのは必死に戦ってくれたナイトとガーディアンの人達のお陰。そして…舞衣さんのお陰だったんだと琴子は思うのだった。
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