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◇前進⑬
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私たちふたりを自撮りしようとして、和久井さんが長い腕を伸ばしてスマホを構え、私のほうに体をぐっと寄せてシャッターボタンを押した。
そのひとつひとつの一連の動作に、私はドキドキが止まらない。
「なかなか上手く撮れた」
「そうですね」
微笑む私と和久井さんがいて、そのバックには高台からの綺麗な景色が写っている。
私はうれしすぎて自然とニヤニヤしてしまう。この写真を家宝にしたいくらいだ。
「俺もその写真欲しいな。転送してよ」
「はい。今すぐ!」
私があわててスマホを操作すると「別に今すぐじゃなくてもいいけど」と和久井さんが突っ込みながら笑った。
こういう何気ないやり取りもいい。間違いなく少しずつ仲良くなれている気がする。
「ちょっと曇ってきたね」
さっきまで晴れ渡っていた空に、気がつくと白い雲が全面にかかっていて太陽の光が射さなくなっていた。
「なにか飲み物を買ってくるよ」
言うが早いか、和久井さんは少し離れた自動販売機まで小走りで行ってしまった。
すぐに戻ってきた和久井さんの手には、ボトルコーヒーがふたつ。
差し出されたものを受け取ると、それは温かくて手の平に心地よさを感じた。
「ありがとうございます」
私がそのコーヒーに口をつけたところで、和久井さんはおもむろに自分が羽織っていたシャツを脱ぎ始めた。
「冷えてきたな」
和久井さんは自分が着ていたシャツを私の肩にそっとかけた。
「え、そんなことしたら和久井さんが寒くなっちゃう」
「俺は大丈夫」
「でも……」
「いいから着てて」
温かい。和久井さんのぬくもりがまだ残っているシャツは、なんだか彼自身に包まれてるような錯覚に陥りそうだ。
隣を見ると、インナーの袖からのぞいた和久井さんの腕がたくましくて、意識するとまた心臓がドキドキしてくる。
そのひとつひとつの一連の動作に、私はドキドキが止まらない。
「なかなか上手く撮れた」
「そうですね」
微笑む私と和久井さんがいて、そのバックには高台からの綺麗な景色が写っている。
私はうれしすぎて自然とニヤニヤしてしまう。この写真を家宝にしたいくらいだ。
「俺もその写真欲しいな。転送してよ」
「はい。今すぐ!」
私があわててスマホを操作すると「別に今すぐじゃなくてもいいけど」と和久井さんが突っ込みながら笑った。
こういう何気ないやり取りもいい。間違いなく少しずつ仲良くなれている気がする。
「ちょっと曇ってきたね」
さっきまで晴れ渡っていた空に、気がつくと白い雲が全面にかかっていて太陽の光が射さなくなっていた。
「なにか飲み物を買ってくるよ」
言うが早いか、和久井さんは少し離れた自動販売機まで小走りで行ってしまった。
すぐに戻ってきた和久井さんの手には、ボトルコーヒーがふたつ。
差し出されたものを受け取ると、それは温かくて手の平に心地よさを感じた。
「ありがとうございます」
私がそのコーヒーに口をつけたところで、和久井さんはおもむろに自分が羽織っていたシャツを脱ぎ始めた。
「冷えてきたな」
和久井さんは自分が着ていたシャツを私の肩にそっとかけた。
「え、そんなことしたら和久井さんが寒くなっちゃう」
「俺は大丈夫」
「でも……」
「いいから着てて」
温かい。和久井さんのぬくもりがまだ残っているシャツは、なんだか彼自身に包まれてるような錯覚に陥りそうだ。
隣を見ると、インナーの袖からのぞいた和久井さんの腕がたくましくて、意識するとまた心臓がドキドキしてくる。
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