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◇本気の恋を教えます③
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きっと、和久井さんは私を追いかけては来ないだろう。
彼は、来るもの“拒んで”去るもの追わず、なのだと佐藤さんが前に教えてくれた。だとしたら今も、追いかけてくるわけがない。
私は左足に痛みを感じながらも、再びゆっくりと歩き出した。
だが突然、後ろから誰かに左肩を強く掴まれて体が反転した。
「なんで逃げるの?」
振り返ると、息を切らした和久井さんの姿があった。
なぜか眉間にシワを寄せている。
「別に逃げてなんか……。彼女、お店で待ってますよ。戻ったほうがいいんじゃないですか?」
正直、ものすごく驚いた。
追いかけてくるはずのない人が追いかけてきて、今ここにいるのだから。
だけど今の私の発言は、ビックリして気持ちに余裕がなかったのを差し引いても、本当にかわいげがない。
「誤解だよ、そうじゃないんだ。今日はたまたまあそこに、」
「もういいです。私のことはほっといてください」
こんなときに泣き顔を見せるのは卑怯だから、できるだけ和久井さんから顔を背けて言った。
先ほどの光景で、私には見込みがないと身に染みてわかったし、そう告げるしかない。
「ほっとけるかよ! こんな舞花ちゃんをひとりにしておけるわけないだろ!」
ガラにも無く少し声を荒げた和久井さんが、私の両肩に手を置き、正面で向き合う形で私と視線を合わせた。
「なんて顔してるんだ……」
私の頬には止まらない涙があふれ続け、いくつもの筋を作っていた。
和久井さんはそれを拭おうと、私の頬にそっと手を添える。
どうして和久井さんは、このタイミングでやさしくするのかわからない。
私に同情して、なんの意味があるの?
「好きでもないのに、やさしくしないで!」
気がついたら口走ってしまっていた。
和久井さんが本当にやさしくしたいのは、私ではなくてあの女性のはずなのだ。
「俺は誰にでもやさしい男じゃない。どっちかっていうと“やさしくない”ほうだ。だけど、舞花ちゃんにはやさしくしたい」
和久井さんが切ない表情になり、私をきつく抱きしめる。
「それと、俺はどうして舞花ちゃんが走って逃げたのか……その理由に気づかないほど鈍感じゃないんだ」
耳元でそんな言葉が聞こえてきて、抱きしめられているこの状況は夢ではないかと自分を疑いたくなった。
「私、和久井さんが……好き」
「知ってる」
「即答されるとムカつきます!」
「はは。正直だな」
ついに思いがあふれてしまった。
気持ちを伝える前に玉砕したのだと、つい先ほどまで意気消沈していたのに。
告白の言葉を言えるとは思ってもみなかった。
それにしても、和久井さんにはどうやら私の気持ちはバレていたようだ。
私はかなりわかりやすいみたい。
「そんな正直な舞花ちゃん……俺も好きだ」
今、幻聴が聞こえた気がする。
自分の都合のいいように解釈して聞こえただけかもしれない。
彼は、来るもの“拒んで”去るもの追わず、なのだと佐藤さんが前に教えてくれた。だとしたら今も、追いかけてくるわけがない。
私は左足に痛みを感じながらも、再びゆっくりと歩き出した。
だが突然、後ろから誰かに左肩を強く掴まれて体が反転した。
「なんで逃げるの?」
振り返ると、息を切らした和久井さんの姿があった。
なぜか眉間にシワを寄せている。
「別に逃げてなんか……。彼女、お店で待ってますよ。戻ったほうがいいんじゃないですか?」
正直、ものすごく驚いた。
追いかけてくるはずのない人が追いかけてきて、今ここにいるのだから。
だけど今の私の発言は、ビックリして気持ちに余裕がなかったのを差し引いても、本当にかわいげがない。
「誤解だよ、そうじゃないんだ。今日はたまたまあそこに、」
「もういいです。私のことはほっといてください」
こんなときに泣き顔を見せるのは卑怯だから、できるだけ和久井さんから顔を背けて言った。
先ほどの光景で、私には見込みがないと身に染みてわかったし、そう告げるしかない。
「ほっとけるかよ! こんな舞花ちゃんをひとりにしておけるわけないだろ!」
ガラにも無く少し声を荒げた和久井さんが、私の両肩に手を置き、正面で向き合う形で私と視線を合わせた。
「なんて顔してるんだ……」
私の頬には止まらない涙があふれ続け、いくつもの筋を作っていた。
和久井さんはそれを拭おうと、私の頬にそっと手を添える。
どうして和久井さんは、このタイミングでやさしくするのかわからない。
私に同情して、なんの意味があるの?
「好きでもないのに、やさしくしないで!」
気がついたら口走ってしまっていた。
和久井さんが本当にやさしくしたいのは、私ではなくてあの女性のはずなのだ。
「俺は誰にでもやさしい男じゃない。どっちかっていうと“やさしくない”ほうだ。だけど、舞花ちゃんにはやさしくしたい」
和久井さんが切ない表情になり、私をきつく抱きしめる。
「それと、俺はどうして舞花ちゃんが走って逃げたのか……その理由に気づかないほど鈍感じゃないんだ」
耳元でそんな言葉が聞こえてきて、抱きしめられているこの状況は夢ではないかと自分を疑いたくなった。
「私、和久井さんが……好き」
「知ってる」
「即答されるとムカつきます!」
「はは。正直だな」
ついに思いがあふれてしまった。
気持ちを伝える前に玉砕したのだと、つい先ほどまで意気消沈していたのに。
告白の言葉を言えるとは思ってもみなかった。
それにしても、和久井さんにはどうやら私の気持ちはバレていたようだ。
私はかなりわかりやすいみたい。
「そんな正直な舞花ちゃん……俺も好きだ」
今、幻聴が聞こえた気がする。
自分の都合のいいように解釈して聞こえただけかもしれない。
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