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◇本気の恋を教えます⑥
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「舞花!」
やはり移動しようか、と本気で考えた矢先、駅の方角から聞き慣れた彼の声が耳に届いた。
「竣!」
彼の名を呼んで笑顔で手を振った瞬間、私に絡んでいたふたりが「ゲッ!」と嫌そうな声を出す。
私は助けを求めるように、小走りで彼のもとへ駆け寄った。
それとほぼ同時に男たちが、「なんだよ、彼氏来たのかよ」などとブツブツ言いながら私から離れていった。
「今のヤツら、誰?」
付き合いだしてから和久井さんは、私を“舞花”と呼び、私も“竣”と、お互いの名を呼び捨てで呼ぶようになった。
それでさらに距離が縮まった気がする。
「知らない人。話しかけられたの」
私の言葉を聞き、竣はハァーっと盛大な溜め息を吐いた。
「油断も隙もないな。いきなりナンパか……」
せっかくのお祭りデートなのに、竣の眉間にはシワが寄ってい、あきらかに不機嫌な表情だ。
「ごめんね」
「舞花はなにも悪くないだろ」
機嫌を直してほしくて謝れば、竣はクスリと笑って私の頭の上に手を乗せた。
「しょうがないよな。舞花は美人だから」
「え?!」
「今日の服もかわいい……それと、これも」
竣が手をすべり下ろして、髪につけていたシュシュにそっと触れる。
すぐに気づいてくれたことがうれしくて、この上なく胸がキュンとした。
「自分がかわいいこと、いい加減自覚しろよ」
竣はあきれたように言い、私の手を繋いで歩き始めた。
「そんな自覚できないよ」
「かわいいとほかの男にもモテるから困るな」
「モテてないー」
私が口を尖らせると、竣はおもしろそうにワハハと笑った。
誘っても気づかれていないなんて、今まで舞花を口説こうとした男どもを若干気の毒に思うよ、と。
私にはよくわからないけれど、竣が笑ってくれているのならそれでいい。
お祭りが行われる神社のほうへ近づいていくと、出店らしきものも見えてきて、人がさらに集まっていた。
「おー、和久井!」
人の流れに逆らうように、駅方向へと向かうひとりの男性が竣に声をかけた。
「うわぁ……」
声をかけられた竣は、相手に気づいてあからさまに嫌そうな顔をした。
「なんだよ、その態度は」
「休日にまで会うとは思ってなかったんで」
「お前はかわいくないな」
「俺がかわいかったら、キモいだけっすよ」
竣よりもガッチリとした体形のその人は、大人の落ち着いた雰囲気のイケメンだった。
竣が“休日にまで”と言うからには、会社の先輩なのかもしれない。
「恋人とデートか?」
「はい。どう見てもそうですよ」
竣は私と恋人つなぎをしている手を見せ付けるように軽く掲げた。
私はなんだか照れくさくて、頬が熱くなってくる。
やはり移動しようか、と本気で考えた矢先、駅の方角から聞き慣れた彼の声が耳に届いた。
「竣!」
彼の名を呼んで笑顔で手を振った瞬間、私に絡んでいたふたりが「ゲッ!」と嫌そうな声を出す。
私は助けを求めるように、小走りで彼のもとへ駆け寄った。
それとほぼ同時に男たちが、「なんだよ、彼氏来たのかよ」などとブツブツ言いながら私から離れていった。
「今のヤツら、誰?」
付き合いだしてから和久井さんは、私を“舞花”と呼び、私も“竣”と、お互いの名を呼び捨てで呼ぶようになった。
それでさらに距離が縮まった気がする。
「知らない人。話しかけられたの」
私の言葉を聞き、竣はハァーっと盛大な溜め息を吐いた。
「油断も隙もないな。いきなりナンパか……」
せっかくのお祭りデートなのに、竣の眉間にはシワが寄ってい、あきらかに不機嫌な表情だ。
「ごめんね」
「舞花はなにも悪くないだろ」
機嫌を直してほしくて謝れば、竣はクスリと笑って私の頭の上に手を乗せた。
「しょうがないよな。舞花は美人だから」
「え?!」
「今日の服もかわいい……それと、これも」
竣が手をすべり下ろして、髪につけていたシュシュにそっと触れる。
すぐに気づいてくれたことがうれしくて、この上なく胸がキュンとした。
「自分がかわいいこと、いい加減自覚しろよ」
竣はあきれたように言い、私の手を繋いで歩き始めた。
「そんな自覚できないよ」
「かわいいとほかの男にもモテるから困るな」
「モテてないー」
私が口を尖らせると、竣はおもしろそうにワハハと笑った。
誘っても気づかれていないなんて、今まで舞花を口説こうとした男どもを若干気の毒に思うよ、と。
私にはよくわからないけれど、竣が笑ってくれているのならそれでいい。
お祭りが行われる神社のほうへ近づいていくと、出店らしきものも見えてきて、人がさらに集まっていた。
「おー、和久井!」
人の流れに逆らうように、駅方向へと向かうひとりの男性が竣に声をかけた。
「うわぁ……」
声をかけられた竣は、相手に気づいてあからさまに嫌そうな顔をした。
「なんだよ、その態度は」
「休日にまで会うとは思ってなかったんで」
「お前はかわいくないな」
「俺がかわいかったら、キモいだけっすよ」
竣よりもガッチリとした体形のその人は、大人の落ち着いた雰囲気のイケメンだった。
竣が“休日にまで”と言うからには、会社の先輩なのかもしれない。
「恋人とデートか?」
「はい。どう見てもそうですよ」
竣は私と恋人つなぎをしている手を見せ付けるように軽く掲げた。
私はなんだか照れくさくて、頬が熱くなってくる。
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