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supplementary tuition番外編
秘密は蜜より甘く 3
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Secrets will be best protected by remaining secret.
──── 秘密は秘密のままであることによっていちばんよく守られるであろう。
だから、打ち明けよう…………秘密があることを。
夢月は有都の腕の中で、気持ちを固めるとゆっくりと振り返った。
自分を見下ろしている眼差しには、躊躇いがあるようだ。
悠都との間でどんな話をしたのか、問いただそうか否か迷っているのだろう。
「真崎くん、あのね、報告があるんだ」
「報告?」
僅かな安堵に息を抜きながら有都は夢月の腰に置いていた手を組んだ。
「私、今日ね、真崎くんに秘密ができたの」
「…………は?」
そして告げられた台詞に意表を突かれた有都が、夢月の言葉に目を瞠る。
「え?それが報告?」
「うん…………嘘はつきたくないし、ついても真崎にはバレちゃうし、隠し事あるって言っておけばいいかなって」
「…………あー、そーか」
返答に困ったように力無く呟いてから、有都は失笑した。
「なんだソレ」
「ごめんね、話せる時がきたら、ちゃんと話すから」
有都の腕を掴んで夢月は身体を寄せる。
こんな子供騙しのような駆け引きで納得して貰えるとは思えないが、夢月が今できる精一杯だ。
悠都から聞いた真実は、今はまだ話せない。
容易に話せる内容ではなかった。
「お願い。それじゃ、ダメかな?」
縋るように掴んだ手に力をこめる。
見上げる夢月をじっと見詰めてから有都が徐ろに身を屈め首を傾げた。
唇が重なってから夢月はキスをされたことに気づく。
背中に回された有都の手に引き寄せられ、口付けが深まる。
「…………ん ──── 」
絡まる舌に波打つ様に情欲が寄せる。
願いを受け入れた返答の代わりのキスなのか、違う意図があるのか、読み取れなくなるほどの熱く甘い口付けに夢月の意識が流されそうになった。
「もう一回言って、『お願い』って」
口付けの合間に有都が熱い吐息と共に求める。
「…………?お願い?」
「なんかちげーな…………」
唇が掠る距離で有都が眉を寄せる。
「さっきすげームラっときたのに」
「どこにそんな要素?!」
「夢月が『お願い』って甘いおねだりした時」
「…………おねだり、ではないし」
熱を帯びた有都の瞳に間近で見据えられ、夢月は狼狽た。
この流れは、なんとなくうやむやに事が曖昧に終えてしまいそうだ。
「じゃー、強請って、夢月からキスして」
「……………………っ」
「そしたら、秘密は秘密のままでいーよ」
うやむやよりは、それが望ましい。
…………けど、強請るって、キスして強請るって
どうすれば、正解??
さっきの「お願い」は違うらしいし、有都はもっと上級のお強請りを求めているのかもしれない。
夢月は思案したまま、指一つ動かせずに固まってしまった。
「…………ほら、時間切れになるよ」
至近距離の有都の唇に静かに急かされ、夢月は辿々しく有都の腕に手を這わす。
最初にそうしたように、腕を掴み、縋るように、求めるように、不安げに ────
「 ──── お願い」
囁きながら有都の唇を捕らえた。
夢月が柔らかくクリームを啄む様に、有都の舌先を絡めとると、有都の片手が背中から後頭部へと這い上がり息つく間も無いような熱い口付けを返される。
腰から力が抜ける様な、蕩けるような舌先の愛撫に夢月は有都の腕へとしがみついた。
「……………………いーよ、合格」
まだ終わらないと言うかのように、有都の手の平が頬に滑り込んだ。
口内で混じり合う唾液が、どちらの熱かを分からなくする。
頭の芯から爪先までもその熱に囚われ、支配していくようだ。
──── 秘密は秘密のままであることによっていちばんよく守られるであろう。
だから、打ち明けよう…………秘密があることを。
夢月は有都の腕の中で、気持ちを固めるとゆっくりと振り返った。
自分を見下ろしている眼差しには、躊躇いがあるようだ。
悠都との間でどんな話をしたのか、問いただそうか否か迷っているのだろう。
「真崎くん、あのね、報告があるんだ」
「報告?」
僅かな安堵に息を抜きながら有都は夢月の腰に置いていた手を組んだ。
「私、今日ね、真崎くんに秘密ができたの」
「…………は?」
そして告げられた台詞に意表を突かれた有都が、夢月の言葉に目を瞠る。
「え?それが報告?」
「うん…………嘘はつきたくないし、ついても真崎にはバレちゃうし、隠し事あるって言っておけばいいかなって」
「…………あー、そーか」
返答に困ったように力無く呟いてから、有都は失笑した。
「なんだソレ」
「ごめんね、話せる時がきたら、ちゃんと話すから」
有都の腕を掴んで夢月は身体を寄せる。
こんな子供騙しのような駆け引きで納得して貰えるとは思えないが、夢月が今できる精一杯だ。
悠都から聞いた真実は、今はまだ話せない。
容易に話せる内容ではなかった。
「お願い。それじゃ、ダメかな?」
縋るように掴んだ手に力をこめる。
見上げる夢月をじっと見詰めてから有都が徐ろに身を屈め首を傾げた。
唇が重なってから夢月はキスをされたことに気づく。
背中に回された有都の手に引き寄せられ、口付けが深まる。
「…………ん ──── 」
絡まる舌に波打つ様に情欲が寄せる。
願いを受け入れた返答の代わりのキスなのか、違う意図があるのか、読み取れなくなるほどの熱く甘い口付けに夢月の意識が流されそうになった。
「もう一回言って、『お願い』って」
口付けの合間に有都が熱い吐息と共に求める。
「…………?お願い?」
「なんかちげーな…………」
唇が掠る距離で有都が眉を寄せる。
「さっきすげームラっときたのに」
「どこにそんな要素?!」
「夢月が『お願い』って甘いおねだりした時」
「…………おねだり、ではないし」
熱を帯びた有都の瞳に間近で見据えられ、夢月は狼狽た。
この流れは、なんとなくうやむやに事が曖昧に終えてしまいそうだ。
「じゃー、強請って、夢月からキスして」
「……………………っ」
「そしたら、秘密は秘密のままでいーよ」
うやむやよりは、それが望ましい。
…………けど、強請るって、キスして強請るって
どうすれば、正解??
さっきの「お願い」は違うらしいし、有都はもっと上級のお強請りを求めているのかもしれない。
夢月は思案したまま、指一つ動かせずに固まってしまった。
「…………ほら、時間切れになるよ」
至近距離の有都の唇に静かに急かされ、夢月は辿々しく有都の腕に手を這わす。
最初にそうしたように、腕を掴み、縋るように、求めるように、不安げに ────
「 ──── お願い」
囁きながら有都の唇を捕らえた。
夢月が柔らかくクリームを啄む様に、有都の舌先を絡めとると、有都の片手が背中から後頭部へと這い上がり息つく間も無いような熱い口付けを返される。
腰から力が抜ける様な、蕩けるような舌先の愛撫に夢月は有都の腕へとしがみついた。
「……………………いーよ、合格」
まだ終わらないと言うかのように、有都の手の平が頬に滑り込んだ。
口内で混じり合う唾液が、どちらの熱かを分からなくする。
頭の芯から爪先までもその熱に囚われ、支配していくようだ。
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