私の片思いの相手は不思議な喫茶店で働いている猫さんでした。

*花*

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1日目(月) 帰ってきた、私の実家6

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……やっぱり、変わってないやこの公園も。

私は誰一人いない公園の中にあるベンチに座った。空はだんだん淡いオレンジ色に染まってきていた。

「私、よくここで遊んでたっけ…… ここであの猫とも出会ったんだよなぁ」

私は大きな木の方に目を向けて、ぽつりと呟いた。しみじみと思いながら見ているとどこからか「にゃー」と声が聞こえてきた。

「この鳴き声って……」

私はベンチからすっと立ち、声のする方へと体を向けた。すると木の陰から一匹の猫がてててと歩いて出てきた。私はその猫の模様をみて、はっとした。ぶち模様だ。もしかしたらと思い、気づかないようにそろりそろりと近づいて行った。だが、猫はこちらを振り返ってしまった。しかし、今回は「にゃー」と穏やかな鳴き声だった。前回は「に゙ゃぁー!」と威嚇するように鳴いていたのに。なんでだろうと不思議に思った。その猫は鳴いてから、また前のように逃げ出した。

「あっ!待ってぇー!!!」

私はまたあの猫を追ってしまった。私っていつまで経っても子供みたいだなぁ と照れながら思い、追いかけた。


そして私は木々に囲まれているところへ来た。この場所もはっきりと覚えていた。私は少し息を切らしながらも、ゆっくりと歩いていった。するとそこにはこんな光景が広がっていた。

「……!まだあったんだ、この喫茶店……!!」

私はとても驚いた。まだあったなんて。
前に見た時と同じ建物、同じ看板。あの時に見たものとそのまま変わっていなかった。

「じゃ、ここには……」

私はそっとドアハンドルに手をかけ、ゆっくりと引いた。ベルがチリンと音を鳴らした。それと同時に「いらっしゃいませ」と複数人の声がした。ん? と思いながらも私は入っていった。中も変わっていないなぁと周りをキョロキョロと見ていると、聞いた時のある声が私の耳へ聞こえてきた。

「あれ……?君……瀬良ちゃん……?だよね?」

私は声のする方を振り返った。そこには何もかも一切変わっていない彗くんの姿があった。全身から顔から何までも変わっていなかった。まるで彗くんだけ時が止まっているかのように。黄色のぱっちりとした目が私のことを見つめていた。

「あ、うん……! そうだよ……!」
「あ!やっぱり!久しぶりだね。瀬良ちゃん……と言うよりは瀬良さんの方がいいかな?」

彗くんの顔に笑顔が吹き込まれた。さっきの唖然としていた表情が一気に優しく、穏やかになった。そして、カウンターの奥から二人の男女の声が聞こえてきた。

「あら? 彗くんの知り合いの方かしら?」
「そう……みたいだな」

私は二人の方へ目線を向けると、二人はそれに気づいて、カウンターから出てきた。それから私にお辞儀をした。この二人については彗くんが説明してくれた。

「あぁ、瀬良ちゃんにとっては初めて見る人だよね?今から紹介するよ。こちらの女性が奥村おくむら夕佳ゆうかさん。そして、そちらの男性は霧島きりしまれいさんだよ」

と言ってから、夕佳さんと零さんは口々に「よろしくお願いします」「よろしく」と言った。私の方からも「よろしくお願いします」
と言ってからお辞儀をした。どこかで見た時がある人達だなぁと思った。この女性のタレ目の淡いピンク色の目といい、男性の右目が隠れている髪型といい見た時がある人だと思った。

夕佳さんはいい人そうだけど、零さんはどうなんだろう? でも、この二人は彗くんと出会ったんだろう? 気になるなぁ。

と少し疑問を抱えたが、後で二人とも仲良くなってから聞こうと決めた。

そのためにもここの喫茶店へ毎日来ることにしよう。この残りわずかの日数で聞けるかなぁ?

私はそう決心して、今日は時間も遅いし、話すには短いなと思ったので、今日は帰ることにした。彗くんは「ありがとうね」と言ってから「またね」と言って、優しい笑顔で手を振った。夕佳さんと零さんも「ありがとうございました」と言って、ぺこりとお辞儀をした。


私が出ると、そこにはやっぱり、ぶち猫がいた。私が来たことを確認すると、てててと歩き出した。

そして、公園へ着き、私は猫に向かって「明日も来るね、またね」と言ってから、少し早歩きで家へと帰った。



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