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2日目(火) まったりお話会inまりも4
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「あ!彗くん……! どう?出来そう?」
私はそう問いかけた。彗くんの表情にはいつもの微笑みがなかった。逆に少し悲しそうに眉をひそめていた。「どうしたの……?何かあった……?」と私は心配した。彗くんは「あぁ、うん。大丈夫だよ」と力なく微笑んだ。そして、続けてこう言った。
「二人にも提案したんだよ。そしたら、夕佳さんは いいわね って言って、ノリノリだったんだけど、零くんがね……」
と言って、言葉を詰まらせ、目を伏せた。私は零さんの方に目を向けた。ちょうど厨房からハンカチで手を拭いて、出てきたところだった。そして私のことに気づいたのか「……何だよ」と静かな冷たい目線を向けられた。私は恐る恐る「零さんも一緒にお話しませんか……?」と聞いてみた。零さんは はぁ と軽くため息を漏らして、返ってきた返事は「気が向いたら」だった。そして、次は彗くんに向かって、「厨房の掃除をしてきます」と言い、厨房へと入る時、入れ替わりで夕佳さんが出てきた。夕佳さんは何かを話している様子だったが、零さんは首を横に振り、バタンと扉を閉めた。
「あ、夕佳さん。こっち、こっち」
「あら、彗くんに瀬良さん。……それじゃ、お話会開きましょうか。あの子については本当にどうしようも出来ないわね……」
と呆れたような顔をして、はぁ と溜息をつき、テーブルに手をついた。
「まぁ、まぁ、夕佳さん。しょうがないよ」
と彗くんも ふう と息をついた。その後は軽く口角を上げ、どこか遠くを見つめていた。
私は切り出していいか分からず、じっと黙っていた。すると夕佳さんは場の空気を変えるように、明るい声で「じゃ、始めよっか」とニコッと笑顔で私達に言ってきた。私と彗くんもつられて笑顔になり、「うん」と頷いた。始まりはよくないスタートだが、最終的には、盛り上がってゴール出来るだろう と信じた。きっとそのうち、零さんも入ってくれるよねと自分で思い込んだ。お話会の言い出しは私からだった。これはどうしても聞きたい。しょうもないかもしれないが。私は口を開き、声を潜めるようにして言った。
「あの…… 零さんっていつもこんな感じなんですか……? ちょっと冷たいというか……」
この問いかけを聞いた二人は、私のことを見つめてから、二人で見つめ合った。そして二人は、あはは と笑い出した。
「瀬良さん…… 実はあの子ね、本当は仲良くなりたいんだと思うよ。だけど、上手く話せなくて、あんなトゲトゲした態度を取ってるのよ」
「あ、そう言えば、零くんってまだ高校生だよね?」
「うん、そうらしいわね。高校一?二?」
「高校二年生だっつーの……」
「……あれ? 今の声は……」
夕佳さんは少しにニヤニヤした顔で、零さんのことを見ていた。いつからそこに!? と私はびっくりして、口をぽかんと開けていた。零さんはどうやら、気を利かせて、コーヒーを持ってきたらしい。
「あら、気が利くじゃない」
「別に……」
零さんは視線を逸らしながら、首元をポリポリとかいていた。
「ほら、こういうところだよ」
とひそひそと私に話しかけてきた。意外と優しいんだよ と言う言葉もつけて。そして、ニッコリと笑った。私は再び零くんに視線を向けると、「……何だよ」と次は、照れているのか、少し顔を赤らめて言った。彗くんもこのやり取りを見て、笑っていた。
なんか……意外と楽しくなりそうだなぁ。
と私は内心、零さんも話に入ってくる ということをさらに期待して、私は零さんに笑顔を見せた。零さんはそっぽを向き、「ごゆっくり……」といった。恥ずかしいのか照れているのか分からないが、その仕草を見て、またさらに笑ってしまった。
これは楽しくなりそうだねぇ。
私はそう問いかけた。彗くんの表情にはいつもの微笑みがなかった。逆に少し悲しそうに眉をひそめていた。「どうしたの……?何かあった……?」と私は心配した。彗くんは「あぁ、うん。大丈夫だよ」と力なく微笑んだ。そして、続けてこう言った。
「二人にも提案したんだよ。そしたら、夕佳さんは いいわね って言って、ノリノリだったんだけど、零くんがね……」
と言って、言葉を詰まらせ、目を伏せた。私は零さんの方に目を向けた。ちょうど厨房からハンカチで手を拭いて、出てきたところだった。そして私のことに気づいたのか「……何だよ」と静かな冷たい目線を向けられた。私は恐る恐る「零さんも一緒にお話しませんか……?」と聞いてみた。零さんは はぁ と軽くため息を漏らして、返ってきた返事は「気が向いたら」だった。そして、次は彗くんに向かって、「厨房の掃除をしてきます」と言い、厨房へと入る時、入れ替わりで夕佳さんが出てきた。夕佳さんは何かを話している様子だったが、零さんは首を横に振り、バタンと扉を閉めた。
「あ、夕佳さん。こっち、こっち」
「あら、彗くんに瀬良さん。……それじゃ、お話会開きましょうか。あの子については本当にどうしようも出来ないわね……」
と呆れたような顔をして、はぁ と溜息をつき、テーブルに手をついた。
「まぁ、まぁ、夕佳さん。しょうがないよ」
と彗くんも ふう と息をついた。その後は軽く口角を上げ、どこか遠くを見つめていた。
私は切り出していいか分からず、じっと黙っていた。すると夕佳さんは場の空気を変えるように、明るい声で「じゃ、始めよっか」とニコッと笑顔で私達に言ってきた。私と彗くんもつられて笑顔になり、「うん」と頷いた。始まりはよくないスタートだが、最終的には、盛り上がってゴール出来るだろう と信じた。きっとそのうち、零さんも入ってくれるよねと自分で思い込んだ。お話会の言い出しは私からだった。これはどうしても聞きたい。しょうもないかもしれないが。私は口を開き、声を潜めるようにして言った。
「あの…… 零さんっていつもこんな感じなんですか……? ちょっと冷たいというか……」
この問いかけを聞いた二人は、私のことを見つめてから、二人で見つめ合った。そして二人は、あはは と笑い出した。
「瀬良さん…… 実はあの子ね、本当は仲良くなりたいんだと思うよ。だけど、上手く話せなくて、あんなトゲトゲした態度を取ってるのよ」
「あ、そう言えば、零くんってまだ高校生だよね?」
「うん、そうらしいわね。高校一?二?」
「高校二年生だっつーの……」
「……あれ? 今の声は……」
夕佳さんは少しにニヤニヤした顔で、零さんのことを見ていた。いつからそこに!? と私はびっくりして、口をぽかんと開けていた。零さんはどうやら、気を利かせて、コーヒーを持ってきたらしい。
「あら、気が利くじゃない」
「別に……」
零さんは視線を逸らしながら、首元をポリポリとかいていた。
「ほら、こういうところだよ」
とひそひそと私に話しかけてきた。意外と優しいんだよ と言う言葉もつけて。そして、ニッコリと笑った。私は再び零くんに視線を向けると、「……何だよ」と次は、照れているのか、少し顔を赤らめて言った。彗くんもこのやり取りを見て、笑っていた。
なんか……意外と楽しくなりそうだなぁ。
と私は内心、零さんも話に入ってくる ということをさらに期待して、私は零さんに笑顔を見せた。零さんはそっぽを向き、「ごゆっくり……」といった。恥ずかしいのか照れているのか分からないが、その仕草を見て、またさらに笑ってしまった。
これは楽しくなりそうだねぇ。
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