私の片思いの相手は不思議な喫茶店で働いている猫さんでした。

*花*

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5日目(金) 当たっちゃって、分からない6

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私はテーブル席に座り、さっきあった出来事を三人に語り尽くした。三人のリアクションはそれぞれで、夕佳さんは大きくリアクションをとっていた。「え!?」や「そうなのね」など様々なリアクションをとっていた。彗くんはいつもの様に相槌をしながら聞いていた。零さんは無言で聞いていた。

「それで私……これからどうしていけばいいのか分からないんです……最低ですよね……上手く返事が出来ず、そのまま立ち去ってしまって……」
「でも、急に告白されたら「えっ」ってなっちゃうわよねえ~ 分かるわ~」
「告白って、そんなドキドキするもんなのか……?」
「いや、するでしょ!?零くん……女心を分かってないわねえ……」
「仕方ねぇだろ……だって俺告白したことないし……逆に人付き合いって面倒くさいって考えてるやつだから」

と零さんは言ってから、「俺、ちょっと厨房に行ってくる」とスタスタと歩いて行った。
姿が見えなくなった後、夕佳は私に こそっと言ってきた。

「零くん、多分何か作ってくるわ」

すると次は私達に聞こえる声で、「零くんが来るまでちょっとお喋りでもしましょうか」と呼びかけてきた。彗くんは「あぁ、そうだね」とこくりと頷いた。私もいいなと思い、意見に賛同した。

それから私達は零さんが来るまで、前のお話会のように色々話していた。
ちょうど話しが盛り上がっていた時、厨房から零さんが出てきた。
それも銀色のお盆に乗せて。
そして、私達のテーブルの前に来た時、「どうぞ」と言い、三人に何かを渡した。

「これは……!」
「あらぁ~、随分と凝ってるわね~」
「おぉっ、凄い。零さん、スイーツを作る腕が上がったね」
「別に……そうでも無いと思うけど…………」

私たちの前に出されたのは、チョコレートパフェだった。そんなに大きくはないが、色んな工夫が施されていた。チョコレートが花の形になっていたり、チョコだけではなく、底にはコーヒーゼリーも入っていたり、とにかく見た目はとても美しいなと感じ、食べるのが勿体ないなと思った。それと一緒に、見た目はクールで怖そうに見えるけど、本当は気遣いのできる、優しい男性だなということも改めて実感した。
パフェを置いた後、「ごゆっくり……」と言った。そしてその場を立ち去ろうとした時、夕佳さんが「待って」と零さんを止めた。

「なんだよ……」
「せっかくだからさ、零くんも一緒に喋らない?」
「はぁ……?」

と言いつつも、零さんは話の中に入っていった。そして、喋りはしなかったし、反応もあまりしてはいなかったけど、しっかり私達の話を聞いてくれていた。

結局は『私は今後どうしたらよいか分からない』と言う疑問は晴れないままだったが、それについては自分としっかり向き合い、考えることにした。

「じゃ、今日はもう帰りますね。親が心配しそうだから」
「あぁ、うん、分かった。夕佳さん、零さん、瀬良ちゃんのことを外まで見送ってきます」
「おう」
「はーい、じゃあね~瀬良ちゃん」

と夕佳さんはひらひらと手を振った。零さんは私のことを じっ と見ているだけだった。それもそれで零さんっぽい見送り方だなと思った。私は二人に微笑み返して、外へ出た。

「彗くん、今日は私の話を聞いてくれてありがとう」
「いえいえ、こちらこそ」
「夕佳さんや零さんにもありがとうって伝えておいてね。よろしくね」
「うん」

私達は互いに「じゃあねー」と言い、大きく手を振った。そして、今日もこのぶち猫さんが公園までのご案内人だ。


私と猫は公園へ着いた。いつもなら「じゃあね」と言って、別れているが、今日はちょっとここにいることにした。

……あの時優斗はどんな気持ちだったんだろう……私のことを酷い幼なじみだなんて思っただろうな…………

沢山の思い出があるこの公園。私はここで美香ちゃんへメールを送ることにした。ベンチに座り、こう打った。

『美香ちゃん、私、頑張れなかった。酷い反応をしてしまったよ。だから私は考えてみようと思う。この先、幼なじみとどのような関係を築いていけばいいかと。そして、』

まで打った後、私は「そして、」の文字を消した。私が帰る時までは、誰にもこの秘密を打ち明けない。

私には好きな人がいるんだと。
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