私の片思いの相手は不思議な喫茶店で働いている猫さんでした。

*花*

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6日目(土) ぶち猫

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昨日の夜は今後優斗とどうしていくか自分なりにしっかりと考えた。午前六時三十分。布団にうずくまっている私は手を伸ばし、スマホを取った。優斗との連絡先はもう交換してある。私はすいすいと文字を打っていった。

「今日の午前九時頃って空いてる? っと……」

思った以上に幼なじみの反応は早く、こんな文が ぽん と出た。

「空いてるよ。どうした?」
「あっ……とりあえず返してはくれた…… 九時頃までにあの公園に来て欲しい っと……」

これまたすぐに返信が来た。

「分かった」
「……おっ!分かっただって……!よし……ここで理由を話せば……」

あっ、待てよ……?私に好きな人がいるってことを隠しながら言っていかないと……
それとも素直に打ち明けるべきか……

考えていると、ピロンと着信音がなった。また優斗からだと思ったが、今度は違った。
美香ちゃんからだった。

「おはよう、瀬良ちゃん。昨日は大変だったね……私でよければ相談に乗るからね。頑張って」
「美香ちゃん……やっぱり、優しくて頼れる存在だよ……」

私はその文章を読み、うるっとした。こんな人と仲良くなれてよかった と心の底から強く思った。

私はまたスマホを元の位置に戻し、カーテンを開けた。今日も晴れている。太陽が眩しく輝いている。私は空に向かってくすっと笑った。
今日は何だかいい事がありそうな気がするなぁ。

階段を下り、台所にいる母、そして居間にいる父に「おはよう」と明るく挨拶をした。そして、朝食を済ませ、洗い物の手伝いをした。それにプラスして、天気がいいので外に洗濯物も干した。
それぞれのことが終わり、ふぅ と息をついた。そして、額を拭った。それから ぐっ と伸びをした。

「ふぅー、今日は何だか調子がいいなぁ。どうしたんだろ」

私は ぼーっ と空を見つめた。雲がゆっくりと動いていた。

「あ、あの雲の形、猫に見える」

あの雲が何だか猫の後ろ姿に見えた。それで私はあることを考えていた。

あのぶち猫ともあと少しでお別れかぁ……

私は明日の十二時頃には家を出るつもりだ。一週間当たり前のように会っていたあの猫と会えなくなるなんて悲しいし、寂しいなと思い始めていた。

そしてあの喫茶店のみんなとも……そして、優斗や美香ちゃんとも…………
いや、そんなこと今から考えるな。まだもう少し時間があるんだ。この短い時間でもありったけ思い出を作れるはずだ。
悲しくなんてない、寂しくなんてない。考えない、考えなければいいんだ。

私は首をぶんぶん横に振り、パシンと頬を叩いた。そして、ぐっと瞳に力を入れ、また空を見上げてから、家の中へ入った。親は今日も仕事でもうとっくに出かけていた。私は自分の部屋へ行き、いつもの様に公園へ行く準備をした。

準備の手を進めながら、考えてしまった。

やっぱり考えてしまう。この公園ともあと少しでお別れかって。でも、私、今は悲しいとか寂しいとか思わない。

ただただ色々な思い出を作ろうと前向きに考えているのだから。
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