私の片思いの相手は不思議な喫茶店で働いている猫さんでした。

*花*

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7日目(日) 伝えるんだ。私の気持ち《終》

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「これで後、しばらくの間、お別れかぁ……」

沢山の思い出ができた喫茶店『まりも』。私が小学一年生の時、初めて訪れたこの場所。今となっては私の大切な存在だ。私はゆっくりとドアハンドルに手をかけた。

この瞬間も大切な私の思い出。もう、何もかもが思い出だ。

私は すっ とドアを開けた。ベルのチリンという音と同時に、中から「パーン」と言う音が聞こえてきて、びっくりした。
私は そっ と入っていくと、三人同時に言葉をかけられた。

「瀬良ちゃん、今までありがとう!」

私は思わず泣きそうになった。私は三人に飛びつき、「ありがとうございます!!」と泣いているんだか、笑っているんだか分からない声で抱きついた。
そして私は、「こちらへどうぞ」と彗くんにテーブル席へ案内された。彗くんは元気になっていた。異常な回復っぷりに私は驚いた。それから、夕佳さんが沢山の真っ赤ないちごを使ったホールケーキを持ってきた。それを四等分にして「はい、どうぞ」と私に勧めた。そして零さんはコーヒーを持ってきた。「これ、俺が作って、二人に美味いなっていわれたやつ」と言って、置いた。四人揃ったところで「かんぱーい」とカップを合わせた。

それから私達は色々なお喋りをした。

やっぱり楽しいな。みんなとお話するの。

私は沢山笑って、楽しんだ。そして、私はとうとう切り出した。

「ねぇ、彗くん。ちょっと来て」
「ん?どうしたの?」
「おっ!?なになに~!?」

私は彗くんと向かい合わせで立った。

私……伝えるんだ。この気持ち。この率直な思いを告げるんだ……
あぁ、心臓が口から飛び出してきそうなくらい、バクバクして、ドキドキしている。
でも……それでも…………

伝えるんだ。私の気持ち。

私は思い切り息を吸って、言った。

「私、最初に会った時と、この一週間ずっとこのまりもに来て、感じたんだ。私、彗くんと一緒にいると、楽しいなって。そして、明るくて優しい性格も、そして、一生懸命仕事を頑張っているところも、全部、全部」

私はもう一度息を大きく吸って、言った。

「私は彗くんのことが好きです。付き合ってください!」

私はぺこりと頭を下げた。

言った!言えた。私。

気持ち伝わったかな……

彗くんから出た言葉。それは長々と綴られた言葉だった。彗くんは少し頬を赤く染めて、私のことを じっ と見てきた。そして、ふぅと息を吐いてから、こんなことを言ってきた。

「瀬良ちゃん……!!でも……僕、本当は…………猫なんだ。いつも公園にいるぶち猫なんだ。昨日のことでも……分かるだろう。あの時はごめんね……
僕も……君のことを気にかけていたんだ。いつも笑顔で、明るくて、元気で、可愛いなって思ってたんだ。でも僕は……君のそばにはいられない。僕はこの喫茶店『まりも』のオーナーだから。そして、この喫茶店は大切な僕の居場所なんだ。だから守り続けていくんだ」

そして、彗くんは私と同じく大きく息を吸って、黄色い目を細め、朗らかな笑顔で、私に言った。

こんな僕でもよかったら、よろしくお願いします。―と。

私はその言葉を聞いた直後、ぽろぽろと涙が溢れだしてきた。そして私は彗くんに抱き着いた。

「彗くぅぅん……!ありがとうぅぅ……!!」
「泣かないで、瀬良ちゃん」
「ええっ!?彗くん、瀬良ちゃん!?!?お互い好きだったの!?!?両思いなの!?」
「マジか……」

二人とも唖然とした顔で私達を見つめていたが、その後、夕佳さんが私に飛びついてきて、「おめでとうぅぅ!!!!」と叫んできた。そして、「よかったねぇぇ」とぼろぼろと嬉し涙を流した。零さんも私達に近づいてきて、「おめでとう」とぼそっと呟いた。でもその顔には、少し優しい笑みが浮かんでいた。
そして、私達は四人で抱き合い、「おめでとう」と声を揃えて言った。

私の片思いの恋は、両思いへと変わった。

そして、その後、とうとう十二時という時間がやってきてしまった。私は美香ちゃんに今までのことを話した。終始、美香ちゃんはびっくりしたままだったけど、最後には「おめでとう」と明るい声で祝福してくれた。そして、幼なじみの優斗にも電話をした。優斗は「あーあ、瀬良との恋がぁぁぁ」と泣き叫ぶように言った後、「おめでとさん、これから彼氏さんと仲良くやっていけよな」と言った後、「頑張れ」と励ましの言葉をもらった。本当に最高な幼なじみだ。

そして、私は十二時、家を出た。この懐かしい『ふるさと』を出た。また絶対来るから。



それから―

喫茶店『まりも』は私にとって、かけがえのない場所になりました。彗くんとは遠距離恋愛という形になったけど……それでも、永遠に忘れられない、とても大切で、沢山の思い出が詰まった、宝物になりました。

今は自分の家にいるからどうなっているか分からないけど、また私は行くんだ。そして私は笑顔に満ち溢れた顔でこう言うんだ。

ただいま―って。

ーENDー
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