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本編

冒険者

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「…お、あの時は殺すだけだったからあんま周りは見てなかったが結構良さげだな。なんなら、このまま住めるかもしれないぞ」

『容姿変化』

「こんな所に住もうとかやばいだろ…てか、お前は瘴気を受けて大丈夫なのかよ」

「瘴気?なんだそれ」

「あー、大丈夫そうだな。なんでもない」

「そうか。んじゃ、取り敢えずはここで住むとして、それでもやっぱ雨風凌げる家は欲しいんだよな。だから、取り敢えずは洞窟に住むとして、今後はこの地上部分を開拓していこうか。取り敢えず必要のない物は潰していこう」

「見張り台は一つだけ残しておけ。周囲の索敵を楽にする為に」

「分かった」

んじゃ、後の3本は必要ないし壊す。

「ん?ドロップアイテム?」

「…あー、もしかして半迷宮化してるかもしれんな」

「迷宮化?」

「瘴気溜りに迷宮は出来るんだが、この間まで魔物が居ただろ?あれが瘴気を生み出しているからここら辺が擬似的な瘴気溜りになった可能性がある。しかも、魔物の死体は時間が経てば瘴気に分解されるからな」

「なるほど。つまり、ここは迷宮になっていっていると…」

「ま、正確にはダンジョンなんだろうけどな」

「ダンジョンか…どっかで聞いたことのあるようなないような…」

「ダンジョンコアを壊すまで魔物をダンジョン内に生み出してくる厄介な物だ」

「ああ、そういう…だが、ダンジョンや迷宮ってのは物資が豊富なんじゃなかったか?」

「確かに豊富だが…大丈夫か?スタンピードなんてのが起きたらここ潰れるかもしれないぞ」

「その前に全員倒せば問題ないだろ。…さてと、こんだけドロップアイテムで木材が手に入るのならこのまま家を建てるか」

「…なんでお前建築出来るんだ?」

「え?木造建築に至っては1度見た事があるから構造は知ってるぞ?」

「ん?洋風は?」

「あれは壁の中とか見れないから知らん」

「どんな記憶力してんだよ…てか、それじゃあ釘は必要なんじゃないか?」

「あそこには使われてなかったから大丈夫だろ」

「ふーん…てか、早いな?」

「まあ、一人暮らし用だから取り敢えずこんくらいで良いだろ」

「そりゃそうだが…」

「…誰だ、出て来ないのなら敵とみなすぞ」

「…」

«出てこないな。人じゃないんじゃないか?»

«いや、間違いなく人だった。一瞬だったがちゃんと確認出来たからな»

「10秒待ってやる。その間にここから去るかこっちに出てくるか…考えておけ」

«…お、逃げてるぞ»

「…1人だけ残ってるな。そこの木の裏でなにをコソコソとしているのか知らんが、10秒たったからこっちも仕掛けるぞ」

『一閃』

«まーた短縮したのか»

«無詠唱は戦闘用としておこうと思ってな»

「…逃げたな」

«おわなくて良いのか?»

「面倒だし良い。それより、家も出来たことだから魔法の練習をしようか。
てかさ、魔法って
火・水・風・土・治癒
しか取ってないがそれで全部なのか?」

「いや、魔術師の条件は基礎属性の取得だから違うな。
この後進化する魔法使いなら、この4つの他に、
雷・氷・結界も必要になる。
んで、最終進化の賢者だと、
光・闇・無・特殊の4つが必要になるな」

「特殊ってのは?」

「1つ獲得すれば後は全部使えるようになるぞ?例えば、毒とかだな」

「なるほど。属性に分類されない魔法のことを特殊って指しているのか」

「ま、属性に至っては敵を倒せば獲得出来るから別に良いだろ」

「それもそうだな…ん?だが、それなら結界とかはどうやって入手するんだ?あと、この前言ってた空間ってのは?」

「空間は特殊属性だな。結界は…まあ、使えるやつを見つけたら良いんじゃないか?」

「適当だな…ん?また誰か来たようだな」

«…この前のギルマスの気配じゃないか?あれは»

«…面倒事の予感しかしない»

«あ、そうだ。結界の取得方法なんだが、普通に魔力壁の上位互換みたいだから魔力壁を半球状態に出したら結界が覚えられるかもしれないぞ»

『魔力壁』

「…初めてやったがこんな感じか?」

『結界魔法を覚えました。』

お、ちゃんと入手できたな。

『侵入阻害結界』

「…さてと、それじゃあどうするか…」

«気休め程度だろあれは»

«逆に聞くが、あの化け物級に結界張って効くと思うか?»

«効かないだろうな»

«ま、結界壊したら侵入者として扱えるから犯罪にならないだろ?だから、それを利用して入ってきたやつを殺してスキルを入手…って感じだな»

«ギルマスがそれを易々とさせるかどうかだがな»

「無理ならスピードで勝負するだけだ」

«ま、バカか脳筋以外ならそんな無防備に破壊なんてしてこないだろ»

「…なぁ、そういや1つ気になったことがあるんだが、聞いてもいいか?」

«なんだ?»

「いやさ、冒険者ギルドの…特に、この街のギルドってさ、会議開く時は副ギルド長が必ず出るんだよ。だから…俺、これ聞いた時思ったことあるんだ。ギルドの知恵を担ってるのは副ギルド長なんじゃないかって…」

«い、いや…きっとギルマスも多少は…»

「ドゴォンッ…さて、報告にあったのはここか?」

«なぁ…俺さ、さっきの予想当たってたと思うんだが、お前はどう思う?»

«ああ、俺もそう思うな。まさか、真正面から叩き割ってくるとは思わなかった…
あ、そういやお前、少女の姿してるなら口調も変えておけよ。姿が女性になってるから声帯も女性になってるが口調までそれだと流石にまずいぞ»

«う、うーん…それもそうか»

「侵入者…貴方達は敵ですか?」

「うん?嬢ちゃん、ここは危ないからこっちへ来るんだ」

「私の家に何の用ですか?侵入者ならば…敵とみなします」

「ん?嬢ちゃんはここに住んでるのか?」

「早く出ていってくれませんか?それとも、もう撃退しても良いですか?10秒だけ待ちます。
10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0…攻撃を開始します」

«ザシュッ…まずは1人、全部で5人だから後4人だな»

«一閃で1人は持っていけたが…他のパーティ分の攻撃はギルマスに防がれたな。対策されそうだが…»

«まあ、こっちは幾らでも攻撃できるからな»
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