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「さてと…取り敢えず、誤解を解かないといけないわね。
まず、捕虜奴隷や悪魔契約を結んでいるとは言え、私には彼を殺す意思は彼が裏切らない限りはないわ」

「ほ、本当ですか?」

「ええ、私の大切な仲間だもの。なんなら、近々強化も入れるしね。
それに…彼がいないと、私の周りって地位やお金目当てで付き合いをする人達しか居なくて信用出来る相手が居ないのよ」

「え…そ、それは…」

「普通ならそうはならないわ。でもね…私の地位的にもそうなるのが必然なのよ。だから、私の方も誰も信用してないし、信用しようともしてないわ。諦めているもの」

「そんな…」

「ま、別にいいのよ。もう、慣れっこだしね…さ、それじゃあ誤解も解けた事だし…そうね、まずは収入源が必要ね。私の収入だけで4人分くらいなら養えるでしょうけど…」

「俺もこの前冒険者登録したから大丈夫だろ」

「まあ、そうね。それでも、死んだらそこでおしまいなのよね」

「そりゃそうだが…だが、冒険者ならそれくらいの覚悟がなきゃ生きてけねぇぞ」

「…貴方がそれでいいなら良いわ。それじゃ、私は暫くは部屋に篭もるから自由にしてちょうだい」

「?あ、ああ」

さて…作るのは何がいいかな。貴婦人とかならシャンプーやリンス、他には石鹸、服…平民ならそこに農作物とかも欲しいけど、今回は農作物はパスだね。
次に、冒険者。こっちは装備品が定番だけど、ポーションとかも良さそう。怪我をすることが多い稼業だから、ポーションは必須アイテムと言われている程に…
そして、ポーションはHPポーション、MPポーションの他にも、解呪、再生、解毒…状態異常を全て治す上位薬やあらゆる物を治すエリクサーなんてのもある。
エリクサーは念の為に3本、他は取り敢えず上位は10、下位は100本ずつでいいかな。
あとは…うーん、貴族なら何がいいとかありそうだけど…わたし的に、貴族には売りたくない。つまり、冒険者や平民専門店となる商会を…うん、大丈夫そうかな。幸い、素材さえあればなんでも出来るっぽいし…
ただし、持続するもの…装備類とかの効果はあまり強すぎる物は作らないように…って感じかな。

「さて、作っていきますか」

«グルル?»

「…ああ、そういえばヴィランも錬金術使えたわね。一緒にお願いできるかしら」

«グルル♪»

「さてさて、どれくらい稼げるかしら」

そうねぇ…取り敢えず、装備類の効果は基本的に無しで、私がこの人にならばと思った場合のみ、効果のあるものを渡そうかしらね。

「…まあ、当分はないでしょうけど」
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