16 / 92
風が呼び
草原からはじまる
しおりを挟む
ラトスは、もう一度白い柱にふれてみた。
手のひらに、振動が伝わってくる。同時に、風のようなささやき声が、聞こえてきた。
頭の中に、別の光景が映しだされていく。今度は、石窟の中をのぞいているような感覚になった。光っている杭のようなものも見える。
ラトスは、手をはなした。
手のひらから振動は消えて、頭の中に映しだされていた光景も消えていった。
石室からここに来るときも、この洞窟の中の光景が見えていた。やはり、この柱は、移動するための道具なのだろう。柱を使えば、また石室に戻れるのかもしれないと、ラトスは考えた。
石室にいた時に見た光景がここだとすれば、草原のような場所もあるはずだ。ラトスは、辺りを見回してみた。しかし、草原も、洞窟の出口も近くにはないようだった。
気付けば、メリーの姿もない。
理解のおよばないことが立てつづけに起こっていたので、一瞬、ラトスはぞくりとした。しかし、すぐに安心した。少しはなれたところで、足音がしたのだ。メリーだろう。彼は、小さく息を吐きだした。
「あ、ラトスさん。あそこ、あそこに光が見えます!」
メリーの声が、反響して聞こえきた。
この洞窟のどこかに、通路があるのだろう。いつの間にかメリーは、先のほうまで歩いて行ったようだった。
「あれ? ラトスさん?」
「ここにいる」
「まだそこにいたんですか? 早く行きましょうよ!」
「……そうだな」
ラトスは、もう一度小さく息を吐きだした。
今さら呆れても、仕方がない。ラトスは、メリーの声を追いかけるようにして、洞窟を歩きだした。
洞窟内は少し水気があり、すべりやすくなっていた。
比較的平坦で、なめらかな地面だったのは、幸いだった。もし、強い勾配や凸凹があれば、道具なしでは歩けないだろう。
最初は自然の洞窟かと思ったが、やはり普通の場所ではないのかもしれない。
かと言って、人の手によって造られたような感じもしなかった。
どこもかしこも、全体的におかしい。
「メリーさん、あまり先には行かないでくれよ」
「え?」
「こんな異常な場所、俺はすぐに対処していける自信が、まだない」
「確かに不思議ですね!」
能天気な黄色い声で、メリーは楽しそうに言った。
彼女の様子に、ラトスは少し肩を落とした。だが、今はやはりこれくらいのほうがいいのかもしれないと、思いもした。視界と共に、心まで色褪せているラトスにとっては、気をまぎらわせるのに役に立つ。
「まあ……いいか」
「なにがです?」
「いいや。なんでも」
ラトスは、小さく頭をふってメリーに答えた。
歩く先に目を向けると、小さな光が見えていた。外の光だろうか。ラトスは、額に手をかざしてみた。かすかに、風が流れてくるのを感じる。メリーも空気の流れを感じたようだ。明るい声を上げて、光のほうを指差した。
二人は足元に気を配りながら、ゆっくりと歩いて行った。メリーは数度、水気を多くふくんだ地面に足を取られていた。平坦な道なので、足をすべらせても滑落することはないだろう。だが、メリーは何度も大きな悲鳴を上げて、足をふるわせていた。その様子は、道化を見ているようで少し面白いものがあった。
やがて光は大きくなり、外の景色が見えてくる。
「うわあ!」
メリーは、ラトスの隣で大きな声を上げた。能天気な気持ちをおさえられなくなったようだ。彼女は、少しずつ歩く速度を上げていく。
ラトスは速度を落として、彼女が歩いていく先を見た。
洞窟の中からのぞいた外の世界は、緑一色だった。外から、ゆるやかに風が流れこむ。ふわりと草の香りがして、ラトスは息を大きく吸い込んだ。
先を行くメリーは、とうとう走り出していた。何度か足をすべらせながらも、洞窟から飛び出していく。
彼女が飛び出していく先をしばらく見て、ラトスは違和感を感じた。
外から飛び込んでくる緑が、とてもあざやかに見えたのだ。
多くの者は、そこに違和感などないだろう。だが、ラトスは、妹を失ってから、視界から色がほとんど抜け落ちていた。わずかにしか色が識別できないのだ。だが、今ははっきりと、洞窟の外にあざやかな緑が広がっているのが分かった。
「すごいです!」
あまり先に行かないでくれと言ったばかりだったが、メリーは何も覚えていないのだろう。黄色い声が、洞窟の外から聞こえてきた。仕方なく、ラトスも洞窟から出ようと、足早に進む。ラトスをつつむ洞窟の中の冷えた空気が、次第に、外のあたたかな空気に入れ替わっていくのを感じた。
「ラトスさん。遅いですよ!」
「分かったよ」
「見てください! あれ!」
洞窟から顔を出したラトスを、メリーが出迎えた。
彼女は、さっとラトスの隣に立って、大げさに手を広げながら外の景色を見せた。そのしぐさに、ラトスはにがい顔をした。
だが、にがい顔をしたのは一瞬だった。二人の前に現れたその景色を見て、ラトスは大きく目を見開いた。
それは圧倒的だった。
石室から洞窟に来る前に、白い柱が、頭の中に見せた光景が広がっている。事前の知識のおかげで、草原のようなものがあるのだろうということは分かっていた。だが、眼前に広がるそれは、ただの草原ではなかった。今までに見たことがないほど、無限に広がる大草原がそこにあったのだ。
黄色と緑色の光が、混ざりあって、おどっている。
美しい草原にあふれた光と、澄み切った青い空が、ラトスの目を強く刺激した。
これはどういうことなのだろう?
ラトスは、小さく首をかしげた。かしげながら、メリーのほうを横目に見たが、メリーの姿だけは、やはり色褪せて見えた。
色あざやかな草原と、色褪せたままのメリーを、ラトスは何度か見比べた。
色が見えるようになった、というわけではないらしい。あまりに不思議な状況に、ラトスは困惑した。だが、それ以上深く考えるのは止めた。
そして、ラトスは目の前に広がる美しい大草原に、もう一度目を向けた。
草原のここそこには、なだらかな丘がいくつも見えた。はるか先の地平線をながめてみたが、そこには、山も海もないようだった。
風がゆるやかに吹きこんで、草原を波立たせている。まるで、緑色の海の上に立っているようだった。あまりに異様で幻想的な風景に、ラトスは心をふるわせるのだった。
だが、幻想的というだけでは、済ませられないこともあった。
それこそが、メリーが驚いて、最初に指差したものだった。ラトスもそれを見た瞬間、目と口を大きく開けることしかできなかった。
空に、山のように巨大な岩が、浮かび上がっていたのだ。
それはひとつだけではない。
いくらかの間隔をあけて、巨大な岩山が無数に浮かび上がっていた。岩山の大きさや形はそれぞれ異なっていた。どの岩山も、よく見ると、ゆっくりと上下している。目の錯覚で、浮かんでいるように見える、というわけではないようだった。
二人はしばらくの間、その景色をながめていた。
時間が経てば経つほど、言葉が出なくなった。先ほどまでさわいでいたメリーも、静かになっている。現実的ではない光景を見て、目も口も大きく開けたままだ。
ふと、遠くのほうで、いびつな形をした岩山が、ゆっくりと上昇していた。
いびつな岩山は、徐々に高度を上げているようだった。そのうちに、周りの、どの岩山よりも高く昇っていく。上昇の速度はゆるまらず、そのまま空に飛んでいった。
やがて、いびつな岩山は、見えなくなり、空に溶けた。
またしばらくながめていると、別の場所で、小さな丸い岩が草原の中から生まれた。
わずかに大地が盛り上がり、ふわりと浮かび上がる。
盛り上がった大地には、小さな塔があった。よく見ると、浮かんでいるすべての巨大な岩山の真下には、小さな丘があるようだった。そして、どの丘の頂上にも、小さな円錐状の塔が建っていた。
「夢でも見ているのか」
ラトスは小さく声をこぼした。隣にいたメリーも小さくうなずいた。全部夢かもしれないですねと言って、口を開けながら、無数に浮いている巨大な岩山をながめていた。
すると、すぐ近くで、草原をかき分ける音がした。
それは、風が草原をなでる音とは違った。不規則に音をたてながら、ゆっくりと二人に近付いてきていた。メリーが一歩後ろに下がって、草が鳴る方向を見る。ラトスは、腰の短剣に手をかけた。上体を下げながら、草が鳴る方向をにらむ。
手のひらに、振動が伝わってくる。同時に、風のようなささやき声が、聞こえてきた。
頭の中に、別の光景が映しだされていく。今度は、石窟の中をのぞいているような感覚になった。光っている杭のようなものも見える。
ラトスは、手をはなした。
手のひらから振動は消えて、頭の中に映しだされていた光景も消えていった。
石室からここに来るときも、この洞窟の中の光景が見えていた。やはり、この柱は、移動するための道具なのだろう。柱を使えば、また石室に戻れるのかもしれないと、ラトスは考えた。
石室にいた時に見た光景がここだとすれば、草原のような場所もあるはずだ。ラトスは、辺りを見回してみた。しかし、草原も、洞窟の出口も近くにはないようだった。
気付けば、メリーの姿もない。
理解のおよばないことが立てつづけに起こっていたので、一瞬、ラトスはぞくりとした。しかし、すぐに安心した。少しはなれたところで、足音がしたのだ。メリーだろう。彼は、小さく息を吐きだした。
「あ、ラトスさん。あそこ、あそこに光が見えます!」
メリーの声が、反響して聞こえきた。
この洞窟のどこかに、通路があるのだろう。いつの間にかメリーは、先のほうまで歩いて行ったようだった。
「あれ? ラトスさん?」
「ここにいる」
「まだそこにいたんですか? 早く行きましょうよ!」
「……そうだな」
ラトスは、もう一度小さく息を吐きだした。
今さら呆れても、仕方がない。ラトスは、メリーの声を追いかけるようにして、洞窟を歩きだした。
洞窟内は少し水気があり、すべりやすくなっていた。
比較的平坦で、なめらかな地面だったのは、幸いだった。もし、強い勾配や凸凹があれば、道具なしでは歩けないだろう。
最初は自然の洞窟かと思ったが、やはり普通の場所ではないのかもしれない。
かと言って、人の手によって造られたような感じもしなかった。
どこもかしこも、全体的におかしい。
「メリーさん、あまり先には行かないでくれよ」
「え?」
「こんな異常な場所、俺はすぐに対処していける自信が、まだない」
「確かに不思議ですね!」
能天気な黄色い声で、メリーは楽しそうに言った。
彼女の様子に、ラトスは少し肩を落とした。だが、今はやはりこれくらいのほうがいいのかもしれないと、思いもした。視界と共に、心まで色褪せているラトスにとっては、気をまぎらわせるのに役に立つ。
「まあ……いいか」
「なにがです?」
「いいや。なんでも」
ラトスは、小さく頭をふってメリーに答えた。
歩く先に目を向けると、小さな光が見えていた。外の光だろうか。ラトスは、額に手をかざしてみた。かすかに、風が流れてくるのを感じる。メリーも空気の流れを感じたようだ。明るい声を上げて、光のほうを指差した。
二人は足元に気を配りながら、ゆっくりと歩いて行った。メリーは数度、水気を多くふくんだ地面に足を取られていた。平坦な道なので、足をすべらせても滑落することはないだろう。だが、メリーは何度も大きな悲鳴を上げて、足をふるわせていた。その様子は、道化を見ているようで少し面白いものがあった。
やがて光は大きくなり、外の景色が見えてくる。
「うわあ!」
メリーは、ラトスの隣で大きな声を上げた。能天気な気持ちをおさえられなくなったようだ。彼女は、少しずつ歩く速度を上げていく。
ラトスは速度を落として、彼女が歩いていく先を見た。
洞窟の中からのぞいた外の世界は、緑一色だった。外から、ゆるやかに風が流れこむ。ふわりと草の香りがして、ラトスは息を大きく吸い込んだ。
先を行くメリーは、とうとう走り出していた。何度か足をすべらせながらも、洞窟から飛び出していく。
彼女が飛び出していく先をしばらく見て、ラトスは違和感を感じた。
外から飛び込んでくる緑が、とてもあざやかに見えたのだ。
多くの者は、そこに違和感などないだろう。だが、ラトスは、妹を失ってから、視界から色がほとんど抜け落ちていた。わずかにしか色が識別できないのだ。だが、今ははっきりと、洞窟の外にあざやかな緑が広がっているのが分かった。
「すごいです!」
あまり先に行かないでくれと言ったばかりだったが、メリーは何も覚えていないのだろう。黄色い声が、洞窟の外から聞こえてきた。仕方なく、ラトスも洞窟から出ようと、足早に進む。ラトスをつつむ洞窟の中の冷えた空気が、次第に、外のあたたかな空気に入れ替わっていくのを感じた。
「ラトスさん。遅いですよ!」
「分かったよ」
「見てください! あれ!」
洞窟から顔を出したラトスを、メリーが出迎えた。
彼女は、さっとラトスの隣に立って、大げさに手を広げながら外の景色を見せた。そのしぐさに、ラトスはにがい顔をした。
だが、にがい顔をしたのは一瞬だった。二人の前に現れたその景色を見て、ラトスは大きく目を見開いた。
それは圧倒的だった。
石室から洞窟に来る前に、白い柱が、頭の中に見せた光景が広がっている。事前の知識のおかげで、草原のようなものがあるのだろうということは分かっていた。だが、眼前に広がるそれは、ただの草原ではなかった。今までに見たことがないほど、無限に広がる大草原がそこにあったのだ。
黄色と緑色の光が、混ざりあって、おどっている。
美しい草原にあふれた光と、澄み切った青い空が、ラトスの目を強く刺激した。
これはどういうことなのだろう?
ラトスは、小さく首をかしげた。かしげながら、メリーのほうを横目に見たが、メリーの姿だけは、やはり色褪せて見えた。
色あざやかな草原と、色褪せたままのメリーを、ラトスは何度か見比べた。
色が見えるようになった、というわけではないらしい。あまりに不思議な状況に、ラトスは困惑した。だが、それ以上深く考えるのは止めた。
そして、ラトスは目の前に広がる美しい大草原に、もう一度目を向けた。
草原のここそこには、なだらかな丘がいくつも見えた。はるか先の地平線をながめてみたが、そこには、山も海もないようだった。
風がゆるやかに吹きこんで、草原を波立たせている。まるで、緑色の海の上に立っているようだった。あまりに異様で幻想的な風景に、ラトスは心をふるわせるのだった。
だが、幻想的というだけでは、済ませられないこともあった。
それこそが、メリーが驚いて、最初に指差したものだった。ラトスもそれを見た瞬間、目と口を大きく開けることしかできなかった。
空に、山のように巨大な岩が、浮かび上がっていたのだ。
それはひとつだけではない。
いくらかの間隔をあけて、巨大な岩山が無数に浮かび上がっていた。岩山の大きさや形はそれぞれ異なっていた。どの岩山も、よく見ると、ゆっくりと上下している。目の錯覚で、浮かんでいるように見える、というわけではないようだった。
二人はしばらくの間、その景色をながめていた。
時間が経てば経つほど、言葉が出なくなった。先ほどまでさわいでいたメリーも、静かになっている。現実的ではない光景を見て、目も口も大きく開けたままだ。
ふと、遠くのほうで、いびつな形をした岩山が、ゆっくりと上昇していた。
いびつな岩山は、徐々に高度を上げているようだった。そのうちに、周りの、どの岩山よりも高く昇っていく。上昇の速度はゆるまらず、そのまま空に飛んでいった。
やがて、いびつな岩山は、見えなくなり、空に溶けた。
またしばらくながめていると、別の場所で、小さな丸い岩が草原の中から生まれた。
わずかに大地が盛り上がり、ふわりと浮かび上がる。
盛り上がった大地には、小さな塔があった。よく見ると、浮かんでいるすべての巨大な岩山の真下には、小さな丘があるようだった。そして、どの丘の頂上にも、小さな円錐状の塔が建っていた。
「夢でも見ているのか」
ラトスは小さく声をこぼした。隣にいたメリーも小さくうなずいた。全部夢かもしれないですねと言って、口を開けながら、無数に浮いている巨大な岩山をながめていた。
すると、すぐ近くで、草原をかき分ける音がした。
それは、風が草原をなでる音とは違った。不規則に音をたてながら、ゆっくりと二人に近付いてきていた。メリーが一歩後ろに下がって、草が鳴る方向を見る。ラトスは、腰の短剣に手をかけた。上体を下げながら、草が鳴る方向をにらむ。
0
あなたにおすすめの小説
「貧相な小娘」と罵った第一王子へ。番(つがい)は貴方ではなく、国王陛下(お父様)でした
しえろ あい
恋愛
「お父様、わたくし、あの方と目が合った瞬間、分かってしまったのです」
十六歳のデビュタントの夜、ルーセント侯爵令嬢フェリシアを待っていたのは、残酷な罵倒だった。第一王子カシウスは、可憐な白いドレスを纏った彼女を「貧相な小娘」と呼び、己の番(つがい)であることを真っ向から否定する。
会場に響く冷笑と、愛用の刺繍に込めた自信さえ打ち砕くような屈辱。しかし、絶望の淵に立たされた彼女を見つめていたのは、王子ではなく、圧倒的な威厳を放つ「ある男」だった。
魂を焦がすような熱い視線が重なり、静まり返る謁見の間。この出会いが、王室を揺るがす大事件の幕開けになるとは、まだ誰も知らない。自身の価値を否定された少女が、真実の愛によって世界で最も幸福な王妃へと駆け上がる、逆転溺愛ストーリー。
※小説家になろう様にも投稿しています※
辺境追放された「植物魔導師」の領地開拓 ~枯れ果てた死の大地は、俺の魔力で聖域(楽園)へと変貌する~
リーフレット
ファンタジー
「植物魔法? ああ、農作業にしか使えないあの地味な魔法か」
帝国騎士団の専属魔導師だったアルトは、無能な二世皇太子レオンによって、一方的に追放を言い渡された。
アルトがどれほど魔導植物を駆使し、帝国の食糧難を裏から支えていたかを知らぬまま、彼は「戦闘に役立たない役立たず」という烙印を押されたのだ。
帝国を出て行き着いた先は、魔物が跋扈し、草一本生えないと言われる最果ての荒野。
死を待つだけの地。しかし、アルトは絶望するどころか、晴れやかな顔で笑っていた。
「やっと、気兼ねなく『植物』を愛でられる。……よし、ここを世界一の庭(楽園)にしよう」
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
(完結)姑が勝手に連れてきた第二夫人が身籠ったようですが、夫は恐らく……
泉花ゆき
恋愛
蘭珠(ランジュ)が名門である凌家の嫡男、涼珩(リャンハン)に嫁いで一年ほど経ったころ。
一向に後継ぎが出来ないことに業を煮やした夫の母親は、どこからか第二夫人として一人の女性を屋敷へ連れてくる。
やがてその女が「子が出来た」と告げると、姑も夫も大喜び。
蘭珠の実家が商いで傾いたことを口実に、彼女には離縁が言い渡される。
……けれど、蘭珠は知っていた。
夫の涼珩が、「男女が同じ寝台で眠るだけで子ができる」と本気で信じているほど無知だということを。
どんなトラブルが待っているか分からないし、離縁は望むところ。
嫁ぐ時に用意した大量の持参金は、もちろん引き上げさせていただきます。
※ゆるゆる設定です
※以前上げていた作の設定、展開を改稿しています
【完結】小さな元大賢者の幸せ騎士団大作戦〜ひとりは寂しいからみんなで幸せ目指します〜
るあか
ファンタジー
僕はフィル・ガーネット5歳。田舎のガーネット領の領主の息子だ。
でも、ただの5歳児ではない。前世は別の世界で“大賢者”という称号を持つ大魔道士。そのまた前世は日本という島国で“独身貴族”の称号を持つ者だった。
どちらも決して不自由な生活ではなかったのだが、特に大賢者はその力が強すぎたために側に寄る者は誰もおらず、寂しく孤独死をした。
そんな僕はメイドのレベッカと近所の森を散歩中に“根無し草の鬼族のおじさん”を拾う。彼との出会いをきっかけに、ガーネット領にはなかった“騎士団”の結成を目指す事に。
家族や領民のみんなで幸せになる事を夢見て、元大賢者の5歳の僕の幸せ騎士団大作戦が幕を開ける。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
夫と愛し合った翌朝、一方的に離縁されました【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
美しい公爵夫人マルグリートは、冷徹な夫ディートリヒと共に、王国の裏で密かに任務をこなす“悪女”。
だがある日、突然夫から離婚を言い渡される。しかもその裏には、平民の愛人の存在が──。
失意の中、王命で新たな婚約者・エルンストと結ばれることに。
どうやら今回の離婚再婚は、王家の陰謀があるよう。
「悪女に、遠慮はいらない」
そう決意した彼女は、華やかな舞踏会で王に真っ向から言い放つ。
「わたくし、人の家庭を壊しておきながら悪びれない方に、下げる頭は持っていませんの。
王族であられる前に、人におなりくださいませ。……失礼」
愛も、誇りも奪われたなら──
今度はこの手で、すべてを取り戻すだけ。
裏切りに燃える、痛快リベンジ・ロマンス!
⚠️本作は AI の生成した文章を一部に使っています。タイトル変えました。コメディーです。主人公は悪女です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる