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17 Q&A
しおりを挟むストーリーの裏の色々。
Q1、『結局、第二王妃は何がしたかったの? 悪い人だったの?』
A1、『第二王妃様はある意味可哀想な人でした。悪い人ではありませんよ。まず、国王アレックスは、シルヴィアが一番大切でした。第一王妃も第二王妃の事もアレックスは愛していましたし、王妃としては扱ってはいましたが、不幸にも病気のせいで第二王妃の子供を作ってあげられなくなったんですね。
病気の事は親友のフレデリック以外には誰にも話せずにいましたし、そのせいでアレックスは後ろめたい気持ちがあったんですね。その気持ちや行動が第二王妃を不安にさせたんです。
王妃達の仲も、シルヴィアとの仲もとっても良好で、お茶会好きな第二王妃は、よくシルヴィアや第一妃とお喋りもしていました。お茶会の席で、第二王妃はシルヴィアに遠縁の男爵家のゴラムがシルヴィアに恋をしているのを知っていましたので、それを伝え続けました。シルヴィアもずっとゴラムの話をされたので、絆されてしまったというか、最終的にはシルヴィアがゴラムとの婚姻を望んでしまったんです。
第二王妃の不義は、本人も気づいていますよ。たった一回、不安な時に間違いを犯してしまったんですね。シルヴィアとの妊娠が重なったのは全くの偶然です。
第二王妃は、重身の状態でもお茶会でお腹の子供の事を話していたのは、バレた時の不安からですね。彼女は妊娠中も不安から食事も喉を通らない程に精神的にまいっていました。出産後の肥立ちの悪さで命を落としてしまったのはそんな理由からですね。』
Q2、『シルヴィアはゴラムと結婚して幸せだったの?』
A2『最初は幸せでしたが、自由人なので大公女として狭苦しい思いはしていたでしょうね。ゴラムとの初夜は最悪で辛い痛いキツい状態でした。その一回で妊娠できたシルヴィアは安心したのですが、ゴラムは不満でした。』
Q3、『ゴラムは何で浮気したの?』
A3、『Q2で答えた通り、ゴラムは不満だらけでした。大公女に入婿したのだから自分が公爵にでもなったと思っていたんでしょうね。実際は爵位は変わってはいませんでしたが、公爵家での生活保証は王家からの配当金に含まれていました。ゴラム自身には十分な配当金ですよ。ゴラムはそのお金で娼婦に通いました。初夜以降相手をしてくれないシルヴィアに不満だらけでしたしね。ゴラムはマローナに篭絡させられちゃったんですね』
Q4、『マローナの事を教えて』
A4、『本編でほとんど語りましたが、マローナはゴラムが公爵位だと思っていました。だから、ゴラムにシルヴィアを殺すように仕向けたんですね。マローナは娼婦として他国の貴族のお得意がおりましたから、マローナと他国の貴族とゴラムの共犯とも言えますね。
その貴族は、馬車を襲う賊を自国を経由してマローナに貸しました。それをゴラムとマローナはアリバイを作りつつも、シルヴィアを襲わせます。賊とゴラムだけを調べても何も出てこないわけです。
マローナは公爵家の乗っ取りを考えます。3年前に産まれた子供は、都合よくゴラムと同じ髪色でしたから、責任をとるように言ったんですね。この時点でゴラムはマローナに逆らえませんでしたから。』
Q5、『マリアの事を教えて』
A5、『マリアは転生者ですね。ですが、テュティリアと同じ次元の転生者かは不明です。マリアはこの国の名前や自分の名前、両親や姉の名前がとある『乙女ゲーム』の世界と一致していて、自分がヒロインだと思い込んでいました。ここはテュティリアと同じですね。ですが彼女は、ヒロインだからと自分が世界の中心だと思い込むタイプのお花畑系ヒロインです。ゲームのマリアは、テュティリアのドレスを盗んだりはしませんでしたし、両親に逆らえないもっとおとなしい子でした。両親に虐待される予定でした。
ゲーム本来のように振る舞って居れば、処刑されるまでは行かず、グリード王子との真実の愛の元、別の爵位と共に幸せになれる未来もありましたが……』
Q6、『マリアが主人公の乙女ゲームの話を教えて』
A6『長くなるので、グリードルートのみで。
主人公マリアは、4歳で公爵家に連れて来られます。紹介された姉テュティリアは冷たくマリアを突き放します。今まで優しかった両親は、人が変わったように傲慢になり、嫌がるマリアにテュティリアに贈られたドレスを着せました。そこをたまたまテュティリアに見られて意地悪をされます。両親の言うことを断り続けていると虐待されるようになります。テュティリアにも意地悪をされてしまいます。この生活が10年続きました。泣いている所を、テュティリアの婚約者であるグリードに見つかり、グリードはマリアを心配して公爵家に通う回数を増やします。3年間マリアを励まし続けましたが、ある日、グリードがマリアに贈った髪飾りをテュティリアに壊されてしまいます。それを知ったグリードは、マリアの不遇を嘆き、ゴラムとマローナの罪を断罪し、テュティリアにはお茶会にて婚約破棄をつきつけます。
※ゲームでのグリードは、テュティリアが王族の血を継いでいる事を知っています。
グリードは、自分の王位継承権を捨ててでも、マリアとの真実の愛を貫きます。国王はそれに感銘を受けて、グリードに伯爵家の位を贈ってエンディングです。エンディング後、テュティリアは自分の身を渓谷に身投げしてしまいます。
これが、マリアのゲームでの本当の道筋ですが、転生したマリアは両親に嫌われないように振る舞ってしまったので、テュティリアは離宮に移されてしまい、13年間、出会う事は出来なくなりました。それに、両親に嫌われなかったマリアをマローナは可愛がり、将来第二王子グリードと結婚するテュティリアを邪魔に思ってしまって強い魔物の毒を盛ったんですね。マリアとゴラムはマローナがテュティリアに毒を盛っていることは知りませんでした。テュティリアとマリアの地位をすげ替えることも考えたんですね』
Q7、『テュティリアが国王に助けを求めなかったのは何故?』
A7、『テュティリアが叔父に助けを求めなかった理由はやっぱりゲーム開始を望んでいたからです。前世の記憶含んで話していたら、少しは違った未来にもなったでしょうが、王族の枠からは結局解放されませんでした。それに、国王は過保護でしたので、テュティリアを渓谷に行かせない手段すら行っていた可能性もあったでしょうね。』
☆
以上で終了です。最後までありがとうございました。次の作品でもお会いしましょう!
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