人魚姫とよばれた美少女は、王子様を助けた為に魔女にゴブリンにされましたが全く問題ありません

ハートリオ

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第一章

1の50 護衛騎士の証言

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「‥‥え、あ、」



突然、絶世の美少女(シレーヌ)に見つめられ、声を掛けられて戸惑う護衛騎士を遮る様に第二王子が口を開く。



「‥‥あぁ、そう言えばお前はボニート王国に縁があったな!
確か母君がボニート王国出身だったか‥‥
だがシレーヌ姫、何故それを?
君はここへ着いたばかりそれとも私の知らない所で彼と何か関りでも!?」



後半、声が剣呑に、早口になっていく第二王子。

シレーヌはそんな第二王子に気持ち悪さを感じながら説明する。



「いいえ、私はこの国の誰とも関りなどございません。
私はこれまで島を出た事はありませんもの。
ただ、ラメール王国に外国の方が訪れる事は多かったのです。
ボニート王国の方も何度も訪れになりました。
その時いらした方々とそちらの騎士様が似ている様に思いましたので。
紺色の瞳に、銀髪に縞模様の様に紺色のメッシュが入っている髪など‥‥
あ、騎士様、不躾に、ジロジロ見てしまってごめんなさい‥‥」

「‥‥(ドキッ!)
い、いえ、そん‥」
「そんな事はいい!
気にしなくてよい!
が、私以外の男を見つめるのは今ので最後にしてほしい!!
‥‥いいね?」



護衛騎士の言葉をまたも遮り、気持ち悪い事を言って来る第二王子に、シレーヌは寒気を感じる。


(病的な女好きだから、子供の私にまで独占欲丸出しな事を言って来るのね。
気持ち悪い‥‥)


シレーヌが青褪めるのも気付かずに、第二王子は護衛騎士に訊ねる。



「それで?
お前は通訳についてどう思う?」



第二王子の殺気を孕んだ視線に戦慄するものの、護衛騎士は正直に答える。



「はい、実は疑問に思いました。
通訳は殿下の御言葉として、ボニート王国語で、
『未熟者のお前を大国に迎えてやった事を有難く思う様に。
自分としては大変不本意であるが、救助の褒美として仕方なくの処置である。
私の気持ちを得られるなどと努努勘違いするなよ』
と伝えました。
優秀な通訳だと聞いていたのに、何故こんな不自然な間違いをするのだろうと‥」
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