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3.家族会議を勧める男
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「・・・お母さん・・・はい、元気ですけど・・・」
けど? けど何だろう。 相変わらず性格悪い? あ、いやいや、子供にとって親はほぼ神様・・ヘタな事は言えない、言っちゃいけない・・・俺本当丸くなったな!
「モルさんにお願いするの、お母さんには内緒なんです。 お母さんは、お父さんは出稼ぎに出てるだけだから、出稼ぎ先で仕事が忙しくて帰れないだけだから、捜す必要ないって・・・でも・・」
「でも、ピコさんはそれを信じてないんだね? 信じられない理由は?」
母親が隠すって事はやっぱアレかなぁ・・・女かなぁ・・・
いや、ナノが浮気とか許すとは思えないね。 多分相手の女を殺してでも・・・
「電話です。 知らない女の人から電話があって・・・」
・・なッ!? ユニぃ・・・!? やっぱり浮気か!? 駆け落ちか!? 夫婦生活が辛過ぎたのか・・・!? いや・・もしそうだとして、だったら絶対子供を連れて行くよな・・ユニなら・・
「お父さんが出掛けてからもうすぐ3年になります。 その間1回も帰って来なかったけど・・ついこの間まではお母さんの言う事を信じていたんです。 時々プレゼントが届くから・・
でも、この間、知らない女の人から電話があって、大家さん・・あ、ウチは荒物屋さんの2階の空き部屋を借りて暮らしているんです。 だから電話は大家さんの所に掛かって来て、取り次いでもらうんです。
シティでは皆一人一台持ち運べる電話を持ってるってお父さんに聞いた事ありますけど、ここは田舎だから、家庭に一台も電話が無い家も結構あるんです。」
―― そう。 こういった田舎の村や町とシティでは、何もかもが違う。
シティはフェムト星全てにおいての中枢 ―― フェムト星を管理、運営している所。 住んでいるのも、為政者、エリート頭脳集団、経済を回す金持ち(*金持ちは殆どが由緒正しい貴族の末裔)が主で、便利で忙しい生活をしている。
ちなみに俺はシティではなくシティ圏住まい。 高校の頃はシティに住んでいたけど、そこそこ便利で少し不便なシティ圏の方が仕事的にも精神的にも都合がいいからそうしている。
それにしても3年前 ―― か。 丁度俺の人生が大きく動いた頃だ。 その同じ頃にユニにも何かが起こり、行方不明となったのか、それともやっぱり只の出稼ぎか・・
「その3年間の間に、お父さんからの電話は? 電話で話したことはある?」
「え? あー・・いいえ。 何でも電話が・・電波が? 届かない所にいるから、電話は出来ないんだそうです。」
「・・・・・・・」
ソレはおかしい。
たとえどんな田舎でも電話が通じない場所などないはずだ。
思わず眉を寄せてしまったが、ピコさんは自分が説明する内容に集中しており、俺の表情の変化には気付かずに、一生懸命説明を続ける。
「それで、大家さんに“ お母さんに電話だよ ”って言われて、お母さんが留守だから伝言を聞こうと思って私が出たんです。
そしたら、声が似てたのかその女の人が私をお母さんと間違えて、
『あぁ、ナノ? ごめん! 今回は特別だからピコちゃんの誕生日ピッタリに送ってって言われてたのに、ソレ旦那に言い忘れちゃって。
旦那は気が早いからもう発送しちゃったのよ・・もう、旦那に頼まず自分でやればよかった・・で、配送業者にもう荷物追えないって言われて、調整出来ないのよ。
誕生日は1ヶ月先でしょ? 早めに着いちゃうけど、うまくピコちゃんに誤魔化しといて! あ、じゃあ休憩終わるから、またね! ホント、ごめんね!』
・・・ってバーッと言われて、電話は切れちゃって・・ その人の番号も知らないから掛け直すことも出来なくて・・・」
「・・・荷物は? 届いた? ・・・何だった?」
何って・・・話の流れからもう分かってるけど、何となく認めたくなくて聞いてみる。
「はい・・・その二日後に届きました。 お父さんからのプレゼントでした。」
―― やっぱりか・・つまり、
「つまり、今まで届いていたお父さんからのプレゼントは、その人がお母さんに頼まれて、お父さんのフリをして送ってくれてたのかもって思って・・・」
そう言ってピコさんは俯き、黙ってしまう。
・・うん、間違いないよね。 でも、という事は、ナノはユニがどこでどうしてるかを把握してるって事だ。 行方不明なんじゃなくて、娘に知られたくない事情があって、ソレを隠す為に大芝居を打っているってワケだ・・・
「・・ピコさん、お母さんとじっくり話すのが一番じゃないかな・・」
一番・・・というかソレしかない。 ソレで解決! 実に簡単な事だよ、簡単すぎて迷っちゃったのかな、ピコさんは。 とにかく俺はもう帰らせてもら・・ハッ!
「・・ふぇ・・お母さんとは・・ヒック・・話せませ・・ヒック、ヒック・・」
アアアアアアアア! めっちゃ泣いてる!! め、面倒くさい!!
思わず天を仰いだ瞬間、バーン! とカフェのドアが勢いよく開き、血相を変えた男が飛び込んでくる。 大柄でガッシリ体型の髭モジャおじさん。 いかにも腕っぷしが強そうだね。
「テ、テ、テメエ! 俺のピコに何してやがる!? あぁっ、ピコを泣かせやがって!! テメエ、ぶっ殺してやる!!」
男はそう叫んで、本当に殺す勢いで俺に飛びかかって来た。
けど? けど何だろう。 相変わらず性格悪い? あ、いやいや、子供にとって親はほぼ神様・・ヘタな事は言えない、言っちゃいけない・・・俺本当丸くなったな!
「モルさんにお願いするの、お母さんには内緒なんです。 お母さんは、お父さんは出稼ぎに出てるだけだから、出稼ぎ先で仕事が忙しくて帰れないだけだから、捜す必要ないって・・・でも・・」
「でも、ピコさんはそれを信じてないんだね? 信じられない理由は?」
母親が隠すって事はやっぱアレかなぁ・・・女かなぁ・・・
いや、ナノが浮気とか許すとは思えないね。 多分相手の女を殺してでも・・・
「電話です。 知らない女の人から電話があって・・・」
・・なッ!? ユニぃ・・・!? やっぱり浮気か!? 駆け落ちか!? 夫婦生活が辛過ぎたのか・・・!? いや・・もしそうだとして、だったら絶対子供を連れて行くよな・・ユニなら・・
「お父さんが出掛けてからもうすぐ3年になります。 その間1回も帰って来なかったけど・・ついこの間まではお母さんの言う事を信じていたんです。 時々プレゼントが届くから・・
でも、この間、知らない女の人から電話があって、大家さん・・あ、ウチは荒物屋さんの2階の空き部屋を借りて暮らしているんです。 だから電話は大家さんの所に掛かって来て、取り次いでもらうんです。
シティでは皆一人一台持ち運べる電話を持ってるってお父さんに聞いた事ありますけど、ここは田舎だから、家庭に一台も電話が無い家も結構あるんです。」
―― そう。 こういった田舎の村や町とシティでは、何もかもが違う。
シティはフェムト星全てにおいての中枢 ―― フェムト星を管理、運営している所。 住んでいるのも、為政者、エリート頭脳集団、経済を回す金持ち(*金持ちは殆どが由緒正しい貴族の末裔)が主で、便利で忙しい生活をしている。
ちなみに俺はシティではなくシティ圏住まい。 高校の頃はシティに住んでいたけど、そこそこ便利で少し不便なシティ圏の方が仕事的にも精神的にも都合がいいからそうしている。
それにしても3年前 ―― か。 丁度俺の人生が大きく動いた頃だ。 その同じ頃にユニにも何かが起こり、行方不明となったのか、それともやっぱり只の出稼ぎか・・
「その3年間の間に、お父さんからの電話は? 電話で話したことはある?」
「え? あー・・いいえ。 何でも電話が・・電波が? 届かない所にいるから、電話は出来ないんだそうです。」
「・・・・・・・」
ソレはおかしい。
たとえどんな田舎でも電話が通じない場所などないはずだ。
思わず眉を寄せてしまったが、ピコさんは自分が説明する内容に集中しており、俺の表情の変化には気付かずに、一生懸命説明を続ける。
「それで、大家さんに“ お母さんに電話だよ ”って言われて、お母さんが留守だから伝言を聞こうと思って私が出たんです。
そしたら、声が似てたのかその女の人が私をお母さんと間違えて、
『あぁ、ナノ? ごめん! 今回は特別だからピコちゃんの誕生日ピッタリに送ってって言われてたのに、ソレ旦那に言い忘れちゃって。
旦那は気が早いからもう発送しちゃったのよ・・もう、旦那に頼まず自分でやればよかった・・で、配送業者にもう荷物追えないって言われて、調整出来ないのよ。
誕生日は1ヶ月先でしょ? 早めに着いちゃうけど、うまくピコちゃんに誤魔化しといて! あ、じゃあ休憩終わるから、またね! ホント、ごめんね!』
・・・ってバーッと言われて、電話は切れちゃって・・ その人の番号も知らないから掛け直すことも出来なくて・・・」
「・・・荷物は? 届いた? ・・・何だった?」
何って・・・話の流れからもう分かってるけど、何となく認めたくなくて聞いてみる。
「はい・・・その二日後に届きました。 お父さんからのプレゼントでした。」
―― やっぱりか・・つまり、
「つまり、今まで届いていたお父さんからのプレゼントは、その人がお母さんに頼まれて、お父さんのフリをして送ってくれてたのかもって思って・・・」
そう言ってピコさんは俯き、黙ってしまう。
・・うん、間違いないよね。 でも、という事は、ナノはユニがどこでどうしてるかを把握してるって事だ。 行方不明なんじゃなくて、娘に知られたくない事情があって、ソレを隠す為に大芝居を打っているってワケだ・・・
「・・ピコさん、お母さんとじっくり話すのが一番じゃないかな・・」
一番・・・というかソレしかない。 ソレで解決! 実に簡単な事だよ、簡単すぎて迷っちゃったのかな、ピコさんは。 とにかく俺はもう帰らせてもら・・ハッ!
「・・ふぇ・・お母さんとは・・ヒック・・話せませ・・ヒック、ヒック・・」
アアアアアアアア! めっちゃ泣いてる!! め、面倒くさい!!
思わず天を仰いだ瞬間、バーン! とカフェのドアが勢いよく開き、血相を変えた男が飛び込んでくる。 大柄でガッシリ体型の髭モジャおじさん。 いかにも腕っぷしが強そうだね。
「テ、テ、テメエ! 俺のピコに何してやがる!? あぁっ、ピコを泣かせやがって!! テメエ、ぶっ殺してやる!!」
男はそう叫んで、本当に殺す勢いで俺に飛びかかって来た。
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