Man under the moon

ハートリオ

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21.フットさんは犬が恐い

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「ヒィィィィ~~~ッ!? な、何でその恐い犬が、ここに!?」


大柄なオジサンの乙女の様な悲鳴が駅にコダマする・・・


「叔父さんたら! モルちゃんは恐くないよ! ホラ、こんなに大人しくていい子・・」 犬の頭を撫でながら叔父を諭そうとする姪だが・・


「な、何言ってんだ、ピコ! お前だって恐さのあまり混乱してるぞ! ソレは犬! モルさんはコッチ! し、失礼だろうが!」


「・・いいんですよ、俺と同じ名前なんです。 ユニが名付けたんですよ。」 


面倒くさいと思いながら説明すると、フットさんは目を真ん丸にして、


「へぇぇっ!? あぁ~~、聞いた事ある! ユニが言ってた! 散歩に誘われたけど、ウチの一族は犬が恐いからさ、断ったんだよ! あの時言ってたの、この犬だったのかぁ~~。 ・・でも、何で? 一日レンタルか何か?」


「いえ、懐かれてしまったので、飼う事にしたんです。 もうホテルはチェックアウトしてしまったので公園に連れて行きますが、大丈夫ですか?」


面倒くさいと思いながら訊いてみると、フットさんは目を真ん丸にして、


「エッッ・・あ、まぁ、しょうがねえか・・あれ? そういえばピコ、お前、よく触れるな、お前だって犬が恐いはずだろう?」

と不思議そうに、犬を撫で続けているピコさんを見る。


「うん、そうなの、不思議だけど、恐くなくなったの。 体が元気になったからかなぁ・・・ 最近ね、何か、色々挑戦したいって気持ちになってるの。 元気になれたおかげで、気持ちも凄く前向きになれてるんだ・・」


「そ・・そうかい、ピコ・・よかったなぁ、よかった・・早く、元気になったピコを、ユニに見せてやりてえなぁ・・・」


フットさんの言葉に、心に陰が差す。


“ 愛する人と一緒に居る ”というユニは、娘の成人の祝いに現れるだろうか?
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