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10 コレがソレ!?
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兄妹の住まい。
その入口ドアを入った所にあるスペース。
そこが建物の中で1番広いスペースなので椅子を並べて話し合っていた5人。(実際話していたのはリーとザートの2人)
そのスペースの奥にある階段をトントンと下りながら兄に注意するのは
「姫!あぁ良かった!目覚めたんですね!」
リーが歓喜の声を上げる。
「はい!だって夕方6時ですから」
「あ、もうそんな時間になりますか」
「はい!‥まぁお兄様ったらお茶も出さずに」
「あぁいやお構いなく。それより目が覚めて本当に良かった」
「‥あ‥えぇとザート様…馬車で送って下さってありがとうございました」
「どういたしまして。…それよりまるで別人だね?動きも話し方も軽やかだ」
「実は夕方6時になると体が軽くなるんです」
「…そうだね。白い靄が無くなっているね」
「白い靄ですか??」
~~カクカクシカジカ~~
「‥えぇッ私に霊が憑りついているんですか!?」
青褪めるルミエ。
「それで日中体が重いのね…さっきは体を乗っ取られてしまったという事?‥えええ怖い、怖すぎる…ザート様は除霊とか出来ますか?」
「え‥あぁいや私は視えるだけでそういった事は‥」
「チッ」
「‥ラマンジェ嬢?今もしかして『使えない奴』って思った?」
「まさかそんな事。『意識低いなぁ』と思っただけです」
「「「「ッ!?」」」」
ザート一行が言葉を失う。
「だって『視える』ってことはソッチ系の能力が有るってことでしょう?何故その先の段階へ進もうと思わないのかなぁって」
「その先の段階…」
「ええ。私みたいに困った状態になっている人達を助けられるかもしれないのに」
「ッザート様は大変お忙しい御方なのだッ!」
「他の者には任せられない大切なお仕事で手一杯で‥」
スケットとツキーが声を荒げるのをザートが手で制する。
ルミエは不思議そうに呟く。
「『大切なお仕事』…困った人を助けるより大切な仕事があるかしら?」
「「ッ…」」
思わず言葉を失うスケットとツキー。
「そうだね…君はそういう人だ…
1週間前君を見掛けた時もそうだった。
君は動くのも辛そうだったのに――
袋が破れたのかバラバラと果物を落としてしまった老人を手伝ってあげていた」
「1週間前?…あぁ、確か青果マルシェ…」
「そうだよ。老人は身なりからして貧しい平民の様だったからだろうか…周りには人が大勢いたのに老人を手伝ったのは君だけだった――私は『美しい人とはこういう人を言うのだ』と心が震えて…それ以来ずっと君のことが気になって…何も手につかないし夜も眠れなくて…」
「ザート…ソレだぞ?」
「ん?何が‥ハッ!」
リーの険しい表情を見てザートは不意に気付く。
一目惚れ!?
「‥え‥コレが‥そ‥え‥」
(((ザ、ザート様!?)))
頬を染め瞳を泳がせるザート。
そんな姿を初めて見る3人組は目を丸くする。
その内の1人、ブレはいまだ床に這いつくばったままだ。
「――ところであなたはどうしたの?立てないの?」
「ハッ!‥さ、先程は大暴言を‥も、申し訳ありませんでしたッ!」
1番謝るべき相手に必死に謝るブレ。
ルミエは苦笑する。
「大暴言?まぁ何かしら?もしかして『ブキミ令嬢』?
…ふふふっ、そうみたいね?別にいいわ。皆がそう呼んでいるのを知っているし――それに王貴女の女王様達の罵詈雑言に比べたら何でもないもの」
「ああ、今日姫を突き飛ばして転ばせた挙句頭を踏もうとしていた女達の事ですか?」
「ええ。何故か1週間ぐらい前から急に私を敵視する様になって…」
「連中のボスはあの銀髪に瑠璃色の瞳の女ですね?あの醜い女…」
「「「「!!」」」」
銀髪に瑠璃色の瞳――
その色を持ち、現在王貴女に通う女性と言えば1人しか居ない。
ザート一行は信じられない面持ちになる。
その入口ドアを入った所にあるスペース。
そこが建物の中で1番広いスペースなので椅子を並べて話し合っていた5人。(実際話していたのはリーとザートの2人)
そのスペースの奥にある階段をトントンと下りながら兄に注意するのは
「姫!あぁ良かった!目覚めたんですね!」
リーが歓喜の声を上げる。
「はい!だって夕方6時ですから」
「あ、もうそんな時間になりますか」
「はい!‥まぁお兄様ったらお茶も出さずに」
「あぁいやお構いなく。それより目が覚めて本当に良かった」
「‥あ‥えぇとザート様…馬車で送って下さってありがとうございました」
「どういたしまして。…それよりまるで別人だね?動きも話し方も軽やかだ」
「実は夕方6時になると体が軽くなるんです」
「…そうだね。白い靄が無くなっているね」
「白い靄ですか??」
~~カクカクシカジカ~~
「‥えぇッ私に霊が憑りついているんですか!?」
青褪めるルミエ。
「それで日中体が重いのね…さっきは体を乗っ取られてしまったという事?‥えええ怖い、怖すぎる…ザート様は除霊とか出来ますか?」
「え‥あぁいや私は視えるだけでそういった事は‥」
「チッ」
「‥ラマンジェ嬢?今もしかして『使えない奴』って思った?」
「まさかそんな事。『意識低いなぁ』と思っただけです」
「「「「ッ!?」」」」
ザート一行が言葉を失う。
「だって『視える』ってことはソッチ系の能力が有るってことでしょう?何故その先の段階へ進もうと思わないのかなぁって」
「その先の段階…」
「ええ。私みたいに困った状態になっている人達を助けられるかもしれないのに」
「ッザート様は大変お忙しい御方なのだッ!」
「他の者には任せられない大切なお仕事で手一杯で‥」
スケットとツキーが声を荒げるのをザートが手で制する。
ルミエは不思議そうに呟く。
「『大切なお仕事』…困った人を助けるより大切な仕事があるかしら?」
「「ッ…」」
思わず言葉を失うスケットとツキー。
「そうだね…君はそういう人だ…
1週間前君を見掛けた時もそうだった。
君は動くのも辛そうだったのに――
袋が破れたのかバラバラと果物を落としてしまった老人を手伝ってあげていた」
「1週間前?…あぁ、確か青果マルシェ…」
「そうだよ。老人は身なりからして貧しい平民の様だったからだろうか…周りには人が大勢いたのに老人を手伝ったのは君だけだった――私は『美しい人とはこういう人を言うのだ』と心が震えて…それ以来ずっと君のことが気になって…何も手につかないし夜も眠れなくて…」
「ザート…ソレだぞ?」
「ん?何が‥ハッ!」
リーの険しい表情を見てザートは不意に気付く。
一目惚れ!?
「‥え‥コレが‥そ‥え‥」
(((ザ、ザート様!?)))
頬を染め瞳を泳がせるザート。
そんな姿を初めて見る3人組は目を丸くする。
その内の1人、ブレはいまだ床に這いつくばったままだ。
「――ところであなたはどうしたの?立てないの?」
「ハッ!‥さ、先程は大暴言を‥も、申し訳ありませんでしたッ!」
1番謝るべき相手に必死に謝るブレ。
ルミエは苦笑する。
「大暴言?まぁ何かしら?もしかして『ブキミ令嬢』?
…ふふふっ、そうみたいね?別にいいわ。皆がそう呼んでいるのを知っているし――それに王貴女の女王様達の罵詈雑言に比べたら何でもないもの」
「ああ、今日姫を突き飛ばして転ばせた挙句頭を踏もうとしていた女達の事ですか?」
「ええ。何故か1週間ぐらい前から急に私を敵視する様になって…」
「連中のボスはあの銀髪に瑠璃色の瞳の女ですね?あの醜い女…」
「「「「!!」」」」
銀髪に瑠璃色の瞳――
その色を持ち、現在王貴女に通う女性と言えば1人しか居ない。
ザート一行は信じられない面持ちになる。
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