えっ私人間だったんです?

ハートリオ

文字の大きさ
13 / 23

13 あなたはバカです

しおりを挟む
オカシイ・・・
人間弱イ
モット簡単
殲滅デキルハズ・・

!?

風・・・
雷鳴・・・

何ガ起コッテイル?

魔獣王は戸惑っている。
こんなはずではなかった。
人間族の中枢を襲い
人間族の長を秒殺して
今頃は魔力を持たない人間共を玩具にし屠っているはずだった。
それなのに――
選び抜いた精鋭達は弱魔力の人間共にやられてしまった。
アリ得ナイ!

だが魔獣王は冷静である。

思ッタ以上ニ手強イガ
魔力量ハ余裕デ上回ッテイル。
全魔力ヲブツケレバ
アノ金髪金眼ノ人間モ
ヒトタマリモナイハズ
――そう腹を決め
一気に片を付ける為に
魔力を練り上げて行く。

ファルコはそんな魔獣王に向かって走りながら思考する。

(魔獣王が膨大な魔力を完全に練り上げるまでにもう少し掛かるだろう。
その間に魔獣王に密着して自爆すれば倒せるはず‥《倒せます!》
‥ハッ!)
《倒せます!
自爆しなくても!》
(‥え!?‥なッ)

ファルコは眩い光に包まれる。

(知ってる‥これは)
《私のバリアです!
私達はペアなのですから勝手な行動取らないで下さい!》

ファルコの前にはルスキニアがいる。
ベールに包まれて見えないが
多分絶対怒っている。

《命を投げ出さなくてもあなたは勝てます》
「いや‥奴の魔力量は私の3倍あるのだ」
《質が違うんです》
「――質?」
《奴の魔力量1に対して殿下の同量の魔力は10倍の威力を持っています》
(え…)
《1に対して10です》
(じゃあ…)
《殿下の圧勝です》
(………)
《殿下?》
(――私はバカか?)
《バカです》

数度瞬きするファルコ。

怒りを露わに抗議されたのも
『バカ』と言われたのも初体験である。

これはどうしたって口角が上がってしまうではないか――?

《不敬罪でお責めになる前に
先ずは奴をやっつけてしまいましょう》

目の前にいたルスキニアがファルコの横にふわりと立つ
――ん?
イヤ立ってない?

(浮いている?)

バリアに包まれた2人は魔獣王の数メートル上に浮いている。

「と‥飛んでいる!?
君は飛ぶ事も出来るのか!」
《殿下も飛べます》
「飛んだ事ない」
《今までは魔力コントロールに苦労されていたから…
でもこれからは色々な事が出来ますよ》
「――ああ…
言われてみれば出来る気がする。
君は言葉だけで私に魔法を掛けるのだな」
《えッ…
と、兎に角奴を倒しましょう!
あの額の3つの角の1番小さい角…》
「黒いヤツだな」
《奴の魔力核はあの中です》
「――!?
あんな所に核を!?」
《はい。
体内のあちこちにフェイクの核があります。
でも本物は黒い角の中。
意外な場所に隠すことで魔獣同士の戦いを勝ち抜き王になったのでしょう》
「なるほど。
ではあれを狙えば」
《余裕で勝てます》
「分かった!
では撃つぞ!」
《サポートします!》

ゾワリ
人間、
ドコ行ッタ?

突然感知出来なくなった金髪金眼の男――
魔獣王は目をギョロつかせるが
人間がどこにも1人も
見当たらない!?

とうとう目だけではなく首をグルグル回転させて人間を捜し始める魔獣王。
ファルコは両手を突き出し魔弾を撃つ。
正確な魔力制御により魔弾は不規則に動く黒い角――
魔獣王の核に向かう。

大量の魔力は撃ち出された後ある程度の量は分散されてしまう。
どうしても無駄が出てしまうのだが

(――おお!)

ルスキニアのサポートにより魔弾は一切の無駄を出さず
その全量が魔獣王の魔力核に撃ち込まれる。

「グギャァ~~~ッ」

ルスキニアの認識阻害バリアは完璧なので。
魔獣王にしてみれば
いきなり上空から魔力核に強力な魔弾が撃ち込まれた訳で。
なすすべもなく
何が起こったかさえ分からないまま絶命する。

――やった!!――

皇子達と王女達は手を取り合って喜ぶが。

《魔獣王は絶命しましたが‥
余力があれば奴の体に攻撃を続けて下さい》

ルスキニアが申し訳なさそうにファルコに伝える。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

襲ってきた王太子と、私を売った婚約者を殴ったら、不敬罪で国外追放されました。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

アリーチェ・オランジュ夫人の幸せな政略結婚

里見しおん
恋愛
「私のジーナにした仕打ち、許し難い! 婚約破棄だ!」  なーんて抜かしやがった婚約者様と、本日結婚しました。  アリーチェ・オランジュ夫人の結婚生活のお話。

【完結】土壇場で交代は困ります [おまけ1話更新]

himahima
恋愛
婚約破棄⁈いじめ?いやいや、お子様の茶番劇に付き合ってる暇ないから!まだ決算終わってないし、部下腹ペコで待ってるから会社に戻して〜〜 経理一筋25年、社畜女課長が悪役令嬢と入れ替わり⁈ 主人公は口が悪いです(笑) はじめての投稿です♪本編13話完結、その後おまけ2話の予定です。

【完結】男装して会いに行ったら婚約破棄されていたので、近衛として地味に復讐したいと思います。

銀杏鹿
恋愛
次期皇后のアイリスは、婚約者である王に会うついでに驚かせようと、男に変装し近衛として近づく。 しかし、王が自分以外の者と結婚しようとしていると知り、怒りに震えた彼女は、男装を解かないまま、復讐しようと考える。 しかし、男装が完璧過ぎたのか、王の意中の相手やら、王弟殿下やら、その従者に目をつけられてしまい……

皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
幼い頃から天の声が聞こえるシラク公爵の娘であるミレーヌ。 この天の声にはいろいろと助けられていた。父親の命を救ってくれたのもこの天の声。 そして、進学に向けて騎士科か魔導科を選択しなければならなくなったとき、助言をしてくれたのも天の声。 ミレーヌはこの天の声に従い、騎士科を選ぶことにした。 なぜなら、魔導科を選ぶと、皇子の婚約者という立派な役割がもれなくついてきてしまうからだ。 ※完結しました。新年早々、クスっとしていただけたら幸いです。軽くお読みください。

過保護の王は息子の運命を見誤る

基本二度寝
恋愛
王は自身によく似ている息子を今日も微笑ましく見ていた。 妃は子を甘やかせるなときびしく接する。 まだ六つなのに。 王は親に愛された記憶はない。 その反動なのか、我が子には愛情を注ぎたい。 息子の為になる婚約者を選ぶ。 有力なのは公爵家の同じ年の令嬢。 後ろ盾にもなれ、息子の地盤を固めるにも良い。 しかし… 王は己の妃を思う。 両親の意向のまま結ばれた妃を妻に持った己は、幸せなのだろうか。 王は未来視で有名な卜者を呼び、息子の未来を見てもらうことにした。 ※一旦完結とします。蛇足はまた後日。 消えた未来の王太子と卜者と公爵あたりかな?

処理中です...