えっ私人間だったんです?

ハートリオ

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12 コレハナニ

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ファルコのいつも暴れ出しそうな膨大な魔力が落ち着いて――
整っている。

《うん――成功です。
もう気を張って制御しなくても大丈夫ですよ》
(!??
これは君が?
ああ、収まっている!
私の‥母上を傷つけた凶暴な魔力が
私の内に整って――
完全に収まっている)
《魔力核を魂に落とし込んだのです。
これは本来何もしなくても勝手に行われる事ですが
殿下の魔力は大き過ぎた為出来ていませんでした。
――あの、勝手にやってしまってすみません》
(いや!
有難過ぎて言葉も無い‥
いつも暴れ出そうとする魔力を抑えるのに必死だった――
制御もままならなく魔獣ともまともに戦えていなかった――
それが――ああ息が!
普通の呼吸がこんなに楽だなんて!)
《では魔獣王を倒して瘴気のないキレイな空気で呼吸しましょう》

フイッと白い光が消える。
2人の目の前には魔獣王。

《‥魔獣王は全魔力をぶつけて来る積りですね》
(確かに‥
バリアを張って魔力を集中させている様だ…
――何という膨大な魔力量だ!
私の3倍はある!)

魔力核が魂に収まったことで自分の魔力量を正確に把握出来る様になったファルコ。
魔獣王との魔力量の差に愕然とする。
やはり勝ち目は無いと悟るファルコ。

(だが――
守りたい…
絶対に守りたい!)

そう強く願うファルコの視線の先にはルスキニアがいる。
ベールをはためかせた後ろ姿…
見つめるファルコの瞳に切なさが溢れる。

《そうですね。
何としても人類を守‥
「えッ!?」

テレパシーで話していたルスキニアは思わず声を漏らす。

「‥あ・あの!?」

後ろからファルコに抱きしめられている――!?

「君を守りたい
絶対に失いたくない
この命に代えても
君だけは守り抜きたい!」

耳元で紡がれる熱い想い。

ルスキニアは真っ白になってしまう。

激しい鼓動。
熱くなる体。
コレハナニ
これは何なの!?

「で、殿下、私は【魔力】です‥
守られるべきものでは‥」
「君は人間だ!
理不尽に【魔力】だと思わされてきた女性だ!」

「人間?
女性?」
「そうだ!」

掠れた声で叫んで皇太子はルスキニアの手を取り
自分の胸に押し当てる。

「‥あッ」

伝わるのは激しい鼓動
燃える様な熱
ルスキニアとまるで同じ様に――

「男をこんな状態に出来るのは
愛する女性だけだ!」
「愛――」

それは自分には一生関係無かったはずの――

「愛している
君を
人として
女性として
愛している!」

「ッッ!?」

手を離された
と思ったら
抱きしめられて

コレハナニ

ベールを挟んで
熱い何かに
唇を塞がれる

コレハナニ

ベール越しのキス
固まるルスキニア
コレハナニ
コレハナニ
コレハナ‥

「君を1人の女性として愛している。
そんな男が居た事を覚えていてくれ。
そしてこの戦いが終わった後は
君は1人の女性として幸せになるんだ!
――いいな?
それが私のたった1つの願いだ!」

そう言い切るとファルコはルスキニアを離し
魔獣王に向かって駆け出す。

「「「兄上ッ!」」」
「「「皇太子殿下!」」」

魔獣王以外の魔獣達を片付けたB、C、D班の面々が叫び声を上げ
茫然としていたルスキニアはハッとする。

《殿下ッ
何をなさる気!?》

「「「うわッ?」」」
「「「キャッ!」」」

ルスキニアの必死のテレパシーが強すぎて皇子達と王女達が頭を抑える。
頭の中で大声で叫ばれた感じだ。
それなのに必死過ぎるファルコには届かない!
ファルコの思いは…

(魔力が制御できるようになったお陰で…
自爆出来る!)
《自爆ですって!?》

頭の中が真っ白になるルスキニア。
絶望――
ではなく怒りで。

自爆させるために魔力核を整えたのじゃない!
私の内側をこれだけグチャグチャにしておいて――

「‥させない!」

ブワッ!

凄まじい風が吹き
雷鳴が轟く…
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