15 / 23
15 アルデア来襲
しおりを挟む
時間が止まる魔力持ち達。
声の方へ絶対零度の半目を向ける。
分かっていたけど声の主はアルデア。
通訳、侍女、騎士を従え
扇子を揺らしながら灰色ベールを睨みつける。
「で?
何匹殺したの?」
「…ゼロです」
「‥はぁ!?
あんた何やってんのよ!?」
「彼女は素晴らしい働きをしてくれた!
彼女がいたから我らは魔獣族に勝利出来たのだ!」
ファルコが何とアルデアの母国語カーヌス語で言い放つ。
実はファルコは属国の言語も全て話せる。
アルデアはそこには気付かず
皇太子と【魔力】の距離がやけに近い事に気付く。
「‥ふぅん、どうやら皇太子の信頼は勝ち取った様ね‥
なに、皇太子チョロ過ぎじゃない?」
そう呟きながら扇子を閉じると。
「お礼には及びませんわ!
私、当然の働きをしたまでですもの‥通訳!」
ついさっきファルコがカーヌス語を話したばかりだというのに通訳が必要という思い込みから抜け出せないアルデア。
例のダメ通訳は『皇太子チョロ過ぎ』発言までもご丁寧に帝国語に訳する。
「「「なにぃッ!
何という不敬極まりない言い草ッ!」」」
3皇子達が怒りを露わにするがファルコが視線で制する。
怒りで魔力を滾らせる3皇子達だが何とか堪える。
少し前に到着していた各通訳達もそれぞれの主に通訳する。
「‥まぁッ何て‥」
「恐ろしい事を!」
「許せませんわ!」
ルスキニアは固まっている。
最初にアルデアの声が聞こえて来た時ビクリと体を揺らした後は微動だにしない。
ファルコはアルデアの精神的支配が復活してしまったのかと気を揉む。
(さっき私に怒りを露わにした時…
君は紛れもなく『感情を持った人』だった…
それなのにあんな女の傀儡【魔力】に戻ってしまったのか?
そんな事許さない!
君は私のルスキニアだ!)
「何なの…
皆何をガアガア言ってるわけ?
まぁいいわ。
私の狙いは皇太子。
雑魚どもはどうでもいいわ」
不快そうにそう言うとアルデアはファルコに笑顔を向けて
「でも…まぁ、あれですわね!
ソレが役に立つとお思いなら…
私を婚約者に選ばれることですわ‥」
「君を選ぶことは絶対無い!
そして彼女は『ソレ』ではない!
ルスキニア姫だ!」
『通訳!』と言う暇をを与えず。
ファルコが低い声で言う。
ファルコのカーヌス語を通訳が何故か繰り返しアルデアはしばしポカンとして
「は?何仰ってるの?
ルス‥何とか?姫?
覚えてないのバカなの?
言ったでしょう?
コレは私の【魔力】!
勝手に名前なんかつけてどういう積り!?」
カッと頭に血を上らせるアルデアだが…
「ルスキニア姫はお前の母親から生まれて来たのだろう。
知らないようだから教えるがそれは妹というのだ。
ルスキニア姫はお前の妹だ。
カーヌス王国の第二王女だ」
〈何故か通訳〉
「ちがうわ!
コレは!
お母様のお腹に忘れて来た!
私の【魔力】なのッ!
何度言えば解るの‥」
「そんな屁理屈通用しない!
カーヌス王家は家族ぐるみで第二王女を虐待した!
その罪、この私が裁いてやろう!」
〈必要無いのに通訳〉
「なッ‥キーーーッ!
【魔力】!
お前何言ったのよ!?
この役立たず!
醜いバケモノ!
許さない!
お父様に罰してもらうから!」
唾を飛ばし罵りながらルスキニアに向かって行くアルデアだが
ザザザッ!
「‥ッ!?
な、何、邪魔よ!」
3皇子達と3王女達が立ちはだかる!
「我等の命の恩人、
魔法の師匠ルスキニア姫に近付くな!」
「ルスキニア姫に指1本触れさせないわ!」
「「「「私達がルスキニア姫をお守りする!」」」」
彼等は横並びになって1枚の壁となりルスキニアをガードする。
その鉄壁と言っていい壁の向こうに更に
「ああ!
二度とルスキニア姫を傷つけさせない!」
世界一の魔力持ちにして帝国の皇太子が鬼の形相でアルデアを睨みつける。
「キーーーッ!
キーーーッ!
美しくてカッコイイのが余計ムカつく!
何なのよ!
こんなの嘘よ!
あぁお父様、お母様!
早く2人に伝えなきゃ!
そうすれば間違いを正して【魔力】を罰してくれるんだから!
ずっとそうして来たんだから!」
地団太を踏みながら金切り声を上げるアルデアの耳に
「だったら今ここに
カーヌス国王夫妻を呼びましょう」
美しい声が響く。
ルスキニアだ。
ルスキニアは小さく震えている…
「ッ、お前!
人前で声を出すなと何度言えば‥」
「――その前に。
アルデア様、何を食べていたのですか?」
「‥はぁ?」
「口の端に赤い‥
ジャムだかソースだかがついています。
皆が命を懸けて戦っていた時、何を食べていたのですか?」
――どうやらルスキニアは怒りで震えている様である。
声の方へ絶対零度の半目を向ける。
分かっていたけど声の主はアルデア。
通訳、侍女、騎士を従え
扇子を揺らしながら灰色ベールを睨みつける。
「で?
何匹殺したの?」
「…ゼロです」
「‥はぁ!?
あんた何やってんのよ!?」
「彼女は素晴らしい働きをしてくれた!
彼女がいたから我らは魔獣族に勝利出来たのだ!」
ファルコが何とアルデアの母国語カーヌス語で言い放つ。
実はファルコは属国の言語も全て話せる。
アルデアはそこには気付かず
皇太子と【魔力】の距離がやけに近い事に気付く。
「‥ふぅん、どうやら皇太子の信頼は勝ち取った様ね‥
なに、皇太子チョロ過ぎじゃない?」
そう呟きながら扇子を閉じると。
「お礼には及びませんわ!
私、当然の働きをしたまでですもの‥通訳!」
ついさっきファルコがカーヌス語を話したばかりだというのに通訳が必要という思い込みから抜け出せないアルデア。
例のダメ通訳は『皇太子チョロ過ぎ』発言までもご丁寧に帝国語に訳する。
「「「なにぃッ!
何という不敬極まりない言い草ッ!」」」
3皇子達が怒りを露わにするがファルコが視線で制する。
怒りで魔力を滾らせる3皇子達だが何とか堪える。
少し前に到着していた各通訳達もそれぞれの主に通訳する。
「‥まぁッ何て‥」
「恐ろしい事を!」
「許せませんわ!」
ルスキニアは固まっている。
最初にアルデアの声が聞こえて来た時ビクリと体を揺らした後は微動だにしない。
ファルコはアルデアの精神的支配が復活してしまったのかと気を揉む。
(さっき私に怒りを露わにした時…
君は紛れもなく『感情を持った人』だった…
それなのにあんな女の傀儡【魔力】に戻ってしまったのか?
そんな事許さない!
君は私のルスキニアだ!)
「何なの…
皆何をガアガア言ってるわけ?
まぁいいわ。
私の狙いは皇太子。
雑魚どもはどうでもいいわ」
不快そうにそう言うとアルデアはファルコに笑顔を向けて
「でも…まぁ、あれですわね!
ソレが役に立つとお思いなら…
私を婚約者に選ばれることですわ‥」
「君を選ぶことは絶対無い!
そして彼女は『ソレ』ではない!
ルスキニア姫だ!」
『通訳!』と言う暇をを与えず。
ファルコが低い声で言う。
ファルコのカーヌス語を通訳が何故か繰り返しアルデアはしばしポカンとして
「は?何仰ってるの?
ルス‥何とか?姫?
覚えてないのバカなの?
言ったでしょう?
コレは私の【魔力】!
勝手に名前なんかつけてどういう積り!?」
カッと頭に血を上らせるアルデアだが…
「ルスキニア姫はお前の母親から生まれて来たのだろう。
知らないようだから教えるがそれは妹というのだ。
ルスキニア姫はお前の妹だ。
カーヌス王国の第二王女だ」
〈何故か通訳〉
「ちがうわ!
コレは!
お母様のお腹に忘れて来た!
私の【魔力】なのッ!
何度言えば解るの‥」
「そんな屁理屈通用しない!
カーヌス王家は家族ぐるみで第二王女を虐待した!
その罪、この私が裁いてやろう!」
〈必要無いのに通訳〉
「なッ‥キーーーッ!
【魔力】!
お前何言ったのよ!?
この役立たず!
醜いバケモノ!
許さない!
お父様に罰してもらうから!」
唾を飛ばし罵りながらルスキニアに向かって行くアルデアだが
ザザザッ!
「‥ッ!?
な、何、邪魔よ!」
3皇子達と3王女達が立ちはだかる!
「我等の命の恩人、
魔法の師匠ルスキニア姫に近付くな!」
「ルスキニア姫に指1本触れさせないわ!」
「「「「私達がルスキニア姫をお守りする!」」」」
彼等は横並びになって1枚の壁となりルスキニアをガードする。
その鉄壁と言っていい壁の向こうに更に
「ああ!
二度とルスキニア姫を傷つけさせない!」
世界一の魔力持ちにして帝国の皇太子が鬼の形相でアルデアを睨みつける。
「キーーーッ!
キーーーッ!
美しくてカッコイイのが余計ムカつく!
何なのよ!
こんなの嘘よ!
あぁお父様、お母様!
早く2人に伝えなきゃ!
そうすれば間違いを正して【魔力】を罰してくれるんだから!
ずっとそうして来たんだから!」
地団太を踏みながら金切り声を上げるアルデアの耳に
「だったら今ここに
カーヌス国王夫妻を呼びましょう」
美しい声が響く。
ルスキニアだ。
ルスキニアは小さく震えている…
「ッ、お前!
人前で声を出すなと何度言えば‥」
「――その前に。
アルデア様、何を食べていたのですか?」
「‥はぁ?」
「口の端に赤い‥
ジャムだかソースだかがついています。
皆が命を懸けて戦っていた時、何を食べていたのですか?」
――どうやらルスキニアは怒りで震えている様である。
130
あなたにおすすめの小説
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
アリーチェ・オランジュ夫人の幸せな政略結婚
里見しおん
恋愛
「私のジーナにした仕打ち、許し難い! 婚約破棄だ!」
なーんて抜かしやがった婚約者様と、本日結婚しました。
アリーチェ・オランジュ夫人の結婚生活のお話。
【完結】土壇場で交代は困ります [おまけ1話更新]
himahima
恋愛
婚約破棄⁈いじめ?いやいや、お子様の茶番劇に付き合ってる暇ないから!まだ決算終わってないし、部下腹ペコで待ってるから会社に戻して〜〜
経理一筋25年、社畜女課長が悪役令嬢と入れ替わり⁈ 主人公は口が悪いです(笑)
はじめての投稿です♪本編13話完結、その後おまけ2話の予定です。
皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
幼い頃から天の声が聞こえるシラク公爵の娘であるミレーヌ。
この天の声にはいろいろと助けられていた。父親の命を救ってくれたのもこの天の声。
そして、進学に向けて騎士科か魔導科を選択しなければならなくなったとき、助言をしてくれたのも天の声。
ミレーヌはこの天の声に従い、騎士科を選ぶことにした。
なぜなら、魔導科を選ぶと、皇子の婚約者という立派な役割がもれなくついてきてしまうからだ。
※完結しました。新年早々、クスっとしていただけたら幸いです。軽くお読みください。
【完結】男装して会いに行ったら婚約破棄されていたので、近衛として地味に復讐したいと思います。
銀杏鹿
恋愛
次期皇后のアイリスは、婚約者である王に会うついでに驚かせようと、男に変装し近衛として近づく。
しかし、王が自分以外の者と結婚しようとしていると知り、怒りに震えた彼女は、男装を解かないまま、復讐しようと考える。
しかし、男装が完璧過ぎたのか、王の意中の相手やら、王弟殿下やら、その従者に目をつけられてしまい……
過保護の王は息子の運命を見誤る
基本二度寝
恋愛
王は自身によく似ている息子を今日も微笑ましく見ていた。
妃は子を甘やかせるなときびしく接する。
まだ六つなのに。
王は親に愛された記憶はない。
その反動なのか、我が子には愛情を注ぎたい。
息子の為になる婚約者を選ぶ。
有力なのは公爵家の同じ年の令嬢。
後ろ盾にもなれ、息子の地盤を固めるにも良い。
しかし…
王は己の妃を思う。
両親の意向のまま結ばれた妃を妻に持った己は、幸せなのだろうか。
王は未来視で有名な卜者を呼び、息子の未来を見てもらうことにした。
※一旦完結とします。蛇足はまた後日。
消えた未来の王太子と卜者と公爵あたりかな?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる