えっ私人間だったんです?

ハートリオ

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16 精神支配崩壊

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「やだ…本当だわ」
「口紅が滲んでいるのかと思ったら食べ物だったのね」
「よく見たら食べカスもついてる…」
「「「…下品…」」」

3王女達がそれぞれの母国語で息の合った会話を繰り広げる。
共に戦った者同士、
お互いに何となく言っている事が分かるようになっている。

アルデアは苛々しながら声を張る。
怒鳴れば済むと思っている。

「お腹が空いちゃったんだから別にいいでしょ!
パーティー会場にたくさん用意されたお菓子を食べただけ‥」
「全身は痛まなかったんですか?」
「はぁ?
何言ってんのバッカじゃない?
何でお菓子を食べて全身が痛むのよ?」
「私はずっと魔力を使い続けていたんですよ?
以前言いましたよね?
私が魔力を使っている時は
私同様アルデア様も全身が痛むのだと。
だから私は信用したのです。
私がアルデア様の【魔力】なのだと」

生まれた時から刷り込まれた事でも疑問に思わずにいられなかった。
自分がアルデア様の【魔力】を持って生まれたのなら
何故アルデア様に魔力を渡せないのか?
早く渡してしまって自由になりたいのに
どうしても渡せないのはおかしい。
自分は本当にアルデア様の【魔力】なのか?

アルデア自身も魔力に関しては随分勉強していたからいかにもな説明が出来た。
幾つかのそれっぽい説明の中で
『お前が魔力を使っている時は私も全身が酷く痛むのよ!
お前が私の【魔力】だって証拠よ!』
その説明が決定打だった。
その説明をされた時に自分は本当にアルデア様の【魔力】なのだと納得したのだ。

「あ‥いや痛かった!
痛かったけどお腹も空いていたのよ!
だから痛いのを我慢しながらイチゴのパイを‥」
「どれだけ痛いかまるで分かってなかったんですね。
息をするのも辛いほど痛いんです。
何か食べるなんて絶対に不可能なんですよ」
「いや、慣れれば‥」
「絶対に不可能なんですよ!」
「ッ‥お前がどう思おうが関係ないのよ!
お前は私の【魔力】!
一生私の奴隷として私の命令に従い続ける生き物!
お前が泣こうが喚こうがそれは変わらないんだよ!
お父様とお母様がそう決めたんだから!」
「カーヌス国王夫妻…
たかが属国の王と王妃が
恐れ多くもアウレウス帝国の皇太子殿下の御前でどれだけの力があると?」
「は?なに?」
「先ほど皇太子殿下が仰った事もうお忘れ?
カーヌス王家が家族ぐるみで第二王女を虐待した罪を裁いて下さると仰ったでしょう?」
「そんな事‥」
「ああ言ったぞ!」

ファルコが力強く声を上げる。
生き生きと張りのある声からは嬉しさが滲み出ている。

「ルスキニア姫、嬉しいよ!
どうやって君をカーヌス王家の精神支配から引き離そうか悩んでいたが…
君は見事に自分で打ち勝ったんだ!」
「皇太子殿下のお陰です‥
と言うか皇太子殿下のせいです」

そう言って灰色ベール…
ルスキニアは縮こまる。

「え‥あ、」

頬を染めるファルコにルスキニアは早口でお伺いを立てる。

「とととにかく!
私は私の問題に決着をつけたいと思いますがよろしいでしょうか?」
「そそそうだな!
うんそれがいい!」

同じぐらい早口でファルコが返すのでルスキニアは行動に移す。

カーヌス国王をその場に転移させたのだ。
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