機械仕掛けの街で少年少女が描く夢

如月 瑠々亜

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始まり

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君にとっての"普通"とは何だろうか。
朝起床し、朝ご飯を食べて学校に行く。
授業をしてお昼ご飯を食べて部活をして家に帰る。
そして、晩御飯を食べてお風呂に入って眠りにつく。
こう言ったとこだろうか。
だがそれは、平均して大抵の人が行っているだけでそれが"普通"だと誰が決めたのだろうか。
"普通"と言う言葉を辞書で調べると

「いつ、どこにでもあるような、ありふれたものであること」

と、なっている。
それはつまり、周りと同じような行動を行っているとそれが"普通"なのだと言えるだろう。
もしこれが本当なら、僕の日常も"普通"と言えるのだろうか。そう、普通なんだ。
植物は枯れ硝煙の匂いが万延したこの世界が、生まれた時から同じ光景の、僕の"普通"なんだ。



日本が機械の暴走により人類から機械に主権が移ってからもう20年目になる。始まりは、僕が住むここラバトールの町外れにある小さな町工場からだった。その町工場はラクーンメイトと言い人工知能の開発をしていたが、いつかは人を脅かす研究だと冷たい視線を向けられていた。しかし、ラクーンメイトの人はいつか人工知能が人々の役に立つと信じ研究をしていたと言う。
そもそも人工知能の技術は"人間の知能にどれだけ近づけるか"それを目指して作られていた。だが、ラクーンメイトの目指していた人工知能は"人間の知能を超え、さらなる人々へのサポートの出来る存在"を目指していたのだ。
その名目をラクーンメイトが発表した当時は人々はから賞賛の目を向けられていたが、人工知能が人間の知能を超えると支配されるのでは?と誰かが口にしたのが広がり、今に至っている。だが、皮肉にもそれは現実となってしまった。
丁度20年前、ラクーンメイトをバックアップさせて欲しいという男が現れた。
「あなた方の研究は実に素晴らしい!是非とも我が社"アルカメイデン"にバックアップをさせて欲しい。」
そう言って、黒いスーツに身を包む銀髪の暗い蒼眼の男は書類を差し出してきたのだ。その内容は実にシンプルでラクーンメイトの開発費を全面負担する代わりに人工知能の開発に関わらせて欲しいとの内容であった。アルカメイデンと言えば機械製造の先端を先駆ける、誰もが知る大企業。自分たちにとって手の届かない存在。当然、町の一角にある小さな町工場にとってこれ程好条件な誘いはないだろう。ラクーンメイトは二つ返事で承認したのであった。
全ての始まりはそこからだったのだ。
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じょんじょん!!!

惚れました。

解除

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