運び屋 青木瞬介の日常

水月美都(Mizuki_mitu)

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ACT1

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「マスター遅くなっちゃった。ランチまだ大丈夫?」
 そう言いながら二人連れが店内に入って来ると俺の姿を認めニッコリ微笑み話し掛けて来た。
「あれ、シュン。いつの間に子供作ったのさ」
「瞬介さん、こんにちはー」
 2人ともTシャツにジーンズというカジュアルな服装なのに妙に人を惹きつけるオーラをかもし出している。
 最初に声を掛けて来た年長の男は俺と同い年の、近所でアンティークショップを経営してる片桐玲児かたぎりれいじだ。
 男なのにゾクリとするほどの美しい顔をしててウェーブが掛かったブラウンの髪を無造作に後ろで縛ってる。
 奴とは、とあるBARで出会った。その時は綺麗に化粧して女の格好で着飾っていた。
 すっかり騙された俺は女と信じて疑わなかったしバイだから男でも構わなかったんだが、玲児は他に惚れてる奴が居るから諦めて友人になったんだ。
 もう1人も一般人なのが信じられないぐらいの可愛い子で仁科真琴にしなまことという。
 初めて会った時は中学生で学ランを着ていても黒髪でボブみたいな髪型だったから女子だと思い込んでたんだよな。
 本人も気にしてたのか高校に入ってカラーリングをして髪型もガラリと変えたが、本人が希望する男らしい髪型はカットモデルをしている為に美容師が却下したらしい。
 2人はニコニコしながら玲児は俺の隣に、真琴は真哉のとなりに座った。
「ちょ、玲児。席は空いてるだろ? 何で隣に来るんだよ」
「こんな面白い現場を見て別の席に座るなんて、オレがそんな事すると思ってんの? あ、マスター今日のおすすめとアイスティーをお願い」
「おれは【まどろみ】特製カレーとアイスココアね」
 各々おのおの注文を済ますと興味津々という感じで根掘り葉掘り聞いてきた。
「ふ~ん。ショーゴからの依頼ねぇ。鏑木柊哉なら会った事あるけど、こんな大きな孫が居るとは思わなかったよ」
「え、会った事あるって? いつの話しだよ」
 玲児の趣味のひとつに旅行がある。数年前にイタリアに行った時にジイさんと偶然出会ったらしい。玲児も旅の開放感からか女装をして街を見て回っていたら写真のモデルを頼まれたのだと言った。
「付き合ってもいないのに求婚して来て、指輪を差し出した時にオレが男だと言ったら大分ショックを受けていたな。まぁ結局、彼はノンケだったから諦めたみたいだけど」
 本人の孫を前にずいぶんな事をサラッと言ったぞコイツは。
「はいお待ち、玲児はおすすめのチーズinオムそばランチに、真琴は【特製カリー】な」
「わ~美味しそう! いただきます」
 二人揃って両手を合わせ頂きますをして、食べ出した。
 玲児のチーズinオムそばは、スプーンを入れたらトロリとチーズが出て見ためだけでもパンチを食らったし、真琴のカリーはインドチックな入れ物にルーが入ってて、スパイスの香りが否応なしに食欲をくすぐる。
 ゴクリと喉が鳴り、我慢出来ずに食後のスイーツを追加で注文したのだった。
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