僕の瞳に映るあなた〖改訂版〗

水月美都(Mizuki_mitu)

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二章

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「じゃ、小夜明日な」
「うん。竜、明日ね~」
 小夜は手を振り、何度も振り返りながら帰って行った。

「竜、送って行かなくていいの?  駄目じゃない、女の子に送って貰うなんて」
 なんで心にもない事を言うんだろう。僕の愛しい人は。
「別に、僕の家の方が近いし。涼には関係ない」

 その言葉に涼は目に涙を溜め、泣かない様に唇を噛み締めてる。昔の幼かった頃の様に。
 自分の事ながら腹が立つ。なんて心が狭い人間なんだろう。
 手に入らないからと、全てを壊してしまいたいなんて。

 部屋で稽古着に着替えてお祖母様の所に行くと、涼はもう既に花を生けている最中だった。
「ダメだ駄目だ、なんでそんな生け方になるんだ!」

 昔から稽古は厳しいお祖母様だったけれど、最近の稽古を見てると変わって来たと思う。
 涼には殊更厳しく教える様になったし、真剣な表情は僕には決して見せたことは無い。

 もしかしたら、お祖母様は涼に才能を見出したのだろうか。
 幸せは全部僕の腕からすり抜けて消えてしまう。……手を伸ばせば届きそうなのに。

 夕食後に、どうしても直接会って話をしたくて涼の部屋に行った。
 ノックもせずに部屋に入ると、涼は誰かと電話していた。

「誰と電話してるの?」
 と聞いたら慌てて通話を切った。
 涙に濡れた顔で見上げた涼は、とても綺麗で。僕は想いが溢れてとまらなかった。

「いやっ 竜、やめて!」

 泣き叫び、やめてくれと言う涼を、無理矢理自分のものにした。




 時が止まる。

 再び動き出した時。

 僕らは。

 禁忌を冒した、罪人となった。

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