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二章
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じわりと空が白んで、カーテンの隙間から微かな光が差し込んできた。隣に寝てる涼の顔が輪郭を持ち始める。
何となく寝られなくて、でも良く寝てる涼を起こすのも嫌で、寝たフリをしてたら本当に寝てしまったみたいだ。
「竜、起きて! 寝過ごしたみたい」
飛び起きたら、何時もより一時間も寝過ごしていた。
慌ただしく身支度をして、玄関で靴を履いている涼を引き寄せキスをする。
「竜、遅刻しちゃうよ」
焦ってる涼をみて笑いが込み上げ、手をギュッと握り全力で走る。横を見ると涼も笑いながら走っている。
ああ、すごくしあわせだ……。
もう何にも要らない。
ずっとこのままでいられるのなら、しんでもいい。
僕は、本当に何も知らない愚かな子供だった。
「小夜、ごめん……」
別れを切り出した僕に、小夜はしがみついて胸を叩き泣いた。
「竜、酷いよ……。好きな人が出来たって誰なの? ねぇ、誰なの?」
今になって自分のした事が、いかに残酷な事だったか分かった。
小夜が泣き崩れて地面に膝を着いても、僕はただその場から立ち去る事も慰めることも出来ずにいた。
何となく寝られなくて、でも良く寝てる涼を起こすのも嫌で、寝たフリをしてたら本当に寝てしまったみたいだ。
「竜、起きて! 寝過ごしたみたい」
飛び起きたら、何時もより一時間も寝過ごしていた。
慌ただしく身支度をして、玄関で靴を履いている涼を引き寄せキスをする。
「竜、遅刻しちゃうよ」
焦ってる涼をみて笑いが込み上げ、手をギュッと握り全力で走る。横を見ると涼も笑いながら走っている。
ああ、すごくしあわせだ……。
もう何にも要らない。
ずっとこのままでいられるのなら、しんでもいい。
僕は、本当に何も知らない愚かな子供だった。
「小夜、ごめん……」
別れを切り出した僕に、小夜はしがみついて胸を叩き泣いた。
「竜、酷いよ……。好きな人が出来たって誰なの? ねぇ、誰なの?」
今になって自分のした事が、いかに残酷な事だったか分かった。
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