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海編
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美海、もし僕が違う姿になっても、前と変わらず微笑んでくれるだろうか?
「おい、リオン!」
セイヤが僕を呼んでいる。
目を開けたら見知らぬ若い男が、心配そうに僕を覗き込んでいた。
頭をひとつ振り、セイヤを捜す。
と、目の前の男が、溜め息を付き話し掛けて来た。
「オレだよ! オレ」
ポカンと口を開けていると、セイヤの声をした男は笑い出す。
「魔法使いが言ってただろ? ペ・ナ・ル・ティだよ。それに、お前だって……」
そう言って鏡を僕に突き出した。そこに居たのは、見知らぬ顔の美海と同じ、髪と瞳が黒い男だった。
「これが……僕?」
姿かたちがまるで違う。声まで……こんな。
「リオン、その格好じゃ『僕』は止めた方が良いぜ」
オカマみたいで気持ち悪い……
セイヤがそう言うのも、分からなくは無い。
年齢は同じ位でも、男らしい整った顔立ち、以前の僕とは違うタイプだ。
「セイヤは、余り変わらないのに何故、おれだけ? これじゃ美海が僕だって分からないよ」
「だから、ペナルティだって言ったじゃ無いですか」
後ろから突然、声を掛けられてびっくりして振り返ると、やっぱり知らない男の人が居た。
「わたしですよ。魔法使いです」
僕と一緒で姿かたちがまるで違う。
やっぱり髪と瞳の色で。それに何やら鼻の上に硝子みたいな物が2つ乗ってる。
「眼鏡と云う物です。これが無いと良く見えないのですよ」
さっきから感じた違和感がやっと分かった。
魔法使いは言葉使いまでもが変わってる。
「何で俺は、大して変わらないのかな? 姿かたちとか声とかも」セイヤが言う。
「分かりませんよ、人によって変化が違うのですから。幾ら鈍いあなたでも、他に出て来るかも」
そう言って魔法使いはクスリと笑った。
この時は、魔法使いの言葉が、とんでもない出来事の始まりだとは、まだ気が付いて無かったんだ。
「おい、リオン!」
セイヤが僕を呼んでいる。
目を開けたら見知らぬ若い男が、心配そうに僕を覗き込んでいた。
頭をひとつ振り、セイヤを捜す。
と、目の前の男が、溜め息を付き話し掛けて来た。
「オレだよ! オレ」
ポカンと口を開けていると、セイヤの声をした男は笑い出す。
「魔法使いが言ってただろ? ペ・ナ・ル・ティだよ。それに、お前だって……」
そう言って鏡を僕に突き出した。そこに居たのは、見知らぬ顔の美海と同じ、髪と瞳が黒い男だった。
「これが……僕?」
姿かたちがまるで違う。声まで……こんな。
「リオン、その格好じゃ『僕』は止めた方が良いぜ」
オカマみたいで気持ち悪い……
セイヤがそう言うのも、分からなくは無い。
年齢は同じ位でも、男らしい整った顔立ち、以前の僕とは違うタイプだ。
「セイヤは、余り変わらないのに何故、おれだけ? これじゃ美海が僕だって分からないよ」
「だから、ペナルティだって言ったじゃ無いですか」
後ろから突然、声を掛けられてびっくりして振り返ると、やっぱり知らない男の人が居た。
「わたしですよ。魔法使いです」
僕と一緒で姿かたちがまるで違う。
やっぱり髪と瞳の色で。それに何やら鼻の上に硝子みたいな物が2つ乗ってる。
「眼鏡と云う物です。これが無いと良く見えないのですよ」
さっきから感じた違和感がやっと分かった。
魔法使いは言葉使いまでもが変わってる。
「何で俺は、大して変わらないのかな? 姿かたちとか声とかも」セイヤが言う。
「分かりませんよ、人によって変化が違うのですから。幾ら鈍いあなたでも、他に出て来るかも」
そう言って魔法使いはクスリと笑った。
この時は、魔法使いの言葉が、とんでもない出来事の始まりだとは、まだ気が付いて無かったんだ。
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