12 / 20
陸編
2
しおりを挟む
「美海、どうしたの? ボ~ッとして」
香苗の言葉にハッと我に返った私は、もっと良く見ようと人垣を垣き分け前へ出た。
後ろから香苗が「どうしたのよ!」と言いながら追い掛けて来る。
何故かは、分からない。
でも、見失ってはならないという気持ちが、私を衝き動かしていた。
プールサイドをゴールに向かって、走って行く。
心臓の音がすぐ近くで聞こえる。速く、強く。
着いた時すでに、レースは終わっていて、プールから上がって来た男子達のその中に。
(王子さま?)
ボンヤリとした記憶の中の人魚の王子さまに似ている気がした。
そんな訳無い。それに髪と瞳の色が違う
だけど、頭では分かってはいるのだけど。
懐かしさが込みあげてきて涙が止まらない。
「美海! 本当にどうしちゃったの?」
香苗が私を呼んだ時、その男の子が振り返り私を見た。
二人の視線が絡み合い。やがて、男の子が私に微笑み。
そして、こう言った。
「なにか用? それとも、男の裸に興味でもあるのか?」
これが、アイツと私の最悪の出会いだった。
香苗の言葉にハッと我に返った私は、もっと良く見ようと人垣を垣き分け前へ出た。
後ろから香苗が「どうしたのよ!」と言いながら追い掛けて来る。
何故かは、分からない。
でも、見失ってはならないという気持ちが、私を衝き動かしていた。
プールサイドをゴールに向かって、走って行く。
心臓の音がすぐ近くで聞こえる。速く、強く。
着いた時すでに、レースは終わっていて、プールから上がって来た男子達のその中に。
(王子さま?)
ボンヤリとした記憶の中の人魚の王子さまに似ている気がした。
そんな訳無い。それに髪と瞳の色が違う
だけど、頭では分かってはいるのだけど。
懐かしさが込みあげてきて涙が止まらない。
「美海! 本当にどうしちゃったの?」
香苗が私を呼んだ時、その男の子が振り返り私を見た。
二人の視線が絡み合い。やがて、男の子が私に微笑み。
そして、こう言った。
「なにか用? それとも、男の裸に興味でもあるのか?」
これが、アイツと私の最悪の出会いだった。
0
あなたにおすすめの小説
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
一条さん結婚したんですか⁉︎
あさとよる
恋愛
みんなの憧れハイスペックエリートサラリーマン『一条 美郷(※超イケメン)』が、結婚してしまった⁉︎
嫁ラブの旦那様と毒舌地味嫁(花ちゃん)....とっ!その他大勢でお送りしますっ♡
((残念なイケメンの一途過ぎる溺愛♡))のはじまりはじまり〜
⭐︎本編は完結しております⭐︎
⭐︎番外編更新中⭐︎
あなたの片想いを聞いてしまった夜
柴田はつみ
恋愛
「『好きな人がいる』——その一言で、私の世界は音を失った。」
公爵令嬢リリアーヌの初恋は、隣家の若き公爵アレクシスだった。
政務や領地行事で顔を合わせるたび、言葉少なな彼の沈黙さえ、彼女には優しさに聞こえた。——毎日会える。それだけで十分幸せだと信じていた。
しかしある日、回廊の陰で聞いてしまう。
「好きな人がいる。……片想いなんだ」
名前は出ない。だから、リリアーヌの胸は残酷に結論を作る。自分ではないのだ、と。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
25番目の花嫁 ~妹の身代わりで嫁いだら、冷徹公爵が私を溺愛し始めました~
朝日みらい
恋愛
王都の春。
貴族令嬢リリアーナ・エインズワースは、第一王子ライオネル殿下との婚約を一方的に破棄された。
涙を見せないことが、彼女に残された唯一の誇りだった。だが運命は、彼女を思いがけない方向へ導く。
「氷の公爵」と呼ばれる孤高の男、ヴァレンティーヌ公爵。
二十四人の花嫁候補を断り続けた彼の元へ、「二十五番目の花嫁」として赴いたリリアーナ。
家の体裁のための結婚――そう割り切っていたはずなのに、氷のような瞳の奥に垣間見えた孤独が、彼女の心に小さな炎を灯してゆく。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる