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人食い9
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「そうだ、美緒と馬虎の間の子だ」
だから馬虎さんが殺された時、あれほどにこいつは悲しんでいたのか。
「けれど身代わりなんて誰が用意したの?」
「金雄よ。あいつは鈴鐘家の財産をすべて自分に寄越す代わりに、この家の秘密を口外しないことを誓った。そして美緒と馬虎は秘密裏に結ばれ、表面上では金雄が美緒の夫となっていた」
佐倉さんがどんどん鈴鐘家の闇を暴いていく。
「けれど馬虎と美緒の最初の子はあろうことか男の子だった。金雄は鈴鐘家の儀式なんてさして気にしていなかったようだけれど、途端に事業に失敗した。もしかしたら儀式で違う血を取り入れてしまったからかもしれない。それを魔女の呪いと恐れ、その男の子を殺そうとした」
「それが俺だ。だが、その俺を助けてくれた人がいる。当時城で働いていた四十八願さんだ」
佐倉さんの言葉を継いで、淡々と杏里が真実を語っていく。
「次いで美緒と馬虎の間に女の子が生まれると、一転事業は好調となる。そこで金雄は考えた。鈴鐘家の魔女の血は本物なのではないかと」
「だから、ギシキは再び行われてしまった。萌音にその血を受け継がせ鈴鐘家の、いや金雄の事業の繁栄を願うために」
くだらない、と杏里が呟いた。
「美緒さんが金雄に殺されたっていうのは本当?」
「さあ。けど金雄のやつ、美緒が死ぬなり再婚なんてしちゃって。案外、儀式を再開したのは後妻のせいなんじゃないかしら。どこまで本気か知らないけど、後妻の言うとおりに魔除けに各部屋に誕生石なんて配置して」
「雅さんは、儀式の存在を知っていたの?まさか――萌音ちゃんを道具にしようとしたのは、雅さん?やっぱり美緒さんは、金雄さんたちに殺されたんじゃ」
「でも、金雄に殺されようが、病死しようが、美緒が死んだのは当然の報いよ。自分の幸せと引き換えに、他人を殺した報いを受けたのよ」
そう返す佐倉さんの声には侮蔑が含まれていた。
「鈴鐘家に終止符を打ってやる。こいつらがいる限り、同じことが繰り返される。自分たちの繁栄を願うだなんて体の良いことを言っておきながら、その実身内の人間を喰らうような一族よ。食われた人間のことなんて顧みない、自分だけが良ければいいやつらじゃない。そんなやつら、生きている価値なんてないわ」
そうして再び、強い憎しみを瞳に燃え上がらせて佐倉さん、いや八重桜が包丁を杏里に向かって突き出した。
「あとこいつさえ殺せれば、私はどうなったって構わない。早いとこ、私はあの人のところに行きたいのよ」
「佐倉さん!」
『安里さん?』
ふわり、と中空でことの成り行きを見守っていた萌音が社の傍らに降り立った。他の誰にも見えないだろうその姿のはずなのに、杏里がまるで見えているかのように社の隣の空間に視線を向けた。
「萌音、お前は呪われた魔女になんてならなかったんだ。お前はだれも殺していない」
『安里さん……?』
「お前、萌音が見えるのか?」
「ああ、やっぱりそこにいたのか。エセ……いや、アンタは本物の霊能者らしいな、散々馬鹿にして悪かった。アンタのおかげで修も安らかに逝ったんだろ?」
「いや、僕は何もしてないけど……」結局、すべてを解いたのは杏里だ。それに僕は霊能者じゃないんですけど、と続けようとすると、
「今なら萌音が、なんでアンタを頼ったのかわかるような気もするよ」
とひどく優しい声音で返され、社は狼狽してしまう。これが本来の杏里の姿なのだろうか。
「萌音、お前は何もしていない。それに隠していてすまなかった。俺はお前の婚約者にはなれないんだ。俺は杏里。お前の兄だ。血のつながった兄妹だからな」
『兄妹……?』
何かを思い出そうとしているのだろうか。萌音が首を傾げる。首元には律儀にベールを巻いていてくれていて、社は悲鳴を上げずに済んだ。
「俺はあの儀式を止めるために萌音に近づいた。そのためには、お前を殺すことも考えた」
一瞬杏里の瞳に暗い影が映ったが、それを隠すように杏里は瞼を閉じた。
「けれど、お前は何もしなかった」
『そう、アタシは……アタシはなにもしてないの』
「そうだ、そしてお前がそうならないよう、ギシキを中断してくれたのがこの人だ。そして俺は、妹を手に掛けずに済んだんだ」
『あの人が……あの人に、アタシたちは殺されたの?』
「ああ」
これは、事件の原因解明が出来たと認めていいのだろうか。社は思わず自分の首元に手をやったが、そこがどうなっているのかはわからなかった。
『そう、そうなんだ。でも安里さんだけでも助かってよかった』
「良くなんかないさ、あの人の言うとおりだ、俺たちはこの世から消えるべき存在だ。俺ももうじきにそちらに行く」
『こっちに……?』
「ああ、さみしい思いをさせてごめんな、萌音」
『安里さん……ううん、杏里兄さん』
そこで杏里が視線を外し、佐倉へと戻す。澄んだ泉のような瞳だった。
「さあ、その刀で俺を刺せ。憎き鈴鐘家の人間だ、婚約者の敵を討ちたいんだろ?」
「ええ、そうよ、あんたたちのくだらない悪習のせいで、私の大切な人の命が奪われた」
「そうだ。愚かな悪習のせいで、一人の人間をおぞましい魔女に仕立てようとした。だからむしろ、あなたには感謝しているんだ。俺は探していたんだ、儀式を中断させてくれた人物に礼を言うためにな」
「礼じゃと?お前さんに良くしてくれた茉緒君も誠一君も、お前さんの本当の父親の馬虎君も殺した相手に感謝じゃなんて。それに十年前に、大切な萌音君の命まで奪っとるんじゃぞ」
「けれどそのおかげで萌音は人食いの魔女にならずに済んだ。さあ、殺せ。俺が憎いんだろう?お前の婚約者の命を奪った鈴鐘家の人間が」
「ああ、憎いわ、でも……」
そこでフ、と一瞬杏里が笑ったように見えたのは気のせいだろうか。
「嘘、なんでアンタ、嘘でしょ……?」
向けられた切っ先に向かって、杏里が身を乗り出した。スローモーションのようにその光景が社の目に映った。鋭い切っ先に、杏里の身体がズブズブと引き込まれていく。まるで飢えた獣のように刃を飲み込むと、静かに血が流れ出た。
「あ、杏里……」
「そう、それでいいんだ、これでようやく俺は、萌音のところに行ける」
「杏里、お前……」
「俺は、いや俺たちは、こうなるためにこの城に呼び寄せられたのかもしれないな。はは、やっぱりここは魔女の城だ。不思議な力に引き寄せられたんだろうな」
力なく笑って、杏里が力強く佐倉の包丁を持つ手を握った。そして、それをさらに深く自分の体内へと押し込んでいく。ガガッ、鈍い音が響く。骨に当たる音だろうか。その音に佐倉の震える声が重なる。
「あんた、なんで……」
「杏里!」
社は叫んだ、そして二人の間に割り入る。ダメだ、どんな理由であれ、死ぬなんてダメだ!
けれどどこにそんな力が残されていたのだろう、止めようとする手を杏里によって押しとどめられる。
「なんでだよ!」
そこでついに切っ先が命を捕らえてしまった。肺に達したのだろう、杏里の口からヒューヒューと掠れる音が聞こえたのち、咳き込み、そして血を吐いた。その血にまみれながら、杏里が倒れた。
「杏里君……」
残された生者らは、ただ茫然とその姿を見るしかできなかった。刃を向けていた佐倉も糸の切れた人形のようにへたり込んだ。まるでキリストの殉教を絵に描いたような場面に、急に光が差し込んだ。ホールの上部の小窓から差す光は、彼らを天使が迎えに来たかのように見えた。
その時社は確かに見たのだった。晴れやかな顔をして空に昇って行く萌音と、杏里の姿を。
だから馬虎さんが殺された時、あれほどにこいつは悲しんでいたのか。
「けれど身代わりなんて誰が用意したの?」
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「それが俺だ。だが、その俺を助けてくれた人がいる。当時城で働いていた四十八願さんだ」
佐倉さんの言葉を継いで、淡々と杏里が真実を語っていく。
「次いで美緒と馬虎の間に女の子が生まれると、一転事業は好調となる。そこで金雄は考えた。鈴鐘家の魔女の血は本物なのではないかと」
「だから、ギシキは再び行われてしまった。萌音にその血を受け継がせ鈴鐘家の、いや金雄の事業の繁栄を願うために」
くだらない、と杏里が呟いた。
「美緒さんが金雄に殺されたっていうのは本当?」
「さあ。けど金雄のやつ、美緒が死ぬなり再婚なんてしちゃって。案外、儀式を再開したのは後妻のせいなんじゃないかしら。どこまで本気か知らないけど、後妻の言うとおりに魔除けに各部屋に誕生石なんて配置して」
「雅さんは、儀式の存在を知っていたの?まさか――萌音ちゃんを道具にしようとしたのは、雅さん?やっぱり美緒さんは、金雄さんたちに殺されたんじゃ」
「でも、金雄に殺されようが、病死しようが、美緒が死んだのは当然の報いよ。自分の幸せと引き換えに、他人を殺した報いを受けたのよ」
そう返す佐倉さんの声には侮蔑が含まれていた。
「鈴鐘家に終止符を打ってやる。こいつらがいる限り、同じことが繰り返される。自分たちの繁栄を願うだなんて体の良いことを言っておきながら、その実身内の人間を喰らうような一族よ。食われた人間のことなんて顧みない、自分だけが良ければいいやつらじゃない。そんなやつら、生きている価値なんてないわ」
そうして再び、強い憎しみを瞳に燃え上がらせて佐倉さん、いや八重桜が包丁を杏里に向かって突き出した。
「あとこいつさえ殺せれば、私はどうなったって構わない。早いとこ、私はあの人のところに行きたいのよ」
「佐倉さん!」
『安里さん?』
ふわり、と中空でことの成り行きを見守っていた萌音が社の傍らに降り立った。他の誰にも見えないだろうその姿のはずなのに、杏里がまるで見えているかのように社の隣の空間に視線を向けた。
「萌音、お前は呪われた魔女になんてならなかったんだ。お前はだれも殺していない」
『安里さん……?』
「お前、萌音が見えるのか?」
「ああ、やっぱりそこにいたのか。エセ……いや、アンタは本物の霊能者らしいな、散々馬鹿にして悪かった。アンタのおかげで修も安らかに逝ったんだろ?」
「いや、僕は何もしてないけど……」結局、すべてを解いたのは杏里だ。それに僕は霊能者じゃないんですけど、と続けようとすると、
「今なら萌音が、なんでアンタを頼ったのかわかるような気もするよ」
とひどく優しい声音で返され、社は狼狽してしまう。これが本来の杏里の姿なのだろうか。
「萌音、お前は何もしていない。それに隠していてすまなかった。俺はお前の婚約者にはなれないんだ。俺は杏里。お前の兄だ。血のつながった兄妹だからな」
『兄妹……?』
何かを思い出そうとしているのだろうか。萌音が首を傾げる。首元には律儀にベールを巻いていてくれていて、社は悲鳴を上げずに済んだ。
「俺はあの儀式を止めるために萌音に近づいた。そのためには、お前を殺すことも考えた」
一瞬杏里の瞳に暗い影が映ったが、それを隠すように杏里は瞼を閉じた。
「けれど、お前は何もしなかった」
『そう、アタシは……アタシはなにもしてないの』
「そうだ、そしてお前がそうならないよう、ギシキを中断してくれたのがこの人だ。そして俺は、妹を手に掛けずに済んだんだ」
『あの人が……あの人に、アタシたちは殺されたの?』
「ああ」
これは、事件の原因解明が出来たと認めていいのだろうか。社は思わず自分の首元に手をやったが、そこがどうなっているのかはわからなかった。
『そう、そうなんだ。でも安里さんだけでも助かってよかった』
「良くなんかないさ、あの人の言うとおりだ、俺たちはこの世から消えるべき存在だ。俺ももうじきにそちらに行く」
『こっちに……?』
「ああ、さみしい思いをさせてごめんな、萌音」
『安里さん……ううん、杏里兄さん』
そこで杏里が視線を外し、佐倉へと戻す。澄んだ泉のような瞳だった。
「さあ、その刀で俺を刺せ。憎き鈴鐘家の人間だ、婚約者の敵を討ちたいんだろ?」
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「けれどそのおかげで萌音は人食いの魔女にならずに済んだ。さあ、殺せ。俺が憎いんだろう?お前の婚約者の命を奪った鈴鐘家の人間が」
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「杏里、お前……」
「俺は、いや俺たちは、こうなるためにこの城に呼び寄せられたのかもしれないな。はは、やっぱりここは魔女の城だ。不思議な力に引き寄せられたんだろうな」
力なく笑って、杏里が力強く佐倉の包丁を持つ手を握った。そして、それをさらに深く自分の体内へと押し込んでいく。ガガッ、鈍い音が響く。骨に当たる音だろうか。その音に佐倉の震える声が重なる。
「あんた、なんで……」
「杏里!」
社は叫んだ、そして二人の間に割り入る。ダメだ、どんな理由であれ、死ぬなんてダメだ!
けれどどこにそんな力が残されていたのだろう、止めようとする手を杏里によって押しとどめられる。
「なんでだよ!」
そこでついに切っ先が命を捕らえてしまった。肺に達したのだろう、杏里の口からヒューヒューと掠れる音が聞こえたのち、咳き込み、そして血を吐いた。その血にまみれながら、杏里が倒れた。
「杏里君……」
残された生者らは、ただ茫然とその姿を見るしかできなかった。刃を向けていた佐倉も糸の切れた人形のようにへたり込んだ。まるでキリストの殉教を絵に描いたような場面に、急に光が差し込んだ。ホールの上部の小窓から差す光は、彼らを天使が迎えに来たかのように見えた。
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