偽りの勇者

鷲野ユキ

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第一章

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水曜日。ともすればだるみがちな週の半ば。それはなにも会社員に限ったことではない。学生だってそれは同じだ。むしろゆとり世代も終焉を迎え、土曜も通勤ならぬ通学をしなければならない学生こそ大変ではないか。まして慧は毎日5時間、週5でバイトまでしているのに。
だからこの日、慧はぎりぎりまで起きなかった。たとえテレビが騒ごうとも、それを見ている人間がいなかろうとも。
昨日の今日だけど、姉は例の彼氏と仲直りでもしたのだろうか。連続でデートできるほど、彼女の仕事はゆとりがあっただろうか。
この日も雨だった。天気予報の精度は年々向上している気がする。今年だって、気象庁が4月に都内で積雪の予報を流したときはさすがにバカな、と思った。けれど実際雪が降ったのだ。
桜を見ながら雪見酒が出来ますねぇ。なんて天気予報のおじさんが呑気に言っていた。ただあれで「積雪」だなんて言うのは、東北出身の慧からすればナンセンスではあったけれど。
だからこの雨も当分止まないのだろう。姉が家に帰らないのは逆に幸いだろうか。主に制服で過ごす慧より、洗濯物の嵩を増やすのは姉の方だったから。洗濯機も時計も、依然壊れたままだ。
時間だ。テレビを消して彼は家を出る。ボロアパートの階段の下、無理やり屋根の役割を課せられたその場所に置かれた自転車を引きずり出す。残念ながらその役割は果たせていない。カバンの中からタオルを出して、濡れた車体を拭いてまたがる。無意識で行う一連の流れ。
そしてそのまま学校へ向かい、授業を受けて、友達とくだらない話で盛り上がり、バイトに行ってクタクタになって帰ってくる。そして眠る。
「なんてつまらない人生なんだ!せめて放課後俺たちと遊ぼうぜ。塾なんかサボるからさ、田中んちでゲームやろうぜ」
河野あたりならそう言うかもしれない。彼は時折息抜きと称して、親にあてがわれた塾をサボっているらしい。勉強なんていつだってできるだろ。けれど青春は今しかないんだぜ?などとうそぶきながら。
「ええ、また僕んち?ダメだって、ねーちゃんが嫌がるんだよ、うるさいって。それよりさ、いつもんとこ行こうよ。新しいやつ食べたいんだよね」
あるいは田中ならこう言うのだろう。あとはそうだな、たとえば彼女はこう言ってくれるかもしれない。
「村上君、頑張りすぎだよ。ほら、私とデート行かない?」
想像の中で水野がほほえむ。慧だって女の子が嫌いなわけじゃない。面倒だなと思うだけだ。けれど一度くらい、たとえこの先に待ち構えているクリスマスを凌ぐための消耗品だとわかっていても、遊ぶくらいは構わないではないか。
だって茜姉だって、彼氏とそういうことしてるんだろ?
なんだか胸のあたりがもやもやする。気持ち悪いな、自分。
危ないとわかりつつもつい面倒だから、という理由で片手に傘を差し、チャリンコを漕ぎながら慧は自己嫌悪にさいなまれる。
そういえば今日の占いで最下位だったっけ。朝のニュース番組に必要なのかわからない情報。カトリーヌ綾子の星座占い。
『残念、ふたご座は最下位です。ラッキーアイテムはアロエ』
テレビでそう言ってた気がする。だからかもしれない、こんなこと思って勝手に凹んでいるのは。けれどさすがにアロエを持ち歩くわけにもいくまい。沈んだ気持ちのまま学校に着く。
その日の昼は珍しく、河野にも、田中にさえもフラれてしまった。
「ごめん、すっかり忘れてたんだけど今日ミーティングらしいんだ」
文化祭実行委員。文化祭のときだけしか仕事がないから楽だよな。それに俺、こういうにぎやかなイベント大好きだし?
そう言って彼はこの委員に候補していた、ような気もする。
なにせ普段は全く何もやっていないのだから、慧が覚えていないのも無理はない。いやむしろ、本人だって忘れてたぐらいなのだし。
ならば田中と二人きりか。あまり二人だけでつるんだ思い出がない田中とは、実は二人きりだと少し緊張する。大体いつも、河野が話題を振ってくれるからだ。田中も慧も、あまり自主的に話すタイプではない。下手をしたら無言の休憩時間が始まってしまうかもしれない。
しかし慧がそう心配したことは、あっけなく杞憂に終わってしまった。
「ごめんね村上君。今日河野君もいないのに……僕、先輩に呼び出されちゃって。『秋の作品展、出品するつもりあるの』って、すっごい怒られちゃって。だから……」
見た目こそ野球少年(しかもベタなキャッチャーのような)姿の田中であるが、意外や意外、その実美術部などというハイソな文化部に所属していたりする。
なぜ彼が美術部なのか?それは慧にも、慧より付き合いの長い河野にもわからぬ謎であるが、これでも中学ではいろいろな賞を取ってきたらしい。詳しくないものから見れば幼稚園児の落書きか?と思うような出来栄えだが、その手の審美眼を持つものからすれば稀有な才能にあふれている、ということになるらしい。
まったく人は見かけによらないものである。
「そうか、昼休み削ってまで描かないといけないんだ、大変だな」
呑気に部活サボって遊んでるから間に合わなくなるんだよ。
そういうツッコミは心の奥にしまいこみ、あくまでも理解のある友人として、先輩に引きずられていく彼の姿を見送った。
さて、どうしようか。残されたのは俺一人。ぼっちで教室で飯食うのも、別に俺は構わないんだけど。でも周りの目がそうさせないんだよなぁ、困ったなぁ。
閉ざされた空間、狭い世界。それが学校というものの実態だ。広く世を見渡せば、一人で食事をとっている人間など数多いるというのに。けれどこの世界では、その行為はまるで絶滅危惧の希少生物のような居場所のなさを感じさせる。
困ったときの避難場所・屋上は雨でくつろぐどころじゃないし、いくら一人きりになれるからってトイレの個室で飯を食うほど追いつめられてはいない。
だから彼はとりあえず耐え忍ぶことにした。なに、たかが数十分だ。べつにカワイソウな目で見られたって、俺はぜんぜんカワイソウなんかじゃない。たまたま、たまたま友人が出払ってしまっただけで。でもこんなことならアロエ、どこからか調達して持ち歩くべきだったろうか。いやアロエを持ち歩く高校生の方が怖くて引かれるわ。
億劫ながら購買まで行き、適当に食べ物を仕入れ席へと戻る。彼の席の周りでは、いつも通り数人程度の小さなグループがポツポツとできていた。そのなかでアンパンをコーラで流し込むという行為に走った彼のもとに一人、話しかけてくるものがあった。
「めっずらしー。村上君、今日ひとり?」
このやたらと言葉を弾ませて語りかけてくるのは、ああ水野だ。
「……ああ、河野は文化祭の打ち合わせ、田中は部活だって」
「へえー、田中君って部活なんてやってたんだ。意外―」
さして興味もなさそうに水野が返す。河野については特に触れもしない。
なんかごめんな、河野。
「何か用?」
しかし今日はその河野がいないのだ。誰も助け舟など出してはくれない。どんな意図があって彼女が自分に話しかけてきたのか。いやクリスマスに備えて彼氏候補生として話しかけてくれたのかもしれないが、河野や田中の言葉に浮かれてあまり調子に乗らないほうがいいだろう。もしこれで急に俺が彼氏づらでもしてみろ。おそらく彼女は俺に対して興味など失うに違いない。そういうものなんだ。
だからそんなそぶりなどみじんも見せず、慧はとりあえずそう返す。用があれば彼女が勝手に話してくるだろう。何も俺が気を遣って、会話を盛り上げてやる必要もあるまい。
「そうそう!昨日は外野がうるさくって聞けなかったんだけど。村上君、勇者様に会ったんだって!?」
勇者様。ああ、そういえば会ったっけ。あれは週初めの月曜か。つい先日のことだというのに、あまりに現実離れしていたものだから忘れていた。いや、忘れたかっただけなのかもしれないが。
「うーん、会ったっていうより見かけただけだったけど」
慧は無難にそう返す。
「やっぱり!?みんな村上君から勇者様の話聞きたがってるよ。えーいいなぁ勇者様。超エリートじゃん、私もお近づきになりたいなぁ」
ふーん、そういうことね。恐らく河野辺りが彼女の気を引く為に拡散したのだろう。仕事の速い奴だ。昨日の今日でクラス全体に行き渡っているとは。
「だから、見かけただけだって」
「それでもいいから!だってメディア顔出しNGなんでしょ、勇者様。うっかり録画でもしようもんなら捕まるって噂だし」
「そうなんだ」
それは慧も知らなかった。けれどあんな騒ぎになったんだ。誰かしらスマホで録画しててもおかしくなさそうだけれど。
「やだ、ホントかどうかは知らないよ。けどぜんぜんテレビとかでニュースにならないし。現場の公園の映像とかしか流れないじゃん、朝のニュース。ねえねえ、どんなだった?」
好奇心丸出しで、水野が天性の押しの強さで慧に迫ってくる。別に草食系男子を気取っているわけではない。けれど彼はこういう女性は苦手だった。だからあっけなくこう返す。「なんか暗かったからさ、ぜんぜんわからないんだ。刀みたいなのを腰に差してたような気はしたけど」
「幾つぐらいの人?若いのかな。それともダンディなおじさま?」
「だから知らないよ、遠くでしか見てないんだから」
それでも食いついてくる彼女を疎ましく思いつつ、けれども慧は必死に思い出そうとしていた。
そういえば俺は街灯の下で、彼と対面したのではなかったか。けれども全く思い出すことが出来ない。どんな顔だったか。どんな髪型?背格好は?あれ、どんな声だったっけ?鋭い目つきばかりが思い起こされる。それ以外をなぜ思い出せない?
「うーん、あえて特徴を消してるのかな。あれかな、粛清が済んだら、やじ馬に紛れ込めるようにフェイクしてるのかもね」
そう言われればそうかもしれない。最初現れた時こそ彼は刀を差していたけれど、街灯のもと、慧に声をかけてきた彼は腰に何も差していなかったような気もする。
じゃあどのくらいの身長だった?体格は?ああ、いくら夜深く闇の中の出来事だったとしても。なんで俺はこんなにも、彼のことを覚えていないのだろう。
向こうは俺を知っているというのに。
「じゃあなおさら俺が覚えてるわけないじゃん。勇者は、まわりに溶け込んで気配を消してるってことだろ。忍者みたいじゃん」
「えー、勇者様は勇者様だよ。忍者とは違うよ、公務員なんだから」
そこで彼女はいつも通り、ふいに興味を失ったらしい。
なんだざんねーん、村上君勇者様のことよく見てないんだって。
そうクラス皆に言うかのように大きな独り言を呟いたのち、彼女はまた渡り鳥のように次のグループに飛んでいく。
案外、あいつも居場所がないのかもしれないな。そんな水野の背中を見ながら、慧は残りのパンを胃の中に流し込む。
口の中がひどく甘ったるい。まったく、なんでまた俺は懲りもなくコーラなぞ買ってしまったのだろう。水。水だ。そうだ、水が欲しい。
ふと外を見やれば止まない雨が降っていた。あれだけ水があれば消えるのに。何が?ああ、この喉の渇きに決まってるじゃないか。バカだな、雨水を飲む奴なんかいるもんか。ましてこんな汚れた都会の雨水など。
彼はそう思うと、降りしきる雨から目を離した。ずらした焦点が結ぶ、ガラスに映る己の顔を見ないように気を付けながら。

             *

この日、バイトは休むことにした。
稼がなければ、と思いつつも、なぜ俺だけがこんなに苦労しなければならないのだ、とも思えてならなくて。
田中はそのまま放課後も部活の先輩に拉致られて、河野もいい加減塾行っとかないと親がうるさいからさぁ。と散ってしまった。
だから彼がバイトを休む理由なんて特にない。むしろこんな手持無沙汰な時こそするべきなのだ、学生のバイトなんて。そうすれば無為な時間を過ごさずに済む。
けれども彼はなんだか嫌だった。俺は暇だからバイトしてるんじゃないんだ。金が必要だから働いてるんだ。
けれど貧乏なんだ、カワイソウだね、とは思われたくはない。親御さんがいなくて苦労してるんだねぇ。そんな同情を装った優越感など与えられたくない。
だからあえて彼はこの日に、特に何もすることのないこの日に、バイトを休むことにした。
なに、簡単だ。体調が悪くって、すみません。ああ、急に寒くなったし、長雨のせいかもしれません……。
そう一報入れるだけで、あの人の良い店主は納得してくれるだろう。疑うことなどせずに、村上君大丈夫かなぁ。などと心配してくれるのだ。
騙しているような気もして気が引けるが、気の乗らない状態でも働けるほど、慧は働くことには慣れていない。ならば割の悪い賃金を払わせるのも相手に悪いだろう、そう解釈することにした。
そうして得た自由を手に、彼は傘を片手に自転車を漕いで、いつものバイトの帰り道を走っていた。すでに遠い昔の出来事のような、ついおとといに起こった出来事、その現場に。
まるでそこに来さえすれば、彼のことがわかるのではないか、という期待を胸に。
あれだけ凄惨な出来事が起こったんだ。もしかしたらまだ、立ち入り禁止になっているかもしれない。そんな慧の心配はあっけなく散ってしまった。
立ち入り禁止と書かれたテープを張り巡らせるでもなく、雨の中、その公園はいつものように存在していた。さすがにこの雨のせいで、人影はおろか、野良猫の姿も見当たらなかったが。
住宅街の中にある割にはやや広めのこの公園は、中心部に小さいながらも噴水をもち、夏場はよくそこで遊ぶ子どもの姿を見かけたものだ。けれどもう秋も深まったこの時期となっては、水を止めているのかその影もない。
慧が居合わせた事件現場は、その噴水とは反対側の入口の、やや大きい通りに面した入口を少し入ったところだった。なぜ犯人はこんな場所で凶行に至ったのだろう。こんな場所だと、それこそ慧のような通行人に見つかってしまうかもしれないというのに。もっと奥まで行けば、夜の公園だ。人目につかない場所などいくらでもあるではないか。
そんな疑問が慧の頭にもたげてくる。いいや、わかるもんか、犯罪者の心理なんて。きっと通りを歩いていた被害者女性を、衝動的に近くの茂みに連れ込んだんだろう。
獣のような本能、動物的反応。魔物にそこまでの判断力などないのだろう。
入口に自転車を止め、傘をそのまま差しながら現場へと向かう。凄惨な状況が慧の脳裏に浮かびあがる。遠目で見ただけで詳細を知りえないはずの慧の脳が、空いたピースを想像力で埋めようとする。
飛び散った鮮血、汚物にまみれた被害者の身体。ありありと思い浮かぶその景色。
まるでどこかで、本当に間近で見たかのような景色。思わず足がすくみかけるが、まさか血痕を白々と残しておくほど日本の警察は愚かではないはずだ。そう思い直して、茂みの中をそっと、誰かに見つかるのを恐れるかのように覗きこんだ。
そこには、当たり前だが何もなかった。慧の脳が思い浮かべたような情景など何も。
ほっとすると同時に、なんの手がかりもないこの場所に、なぜ自分はわざわざ来てしまったのだろうという後悔の念が彼を襲った。
やっぱりバイト行けばよかったかな。それとも、こんな寒くて雨の日なんて、さっさと家に帰って寝てしまったほうがよかったんじゃあないか。
そのとき、不意に気配を感じたような気がした。
誰だ!?とっさに振り返るが、そこには誰もいない。気のせいか?心臓が早鐘を打つ。寒いというのに、慧はじっとりと汗をかいていた。鼓動が収まってくると、途端に指先の寒さを感じてきた。
なんだ、気のせいに決まってるじゃないか。まさか勇者が再び現れるだなんて、そんなことあるわけない。また会おうだなんて意味深なことを言うから、ほら必要以上にナーヴァスになってしまったではないか。
あるいは彼は、一人の何もできなかった少年に希望を持たせるために言っただけなのかもしれないのだ。『君も努力すれば、超エリート公務員の勇者になれるはず。さあ君も勇者となって、また俺と会おうではないか』そんな意味合いで。
なんだか肩透かしを食らったような気がして、慧はそのままとぼとぼと入口まで戻っていった。濡れた車体を拭こうとカバンの中に手をつっこめば、河野から借りたハンカチがそのまま忘れ去られていた。
ああ、早く返さないと。そう思いながらタオルを漁り、濡れたサドルを拭く。今日こそ、残りの洗濯物をコインランドリーに持って行ってしまおう。それでこのハンカチも一緒に洗ってしまえばいい。
そう考えたとおりに彼は行動した。家に戻り、洗濯物の処理をし、シャワーを浴びる。思わず視線を時計に向けるが、ああ止まったままだったっけ、と思い出す。そういえば今何時なんだろう。
朝のニュースじゃあるまいし、夜時はテレビだって時間の表示などしてくれない。そこでスマホのホーム画面を開く。夜の7時。時間を認識したとたんに空腹を覚え、冷蔵庫を漁って適当に腹に詰め込んでおく。姉の分はどうしようか。いや、何時に帰ってくるかわからないし、そもそも帰ってこないかもしれない。ならば用意するだけ無駄だ。腹が減ってりゃ自力でなんとかするだろう。彼女は立派な大人なのだから。
そこまですると、慧は敷きっぱなしの布団の上に倒れこんだ。メールが何件か来てたなぁ。もしかしたら鈴木さんが俺のことを心配して、寄越してくれたのかもしれない。
でも、返信するのも億劫だ。何しろ俺は今、体調不良で寝てることになってるんだから。
そうだ、もう寝よう、寝てしまおう。それが一番手っ取り早い。そうすれば無駄なことなど考えないで、時間が翌日を彼のもとに自動的に運び込んでくれる。そう思い彼は手にしたスマホと意識を手放した。
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