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3話 この中に一人嘘つきがいる
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「まずは謝らせてください。皆さん大変な時にひとり寝ていてしまったみたいで……。すみませんでした。」
今がどういう状況なのか。モニターに映された文字はどういうことか。など話し合うべきことはたくさんあったが、何はともあれ俺の自己紹介がまだという事となり、今は俺と他4人が向かい合う形をとっている。俺の謝罪に対する反応は様々だが、怒っている人はいないようだ。良かった。
昨今では男に女性のような名前を付けたり、その逆のようなこともある。なので俺の本当の名前を名乗ってもでも大丈夫だとは思う。
しかし、もし本当に俺たちは監禁されていてあのモニターに書かれていたことが実行されるとしたら、俺が本当は男だという事がばれると“罰”を受けるらしい。流石に命までは取られないと信じたいが、”罰“が何なのかわからない以上はごまかした方がいいだろう。
何せ相手は一晩で俺の体を”女“に変化させてしまうほどの存在だ。受け入れがたいことではあるが、こうなった以上は受け入れるしかないだろう。
もし俺がこのモニターの言う“女”であるのなら、彼女らの中から“付いている”人を探せばいいだけなので俺はここでいう”男“で間違いないだろう。体は女体化してしまっているが。
幸いにも俺はこれまでにあまり多くしゃべっていない。というより“話す隙がなかった”といった方がいいかもしれない。声も女性のようだし、口調は丁寧語で話せばすぐに墓穴を掘ることもないだろう。何とかなると信じるしかない。
「私は二階堂陽菜と申します。高校1年生です。」
俺は苗字をそのまま名前を陽菜ヒナと名乗ることにした。姉の名前を使ってもよかったが、この中に姉と面識のある人がいないとも限らない。
「ヒナ! あなたヒナっていうのね!」
夏美が興奮気味に体を乗り出す。そのフレーズはトト〇以外では使ってはいけない気がするが細かいことは気にしないことだ。細かいことは気にしない。それが俺の良いとことでもあり悪いところでもある。
「昨日は普通に夜寝ていて、起きたらここにいました。おそらく皆さんと同じ状況だと思います。」
これまでの4人の行動から、おそらく全員初対面なのだろう。なら状況は俺の体に変化があったことを除けば4人とも俺と同じだろう。このことは俺の服装と4人の寝巻同然の服を着ていることからも明らかだろう。というか女として、俺の着ているジャージは色気の面からみても絶望的すぎる。まあ男物の服を着ていなかっただけマシと思うしかない。
「服装は昨日寝ていたもののままなのでスマホ等、通信機は持っていません。どなたかスマホを持っていたりしないでしょうか?」
一縷の望みにかけそう尋ねたがこれは望み薄だろう。思った通り皆首を横に振る。まあどちらにせよここに監禁した人が、俺たちにスマホを持たせるなど考えにくい。
「ねえ! 貴女なのでしょう? 私たちを監禁した男って!」
ビクッと内心冷や汗をかいたが、どうやら俺のことではないらしい。涼音は菫に向って啖呵を切っていた。
「え~ そうかしら。なんだか照れるわね~。」
「ふざけないで! もし可能性があれば貴女しかいないでしょう?」
どうやら涼音は盛大に勘違いしているらしい。というか他に当たるあてがなく、とりあえず菫に突っかかっているのだろう。ナイスです、菫さん! 俺としては2人には対立していてもらった方が都合がいいのでこのままにしておこう。
「そう思うんならスミを “報告”すればいいんじゃない? アレに書いてあったことを信じるなら、それでここから出られるハズでしょ!ヒナもそう思わない?」
夏美が俺に同意を求めるが、この流れは”良くない”な。もしも“報告”がこのゲーム内で1度しかできないのであれば止める必要はない。しかし、もしも何度でも“報告”することが可能であれば極端な話5人全員を“報告”する流れにならないとも限らない。
それに……俺の中で邪な気持ちが芽生え始める。俺は涼音を説得にかかることにした。
「私は、やめた方がいいとおもいます。」
「どうして⁉ 彼女以外いないでしょう?」
「そうかもしれませんが、もし違っていた場合私たちを含め、何をされるかわかりません!」
「そ、そうかもしれないけど!」
「それに、もし合っていた場合でも菫さんがどうなるかわかりません! ”質問”もできるようですし。…なので私は、“報告”するのは少なくとも”確認”してからの方がいいと思います。」
「え? そ、それって……」
はい。ご明察♡ 見せあいっこしましょうや。お姉さん♪
今がどういう状況なのか。モニターに映された文字はどういうことか。など話し合うべきことはたくさんあったが、何はともあれ俺の自己紹介がまだという事となり、今は俺と他4人が向かい合う形をとっている。俺の謝罪に対する反応は様々だが、怒っている人はいないようだ。良かった。
昨今では男に女性のような名前を付けたり、その逆のようなこともある。なので俺の本当の名前を名乗ってもでも大丈夫だとは思う。
しかし、もし本当に俺たちは監禁されていてあのモニターに書かれていたことが実行されるとしたら、俺が本当は男だという事がばれると“罰”を受けるらしい。流石に命までは取られないと信じたいが、”罰“が何なのかわからない以上はごまかした方がいいだろう。
何せ相手は一晩で俺の体を”女“に変化させてしまうほどの存在だ。受け入れがたいことではあるが、こうなった以上は受け入れるしかないだろう。
もし俺がこのモニターの言う“女”であるのなら、彼女らの中から“付いている”人を探せばいいだけなので俺はここでいう”男“で間違いないだろう。体は女体化してしまっているが。
幸いにも俺はこれまでにあまり多くしゃべっていない。というより“話す隙がなかった”といった方がいいかもしれない。声も女性のようだし、口調は丁寧語で話せばすぐに墓穴を掘ることもないだろう。何とかなると信じるしかない。
「私は二階堂陽菜と申します。高校1年生です。」
俺は苗字をそのまま名前を陽菜ヒナと名乗ることにした。姉の名前を使ってもよかったが、この中に姉と面識のある人がいないとも限らない。
「ヒナ! あなたヒナっていうのね!」
夏美が興奮気味に体を乗り出す。そのフレーズはトト〇以外では使ってはいけない気がするが細かいことは気にしないことだ。細かいことは気にしない。それが俺の良いとことでもあり悪いところでもある。
「昨日は普通に夜寝ていて、起きたらここにいました。おそらく皆さんと同じ状況だと思います。」
これまでの4人の行動から、おそらく全員初対面なのだろう。なら状況は俺の体に変化があったことを除けば4人とも俺と同じだろう。このことは俺の服装と4人の寝巻同然の服を着ていることからも明らかだろう。というか女として、俺の着ているジャージは色気の面からみても絶望的すぎる。まあ男物の服を着ていなかっただけマシと思うしかない。
「服装は昨日寝ていたもののままなのでスマホ等、通信機は持っていません。どなたかスマホを持っていたりしないでしょうか?」
一縷の望みにかけそう尋ねたがこれは望み薄だろう。思った通り皆首を横に振る。まあどちらにせよここに監禁した人が、俺たちにスマホを持たせるなど考えにくい。
「ねえ! 貴女なのでしょう? 私たちを監禁した男って!」
ビクッと内心冷や汗をかいたが、どうやら俺のことではないらしい。涼音は菫に向って啖呵を切っていた。
「え~ そうかしら。なんだか照れるわね~。」
「ふざけないで! もし可能性があれば貴女しかいないでしょう?」
どうやら涼音は盛大に勘違いしているらしい。というか他に当たるあてがなく、とりあえず菫に突っかかっているのだろう。ナイスです、菫さん! 俺としては2人には対立していてもらった方が都合がいいのでこのままにしておこう。
「そう思うんならスミを “報告”すればいいんじゃない? アレに書いてあったことを信じるなら、それでここから出られるハズでしょ!ヒナもそう思わない?」
夏美が俺に同意を求めるが、この流れは”良くない”な。もしも“報告”がこのゲーム内で1度しかできないのであれば止める必要はない。しかし、もしも何度でも“報告”することが可能であれば極端な話5人全員を“報告”する流れにならないとも限らない。
それに……俺の中で邪な気持ちが芽生え始める。俺は涼音を説得にかかることにした。
「私は、やめた方がいいとおもいます。」
「どうして⁉ 彼女以外いないでしょう?」
「そうかもしれませんが、もし違っていた場合私たちを含め、何をされるかわかりません!」
「そ、そうかもしれないけど!」
「それに、もし合っていた場合でも菫さんがどうなるかわかりません! ”質問”もできるようですし。…なので私は、“報告”するのは少なくとも”確認”してからの方がいいと思います。」
「え? そ、それって……」
はい。ご明察♡ 見せあいっこしましょうや。お姉さん♪
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