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6話 この中に一人調教済みの人がいる

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 ――――――――――ぐちゅっ、ちゅぱっっ……んれぇろぉ~~~~



 小さな部屋の中に卑猥な水音が響く。



 ちろっ……ちゅぷっ、あむっ……じゅっっ、ちゅぱっ……



 「夏美さん」



 ちゅっ、じゅっ……ちゅぷっ、じゅるるるるる……んれ~~~



 「夏美さん!!」



 夏美は、いまだに気を失っている少女の顔を舐めしゃぶり続けていた。



 「はむぅっ……あむっ♡、れろれろ~~じゅ、じゅるるっっ……むっちゅうっ……き、きゃあ!」



 「さすがにもう5分以上経っているわ。それに、それ以上続けたら本当に陽菜さんが死んでしまうわ。」



 涼音は夏美の肩をつかむと強引に振り向かせた。



 「え?」



 夏美はすっとんきょうな声をあげてベッドに横たわる少女を見る。彼女の栗色のショートボブは乱れて、少し絡まっている。上下赤のジャージははだけてしまっており、夏美ほどではないがそこそこ大きな胸があらわになっている。



 少女はときおりピクピクと胸と股間を動かしているが、はっきり言ってほとんど死にかけていた。



 彼女の体やベッドのシーツは、汗なのか唾液なのか愛液なのかわからない液体で濡らされている。



 「ヒ、ヒナ!! ごめん。つい夢中になっちゃって!」



 夏美は少女の体を激しくゆする。しかし少女の体からは、まるで魂が抜け落ちてしまったかのように力が入っていない。残りの者もどうすればよいか分からず、ただ眺めていた。



 しばらくして少女はやっと目を覚ました。



 「よ、よかった! ごめんね、ヒナ! 大丈夫だった?」



 少女はおぼろげな瞳でゆっくりと夏美を見つめる。そして少女はすぐに口元をにへらとゆがませた。



 「えへぇ~、なしゅみしゃまぁ~~、らぁいしゅきれすぅ~」



 まるで目をハートマークにするかのように夏美を見つめる。そしてぎゅっと夏美を抱きしめ夏美に頬ずりをする。



 「なしゅみしゃまの匂いぃ~しゅっきぃ~」



 「ちょっと! いつまで寝ぼけてるのよ! 陽菜さん。あなたのことは頼りにしてるんだからしっかりしてください!」



 涼音は少女をまくし立てた。しかし



 「だれぇ?」



 少女はまるで涼音と初めて会ったかのような反応をする。



 「あーもう! 夏美さん、あなたは一度陽菜さんから離れなさい! というか、しばらくあなたたちは離れていなさい!」



 涼音はそういうと夏美と少女を強引に引き離した。夏美は申し訳なさそうな顔で、少女は悲しむような表情で。



 「あ、あの……それで、”お題”はどうなったのでしょうか。」



 今まで黙っていた由紀は、場が落ち着いたのを見計らって尋ねた。



 「確かにそうね。明らかに条件は達成していると思ったのだけれど。……でも、あれは『男性がいる。』などと嘘をついたように、はっきり言って信用できません。」



 涼音はいら立ちを隠そうともせずにそういった。と、そのとき菫が声を上げた。



 「あ~、みて~~これ♪、空いたわよ~。」



 何と、今まで鍵がかかり閉まっていたはずの部屋のドアが開いたのである。



 「さすがわたし~~、おてがらね~♪」



 「た、確かに否定はできないけれども。貢献度でいえば1%くらいかしら。」



 涼音は口調こそ変わらないものの、明らかに機嫌がよくなっていた。



 「よしっ! 扉が開いたのなら、もうこんなところさっさと出ましょ。」



 涼音はそういうと菫の脇を通り抜け扉の外に出た。



 涼音が部屋を出ると、彼女に続き菫、由紀、夏美、少女の順で外に出た。ちなみに涼音は、すでに夏美と少女の距離が近くなっていることには気が付かなかったようだ。



 「う~ん、なんていうか、まるで……」



 部屋の外は廊下につながっており、今出てきたものと同じような扉がいくつも並んでいる。まるでホテルである。



 「あ~、空いたわよ~ここも~」



 「ちょ、菫さん! 勝手にって……はぁ……」



 どうやら涼音は自分では菫を制御できないとあきらめたようだ。



 菫は自分たちのいた部屋の向かいの扉を開いていた。向かいの部屋の中は、あの大きなモニターこそないもののほとんど先ほどいた部屋と同じである。



 「陽菜さん、少しは落ち着きましたか?」



 「はい。大丈夫です涼音さん。もう落ち着きました。ごめんなさい、また迷惑をかけてしまって。」



 「まったく。あなたのせいです、夏美さん。他に方法はなかったの? あそこまでする必要は無かったんじゃない?」



 「あ、あはは……ちょっと勢い余ってね☆」



 夏美は上目遣いで涼音を見上げ、ちろりと赤い舌を出す。夏美を見る少女の目が明らかにおかしいが、やはり外に出られた開放感からか、涼音には気が付けなかったようだ。



 「はあ……まあいいわ。とにかくこんなところ早く出ましょう。ほら、廊下の奥、階段が見えるわ。」



 「あれぇ~、こっちは開かないわねぇ~」



 「ほら、菫も行くわよ!」



 「あん、涼音ちゃんごうい~ん」



 涼音たちは菫を引き連れ階段を降りるのだった。
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