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消えた課題
消えた課題3
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「なんですって!?」
綾の報告を受けた推理は怒声をあげ振り返る。
そのままの勢いで綾をはじき飛ばすと、ドンと鈍い音が準備室内に響き渡る。
どうやら弾みで棚の角に足をぶつけてしまったようだ。
「推理ちゃん。痛いよー」
膝を抱えてうずくまる綾には見向きもせず、推理は綾が見ていた棚の中を覗き込む。
「大丈夫ですか?」
葵木はと言えば、すぐに綾の元へ駆け寄っていた。
抜け目がないというかなんというか。
そんな二人を尻目に、愕然とした表情で振り返る推理。
「ない。本当にないわ」
「そんなに大切なものだったんですか?」
「そんなの、大切も大切よ。真理部が真理部である根源。真理部が守り通さなければならない至宝なのよ!藤野真理さんがこの部に残した最後の遺産なんだから」
「母さんが……?」
ポツリと漏らした真悟の言葉を推理は聞いてはいなかったようで、両手で自分の頬を叩くと、不敵な笑みを浮かべた。
「あーあ。私、なんで動揺しちゃってたんだろう。こんなとき、真理部の部員であるなら、藤野真理さんだったら、どうするかなんて単純なことなのに」
綾に手を貸して立ち上がらせた葵木は、そのままの勢いで振り返り、口を開く。
「何をするつもりなんです?」
「阿部くんならわかっているわよね?」
真悟は幼い頃に過ごした母、真理とのやり取りや思い出を思い出し、間髪入れずに答えた。
「犯人を探すんじゃないですか?」
「グッード!さすが有望新入部員ね!」
推理から満面の笑みを浮かべサムズアップとウインクを飛ばしてきたが、真悟はそれをヒラリと交わす。
「方針も決まったことだし、私たちで犯人を見つけ出すわよ!」
立ち上がった綾は、恐る恐ると言った様子で、小さく右手をあげる。
「何かしら?発言を認めるわ」
「ま、まずは先生に相談したほうがいいんじゃな────」
綾の発言を遮るように推理は胸の前で大きなばってんマークを作る。
「バーッドッッッ」
あまりの勢いに綾は「ひい」と声を漏らし後退り、真悟も勢いに押されて後退した。
葵木のほうに目をやると、苦笑いを浮かべていた。
「全然ダメね!それでも真理部の一員なの!?」
「う、うん。一応は。推理ちゃんに無理やり入れられたから」
「一つよろしいですか?」
「発言を許可するわ。なにかしら葵木くん」
「ありがとうございます。犯人を探し出す案はもう思い浮かんでたりするんですか?」
「葵木くん。私の下の名前を御存知ない?」
「推理ですよね?」
「そう、その通りよ」
これ以上説明はいらないとばかりに、推理は得意げに、肩口にかかる髪を左手ではらい上げる。
とはいえ、名前が推理だからといって推理できるものなのだろうかと、真悟は心の中で思ったが口に出すことはしなかった。
なにせ────
「たしかにそうですね」
「さすが、推理ちゃん」
真悟以外の二人の部員は乗り気だったのだ。
「では、ただいまから、真理部の至宝である、『課題』の奪還作戦を開始します!」
綾の報告を受けた推理は怒声をあげ振り返る。
そのままの勢いで綾をはじき飛ばすと、ドンと鈍い音が準備室内に響き渡る。
どうやら弾みで棚の角に足をぶつけてしまったようだ。
「推理ちゃん。痛いよー」
膝を抱えてうずくまる綾には見向きもせず、推理は綾が見ていた棚の中を覗き込む。
「大丈夫ですか?」
葵木はと言えば、すぐに綾の元へ駆け寄っていた。
抜け目がないというかなんというか。
そんな二人を尻目に、愕然とした表情で振り返る推理。
「ない。本当にないわ」
「そんなに大切なものだったんですか?」
「そんなの、大切も大切よ。真理部が真理部である根源。真理部が守り通さなければならない至宝なのよ!藤野真理さんがこの部に残した最後の遺産なんだから」
「母さんが……?」
ポツリと漏らした真悟の言葉を推理は聞いてはいなかったようで、両手で自分の頬を叩くと、不敵な笑みを浮かべた。
「あーあ。私、なんで動揺しちゃってたんだろう。こんなとき、真理部の部員であるなら、藤野真理さんだったら、どうするかなんて単純なことなのに」
綾に手を貸して立ち上がらせた葵木は、そのままの勢いで振り返り、口を開く。
「何をするつもりなんです?」
「阿部くんならわかっているわよね?」
真悟は幼い頃に過ごした母、真理とのやり取りや思い出を思い出し、間髪入れずに答えた。
「犯人を探すんじゃないですか?」
「グッード!さすが有望新入部員ね!」
推理から満面の笑みを浮かべサムズアップとウインクを飛ばしてきたが、真悟はそれをヒラリと交わす。
「方針も決まったことだし、私たちで犯人を見つけ出すわよ!」
立ち上がった綾は、恐る恐ると言った様子で、小さく右手をあげる。
「何かしら?発言を認めるわ」
「ま、まずは先生に相談したほうがいいんじゃな────」
綾の発言を遮るように推理は胸の前で大きなばってんマークを作る。
「バーッドッッッ」
あまりの勢いに綾は「ひい」と声を漏らし後退り、真悟も勢いに押されて後退した。
葵木のほうに目をやると、苦笑いを浮かべていた。
「全然ダメね!それでも真理部の一員なの!?」
「う、うん。一応は。推理ちゃんに無理やり入れられたから」
「一つよろしいですか?」
「発言を許可するわ。なにかしら葵木くん」
「ありがとうございます。犯人を探し出す案はもう思い浮かんでたりするんですか?」
「葵木くん。私の下の名前を御存知ない?」
「推理ですよね?」
「そう、その通りよ」
これ以上説明はいらないとばかりに、推理は得意げに、肩口にかかる髪を左手ではらい上げる。
とはいえ、名前が推理だからといって推理できるものなのだろうかと、真悟は心の中で思ったが口に出すことはしなかった。
なにせ────
「たしかにそうですね」
「さすが、推理ちゃん」
真悟以外の二人の部員は乗り気だったのだ。
「では、ただいまから、真理部の至宝である、『課題』の奪還作戦を開始します!」
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