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第3章 沖縄防衛戦
第19話 剣部隊
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艦隊からの増援である輸送部隊は、4つに別れて行動を始めた。
1つは、広島の呉へ、もう1つは長崎県佐世保へ、もう1つは四国は愛媛へ、もう1つは鹿児島へと分からて行った。護衛には軽巡洋艦2隻、駆逐艦12隻、軽空母1隻が着いている。なお軽空母は第一三艦隊のを編入した。
港にはすでに輸送用のトラックが到着しており、輸送船のクレーンで次々に荷揚げされ、トラックに積み込まれて、各飛行場へと運ばれていく。
大半の飛行場には神国と日本の整備兵と搭乗員が配備されたが愛媛県の松山飛行場の三四三航空隊剣部隊と合同で使用されるため、急いで滑走路の拡張と格納庫の増設が行われていた。神国からもブルトーザーや重機が運ばれ、せっせと土木工事をしていた。
海軍三四三航空隊、通称剣部隊、海軍中将の原田実により創設された海軍航空隊の精鋭部隊。各部隊のエースパイロットと最新鋭の戦闘機、紫電改を主力に呉と佐世保への防空を担っている。
「ここを拡張するのか?」
「増援が配備されるからその為だそうです」
「何機だ?」
「さぁな?まだ、噂程度なので」
タバコ加えながら作業を見ていた菅野直大尉とその僚機の杉田良一上等兵曹の言葉に整備兵が答えた。
「お、噂をすれば来た見たいだぞ?増援の機体だ」
格納庫の近くに十数台のトラックが止まり、積み荷を包んでいた幌が取られた。青色の大型の機体が姿を見せた。
「な、何だあの機体?見たことない機体だ」
「新型が配備されるなんて聞いてないが・・」
松山基地に神国から配備されるのは、神国海軍局地戦闘機、陣風である。
「よ!その機体新型か?」
いつの間にか菅野大尉が機体を運んできたトラックの側まで行っており、運んできた助席の兵士に聞いていた。
突然後ろからいきなり肩を組まれて聞かれたので驚いていた。
「は、はい、新型と言うよりはある国の迎撃機です」
「あん?ある国、あの噂の?」
「はい、そうです。あ、申し遅れました神国海軍第三二五航空隊第一中隊白蛇部隊隊長の能上兼貞大尉です」
「大日本帝国海軍第三四三航空隊剣部隊第三〇一中隊新選組隊長の菅野直大尉だ。よろしく」
整備兵だと思って話しかけたのは増援の部隊の隊長だった。
「珍しいな大尉が整備兵見たいな格好しているなんて」
「ちょ、ちょっと菅野隊長!いくら同階級と言っても別の部隊の隊長に」
慌てて杉田が止めに入ろうとした。
「いえいえ、自分の機体位、自分で整備したいのでいつも整備兵混ざって仕事してます」
「ハハハ!確かにな俺は不器用だから空で戦う以外出来ないからな」
「菅野隊長、もう少し地上では大人しくしてくださ」
2人の後ろから菅野大尉の行動を気にする杉田だった。
そんな会話をしている間にも次々トラックが到着し、機体を格納庫に運び入れ組み立て作業に入っていく。
その日の夜、地下司令部に隊長格の数人と新たに加わった神国の司令を含む将校が集まっていた。
「集まってくれたか、三四三航空隊司令官の原田実中将だ。よろしく頼む」
「三二五航空隊司令官御橋知路少将です。よろしくお願いします」
1つの机を囲み、薄暗い電球のしたで今後の作戦行動について話しはじめた。
「敵機動部隊の情報は?」
「現在確認が取れている情報は、敵機動部隊は九州、四国沖約百キロの距離に展開しています。まだ、動かないのは、機体の整備と補給の関係でしょう。無線の傍受で分かっているのは、九州及び四国、瀬戸内海の軍施設への攻撃。敵の最終目標は日本本土への足掛かりとなる。沖縄攻略」
「やはりか、最近艦載機の攻撃が減っているのも戦力を集めているからか」
「その為に我々が派遣されてきのです。侵攻作戦では活躍出来ませんが迎撃戦ならお任せ下さい」
「そう言えば、あんたらの機体何って機体何だ?紫電改よりも二周りはデカかったが?」
「あの機体の名前は『陣風』です」
陣風は川西航空機が開発した戦闘機でドイツ人亡命者から提供されたFW190ホッケウルフの設計図を元にイギリスから譲り受けたグリフォンエンジンを改良したハ‐48(3000馬力)で陸軍と共同で開発された。最高速度は762キロで神国でもトップクラスの速度を誇る。
機体の特徴は空力特性を考えてられたスラリとした胴体と全長よりもやや長く分厚い主翼の機体で主に基地の防空や拠点防衛の迎撃機に使用されらる。
その為に航続距離は増槽を着けても600キロと短く、侵攻作戦や護衛任務には適していない機体だが、コックピット周辺を通常の倍の装甲で覆う事で爆撃機の銃座程度の攻撃ではビクともしない防御力と1万メートルまで5分掛からない上昇力、双発機並の火力で、翼内に20ミリ4門、主翼付け根に20ミリ2門、機首に13ミリ4門と高火力で迎撃機としては完成した機体と言われた。
アメリカ軍からは爆撃隊のあまりの被害の多さにその拠点の攻略を控える程の脅威と認識されていた。
「陣風か・・・後で乗せてくれ!その機体の性能を確かめたい」
「構いませんがあなたが乗ってきた機体とは特性がかなり変わりますよ?」
「それでも自分自身の体で感じ取りたいんだ!」
菅野大尉の熱心な目をみた貞大尉は、頷き鞄から分厚いマニュアルを菅野大尉に手渡した。
「それに目を通して頂いたら喜んで搭乗させてあげます」
ニコニコしているがやっている事はかなりエグい。菅野大尉も手元にある紙の厚さに冷や汗をかいた。
その後、1日でそのマニュアルを読破し、無事に飛行させることが出来た菅野大尉であったが機体の性能が紫電改とは全く違う事に驚き、自分の機体にほしいと騒ぎまくったと言う。
上からの指示では、何機かを渡すつもりでいたらしいので、その願いは叶うかもしれない。
そんな事があった2日後、各飛行場に神国から配備されたレーダーと偵察に出ていた日本の彩雲が多数の米軍機を捉えた。
すぐに空襲警報が発令され、付近の民間人は防空壕へ避難し、防空部隊は出撃の準備に動き出した。
後に最強の航空隊は何処か?と聞かれた際にして剣部隊と言われるその部隊の伝説は、この日に幕を上げた。
1つは、広島の呉へ、もう1つは長崎県佐世保へ、もう1つは四国は愛媛へ、もう1つは鹿児島へと分からて行った。護衛には軽巡洋艦2隻、駆逐艦12隻、軽空母1隻が着いている。なお軽空母は第一三艦隊のを編入した。
港にはすでに輸送用のトラックが到着しており、輸送船のクレーンで次々に荷揚げされ、トラックに積み込まれて、各飛行場へと運ばれていく。
大半の飛行場には神国と日本の整備兵と搭乗員が配備されたが愛媛県の松山飛行場の三四三航空隊剣部隊と合同で使用されるため、急いで滑走路の拡張と格納庫の増設が行われていた。神国からもブルトーザーや重機が運ばれ、せっせと土木工事をしていた。
海軍三四三航空隊、通称剣部隊、海軍中将の原田実により創設された海軍航空隊の精鋭部隊。各部隊のエースパイロットと最新鋭の戦闘機、紫電改を主力に呉と佐世保への防空を担っている。
「ここを拡張するのか?」
「増援が配備されるからその為だそうです」
「何機だ?」
「さぁな?まだ、噂程度なので」
タバコ加えながら作業を見ていた菅野直大尉とその僚機の杉田良一上等兵曹の言葉に整備兵が答えた。
「お、噂をすれば来た見たいだぞ?増援の機体だ」
格納庫の近くに十数台のトラックが止まり、積み荷を包んでいた幌が取られた。青色の大型の機体が姿を見せた。
「な、何だあの機体?見たことない機体だ」
「新型が配備されるなんて聞いてないが・・」
松山基地に神国から配備されるのは、神国海軍局地戦闘機、陣風である。
「よ!その機体新型か?」
いつの間にか菅野大尉が機体を運んできたトラックの側まで行っており、運んできた助席の兵士に聞いていた。
突然後ろからいきなり肩を組まれて聞かれたので驚いていた。
「は、はい、新型と言うよりはある国の迎撃機です」
「あん?ある国、あの噂の?」
「はい、そうです。あ、申し遅れました神国海軍第三二五航空隊第一中隊白蛇部隊隊長の能上兼貞大尉です」
「大日本帝国海軍第三四三航空隊剣部隊第三〇一中隊新選組隊長の菅野直大尉だ。よろしく」
整備兵だと思って話しかけたのは増援の部隊の隊長だった。
「珍しいな大尉が整備兵見たいな格好しているなんて」
「ちょ、ちょっと菅野隊長!いくら同階級と言っても別の部隊の隊長に」
慌てて杉田が止めに入ろうとした。
「いえいえ、自分の機体位、自分で整備したいのでいつも整備兵混ざって仕事してます」
「ハハハ!確かにな俺は不器用だから空で戦う以外出来ないからな」
「菅野隊長、もう少し地上では大人しくしてくださ」
2人の後ろから菅野大尉の行動を気にする杉田だった。
そんな会話をしている間にも次々トラックが到着し、機体を格納庫に運び入れ組み立て作業に入っていく。
その日の夜、地下司令部に隊長格の数人と新たに加わった神国の司令を含む将校が集まっていた。
「集まってくれたか、三四三航空隊司令官の原田実中将だ。よろしく頼む」
「三二五航空隊司令官御橋知路少将です。よろしくお願いします」
1つの机を囲み、薄暗い電球のしたで今後の作戦行動について話しはじめた。
「敵機動部隊の情報は?」
「現在確認が取れている情報は、敵機動部隊は九州、四国沖約百キロの距離に展開しています。まだ、動かないのは、機体の整備と補給の関係でしょう。無線の傍受で分かっているのは、九州及び四国、瀬戸内海の軍施設への攻撃。敵の最終目標は日本本土への足掛かりとなる。沖縄攻略」
「やはりか、最近艦載機の攻撃が減っているのも戦力を集めているからか」
「その為に我々が派遣されてきのです。侵攻作戦では活躍出来ませんが迎撃戦ならお任せ下さい」
「そう言えば、あんたらの機体何って機体何だ?紫電改よりも二周りはデカかったが?」
「あの機体の名前は『陣風』です」
陣風は川西航空機が開発した戦闘機でドイツ人亡命者から提供されたFW190ホッケウルフの設計図を元にイギリスから譲り受けたグリフォンエンジンを改良したハ‐48(3000馬力)で陸軍と共同で開発された。最高速度は762キロで神国でもトップクラスの速度を誇る。
機体の特徴は空力特性を考えてられたスラリとした胴体と全長よりもやや長く分厚い主翼の機体で主に基地の防空や拠点防衛の迎撃機に使用されらる。
その為に航続距離は増槽を着けても600キロと短く、侵攻作戦や護衛任務には適していない機体だが、コックピット周辺を通常の倍の装甲で覆う事で爆撃機の銃座程度の攻撃ではビクともしない防御力と1万メートルまで5分掛からない上昇力、双発機並の火力で、翼内に20ミリ4門、主翼付け根に20ミリ2門、機首に13ミリ4門と高火力で迎撃機としては完成した機体と言われた。
アメリカ軍からは爆撃隊のあまりの被害の多さにその拠点の攻略を控える程の脅威と認識されていた。
「陣風か・・・後で乗せてくれ!その機体の性能を確かめたい」
「構いませんがあなたが乗ってきた機体とは特性がかなり変わりますよ?」
「それでも自分自身の体で感じ取りたいんだ!」
菅野大尉の熱心な目をみた貞大尉は、頷き鞄から分厚いマニュアルを菅野大尉に手渡した。
「それに目を通して頂いたら喜んで搭乗させてあげます」
ニコニコしているがやっている事はかなりエグい。菅野大尉も手元にある紙の厚さに冷や汗をかいた。
その後、1日でそのマニュアルを読破し、無事に飛行させることが出来た菅野大尉であったが機体の性能が紫電改とは全く違う事に驚き、自分の機体にほしいと騒ぎまくったと言う。
上からの指示では、何機かを渡すつもりでいたらしいので、その願いは叶うかもしれない。
そんな事があった2日後、各飛行場に神国から配備されたレーダーと偵察に出ていた日本の彩雲が多数の米軍機を捉えた。
すぐに空襲警報が発令され、付近の民間人は防空壕へ避難し、防空部隊は出撃の準備に動き出した。
後に最強の航空隊は何処か?と聞かれた際にして剣部隊と言われるその部隊の伝説は、この日に幕を上げた。
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